d design travel KOCHI 編集部同行レポート②

二日目の朝一は、香美市にある「アンパンマンミュージアム」へ。
周囲に森や山があり、息を深く吸いたくなる気持ちの良い立地の中にありました。施設の至るところにアンパンマンの世界感が散りばめられ、「あ、あそこにも!」と発見する楽しみ。

わたしが中でも一番気に入ったのは、4階のギャラリーです。
キャラクターたちの大きな肖像画や、物語のワンシーンが描かれ、展示された一室。子供向けアニメ画の軽やかな印象とはちがう、大人にこそ深い愛情を伝えるような、今まで見たことのないアンパンマンたち。小さい頃、アンパンマンの絵本やアニメで育った大人も、そうでなくでも、きっと改めてファンになるでしょう。嬉しかったのは、ミュージアムショップでポストカードになっていて、お気に入りの画が購入できたこと。館内の写真はお伝えできませんが、ぜひ、ご自身で目で見に来てください。

 

 

最後の同行先となったのは、「いの町紙の博物館」。
正式名称を「土佐和紙伝統産業会館」。何十人もの紙漉き職人を雇い稼働していた中田製紙工場跡に建ち、「土佐和紙」の過去と現在を知るにはこれ以上ない場所です。

良質な和紙原料の栽培に適した、雨が多く暖かな気候の高知県。そして、全国一位の水質を誇る仁淀川は、紙漉きに欠かせない、美しく豊かな水源をもたらしました。特有の風土の中で生まれた土佐和紙は、明治時代「紙聖」吉井源太の功績により飛躍的に発展。従来の紙漉き用具の改良や、原料の増産、技術開発に尽力し、その活躍は県内に留まらず日本の紙製業界を導きました。
館内には、和紙の大量生産を可能にした源太の代表的発明の一つ8畳サイズの大型簀桁を展示している他、貴重な歴史的展示物が並びます。

私が訪れる前から楽しみにしていたのは、紙漉き職人が常駐する併設施設で行う紙漉き体験です。

腕捲りをし意気揚々と挑みますが、均一の厚さで紙を漉くのは、想像以上に難しい…。このサイズの簀桁でも、漉き船から持ち上げるにはなかなかの重さがあります。(わたしは平衡を保って漉くことができませんでした…)

体験料400円でハガキサイズ6枚と名刺サイズ5枚が完成!

乾燥を待つ間は、原料作りを含めた伝統的な和紙作りの作業工程を見学。実際の道具と合わせて写真で丁寧に解説され、紙漉きとは本当に大変な重労働だと知りました。

バス一時間圏内の小学校は四年生以上で社会科見学に訪れ、この紙漉き体験をするそう。和紙作りを学び終えた後、きっと生徒たちは完成した手漉き和紙を大切に使い、地元の伝統工芸品を誇りに思うだろうな、と思いました。

近年、「土佐和紙」に親しんだ人々や町の取り組みによって、「使える和紙展」や「夜の紙博」などが企画され、展示をきっかけに新たな活用法が見出されつつあります。これから、誰にとっても「土佐和紙」が身近になる未来をつくっていく場所だと感じました。

 

 

今回の同行旅でお世話になった宿は、高知号ワークショップの会場でもあった「セブンデイズホテルプラス」。清潔な雰囲気と充実のアメニティ、1日500円のレンタサイクル、無料で使用可のPCも有るなど、利用のしやすさが魅力。(ロビーで『d design travel』も読めます!)

高知産のお米や食材を使った平日限定提供の和食も大変美味しく、二日目も元気なスタートをきれました。しかし他のお客様が召し上がっているパンなども美味しそう……。次回は、洋食を選ぶとします。
 

 

たった二日間の旅でしたが、編集部のアテンドで、高知県の風土や気質に触れることができました。けれど、まだまだお伝えしたい魅力がたくさんあります。日曜市、アイスクリン、カルスト台地、土佐刃物、天日塩や柚子の食文化……ひとつでも気になるものがあれば、ぜひ『d design travel KOCHI』をお手にとってみてください。

現在、出版記念展覧会を開催中!
編集部が見つけて来た、高知の良いもの・良いデザインをご紹介しているミュージアムショップも必見です。

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『d design travel 高知』発売記念
「d design travel KOCHI EXHIBITION」
会期:2019年3月8日(金)~4月22日(月)
時間:11:00~20:00(入館は19:30まで)
場所:d47 MUSEUM(渋谷ヒカリエ8F)
イベント詳細ページは【こちら】から
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