dの活動報告|2024.1

その土地に長く続くことをみんなで共有、活用し、未来につなげる。

私たちは「ロングライフデザイン」を合言葉に、長く続いていることやものを研究・発信する《リサーチ&アーカイブ》、長く続いていることやものを紹介・販売する《セールス&コミュニケーション》、継続性やその土地の個性づくりを開発する《ロングライフクリエイション》の3つを柱に、健やかなものづくりと、そこに大切な意識を広める活動に取り組んでいます。2024年1月までに取り組んだ活動の一部をご紹介します。


 
セールス&コミュニケーション
ロングライフデザインの会|第15回dd SCHOOL
「B Corp」から学ぶ、社会と繋がる企業のあり方

講師に、d47 MUSEUM「Wellness Folklore」展の出展者であり、B Corp認証企業である「ファーメンステーション」代表の酒井里奈さんをお迎えし、会員の皆さんとスタッフが一緒に学ぶ社内勉強会。B Corpを取得したことにより、酒井さんが目指す「事業性と社会性の両立」に向けて、客観的な視点と定期的なチェックを受けることができているだけでなく、認証企業同士での情報交換などの学びもあるそう。さらに、自分たちが目指すところや現状を、社内での共通意識として持つことができたとおっしゃいます。「B Corpは面白い!」と、楽しそうにお話しされている酒井さんの姿が印象的で、参加者の方やスタッフからの質問は途切れず、時間が足りないほど。次回のdd SCHOOLは、東京・町田「東向山 簗田寺」での勉強会を予定しています。ぜひご参加ください。(渡邉壽枝/ロングライフデザインの会 事務局)

第15回 dd SCHOOL「B Corp」から学ぶ、社会と繋がる企業のあり方 2024年1月18日(木)開催
「ながくつづく」を学ぶプログラム 2024


 
セールス&コミュニケーション
埼玉|d SCHOOLわかりやすい武蔵ワイナリー 福島塾
一年を通しての自然派ワインづくり、ラベルを貼って完成!

小川町の「武蔵ワイナリー」を舞台に、一年を通してワインづくりを行なう福島塾の最終回。今回は、オリ引き・タンク充填作業の見学後、「d design travel埼玉号」の表紙を飾った和紙作家の森田千晶さんによる、オリジナルデザインのラベルを「DAIKANPAI 2023」に貼り、完成。最初から最後まで、人の手が多く関わったワインづくりを経験することができました。そして、参加者同士が良い繋がりを持ち、イベント以外でも武蔵ワイナリーに訪れる回数が増えるなどの交流が生まれています。今後も会を継続し、ご縁を大事にしていきます。(尾崎なつ江/D&DEPARTMENT SAITAMA by PUBLIC DINER)

d SCHOOL わかりやすい武蔵ワイナリー 福島塾 2023年2月16日(木)~(全6回)


 
ロングライフクリエイション
d47食堂|お正月特別メニュー開発
島原具雑煮など長崎のお正月をお祝いする一膳を提供。

自身の故郷である長崎県の正月をテーマとした「長崎・島原具雑煮定食」を開発、年始の1月3日、4日に提供しました。祖父の出身地である島原のお雑煮は、海の幸、山の幸をふんだんに取り入れて具沢山であるため「具雑煮」と呼ばれます。具雑煮に添えたのは、長崎の郷土料理「ハトシ」とおせち料理の定番である「なます」。「ハトシ」とはエビのすり身を食パンで挟んで揚げたもので、早くから外国との交流が盛んであった長崎中心部で食べられています。「なます」は寒期に作られる保存食のゆで干し大根と、「ゆうこう」という長崎でも一部の地区でしか栽培されていない柑橘を使用。帰省の際に母に作り方を教えてもらったり、友人たちとハトシの食べ比べをしたり、地元ならではの食文化を改めて学びながら、初めての定食開発。長崎の多様な食文化を、一つのお膳にまとめる難しさを感じつつも、自然と人々の歴史が織りなす豊かな食文化を考える機会となりました。(安部春香/d47食堂)

→ Instagram|@d47_shokudo


 
ロングライフクリエイション
富山|スペシャルメニュー開発
下新川郡の生産者の食材を使ったメニューを提供。

スペシャルメニューは、朝日町で日本酒づくりを営む「林酒造場」の酒粕を使ったグレイビーソースをローストポークに添えて。クセが無く旨みがしっかりしているため、酒粕が苦手な方でも楽しめる一品となりました。そして、週替わりパスタでは、同じく朝日町にある「坂口屋醸造店」の甘酒をパスタソースに。常温で丁寧に発酵させて作られた甘酒のソースに、相性の良い海老、菜花、人参を合わせ、仕上げにディルとレモンを散らしました。食材の美味しさや魅力を確認するとともに、生産者の方にも喜んでいただけるメニューとなりました。(田中陽子/D&DEPARTMENT TOYAMA)

→ Instagram|@d_d_toyama


 
セールス&コミュニケーション
富山|Taromaのアロマとハーブ
アロマテラピーを通じて自分の体と心を知り、ケアの方法を学ぶ。

富山発のアロマテラピーブランド「Taroma」は、病気になる前に、日々の暮らしの中で心と体をケアすることを提案しています。特集に合わせて開催するワークショップでは、「Taroma」のセラピストの方にお越しいただき、さまざまな切り口からアロマテラピーを体験する企画を開催。好みの香りから体調を測り、スキンケアにも役立つオリジナルバーム作りや本格的なSPA体験、さらに今年はステップアップ企画として、プロに教わりながらヘッドマッサージができるようになる講座も行ないました。(進藤仁美/D&DEPARTMENT TOYAMA)

Taromaのアロマとハーブ 2024年1月4日(木)~2月4日(日)開催


 
ロングライフクリエイション
三重|季節限定ドリンク開発
みかんの美味しさがぎゅっと詰まった「みかんエード」。

三重県・南伊勢町五ヶ所浦にある農業組合法人「土実樹(つみき)」で栽培されたみかんを使った「みかんエード」。酸味と甘みのバランスが抜群の早生みかんの果汁と果肉を余すことなく使い、生姜とローズマリーがアクセントとなり、みかんの甘さを引き立てます。さらに、みかんの甘さとジューシーさを感じられる「みかんスカッシュ」も提供。年代問わず多くの方に楽しんでいただけました。今後も三重の美味しい食材を知ってもらえる季節メニューを考案していきます。(浜津実奈/D&DEPARTMENT MIE by VISON)

→ Instagram|@d_d_mie


 
ロングライフクリエイション
京都|お正月特別メニュー開発
現地取材で知った、白味噌雑煮と納豆餅。

京都のお雑煮は白味噌。しかし、それだけではないということを、京都の各地を訪ね食べるうちに知ることになった。昨年秋「京都 美山 ゆう豆定食」の現地取材で訪れた「碌」の田んぼを見せていただいた時、この辺りはお正月に「納豆餅」なるものを用意して食べると聞き、取材の帰り道、納豆餅を食べさせてくれる店に寄った。その時に感じた「おいしいー!」「初めての味―!」という感動を、みなさんにもお伝えしたいとメニューを開発。白味噌には、宮津の「世屋蔵」の特別に仕込んだ白味噌を使わせていただいた。じわっとした甘み、後味の良さ、里芋などの野菜との相性が抜群だったことで、あちこちの白味噌を吟味した結果、使わせていただいたのだが、2年前の「宮津 飯尾醸造定食」の開発からの繋がりが、形を変えながら続いていることに感謝。2024年も続けること、作ることを大切にしたい。(内田幸映/D&DEPARTMENT KYOTO d食堂京都)

→ Instagram|@d_d_kyoto


 
セールス&コミュニケーション
京都|高野竹工の伐り子とゆく、京都竹林ツアー
京都の竹林を歩きながら、日々竹と向き合う伐り子に聞く。

2024年1月、京都店では初めてとなるツアーを開催!「高野竹工のもののまわり」に連動し、高野竹工の管理する竹林を、竹の生態や目利きについてお伺いしながら、伐り子の東前りささんと一緒に歩きました。竹林には、下草や虫などさまざまな生物との共存が至る所で見られ、参加者からは行く先々で質問が上がりました。最後は竹林を前に、dオリジナル煎茶と「麩嘉」の生麩饅頭をいただき休憩。一本一本の竹が持つ形や表情を活かす高野竹工のものづくりの姿勢から、伐り子の存在意義と、活用の可能性を考える機会となりました。(板津奈央子/D&DEPARTMENT KYOTO)

高野竹工の伐り子とゆく、京都竹林ツアー 2024年1月24日(水)開催


 
セールス&コミュニケーション
鹿児島|直売会
傷の付いた桜島小みかんを無駄なく消費する。

直径わずか4~5cm、“世界一小さいみかん”といわれる「桜島小みかん」。火山土壌の厳しい環境を耐え、島の気候が育む甘みの詰まった小みかんは、上等品は贈答用としての需要も高く出荷されていきます。しかし、どれだけ手間をかけても、桜島の風吹く厳しい環境では、どうしても傷が付いてしまいます。廃棄されたり、加工品ではない本来の形で陽の目を浴びることがない、傷の付いた小みかんの現状を知り、食べてもらってその役割を終えてほしいと、生産者の「昼ノ月果実」の園田史人さんとともに販売しました。規格外と呼ばれてしまう野菜や果物も、そのままの形で消費することが最も無駄がなく気持ちの良いことだと、ひとりでも多くの方に知っていただくきっかけを、これからも作っていきたいです。(内門美里/D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA)

昼ノ月果実 桜島小蜜柑販売 2024年1月2日(火)開催


 
セールス&コミュニケーション
鹿児島|d SCHOOL わかりやすい龍門司焼
龍門司焼について学び、手捻りにでオリジナルの器を作る。

「薩摩焼のもののまわり」の関連企画として、講師に「龍門司焼企業組合」の川原竜平さんをお招きし、手捻りの器づくりワークショップを開催しました。まず、龍門司焼の歴史や多彩な釉薬などを学び、実際に土を捏ねて、それぞれ思い思いの器を製作。使用した粘土は、陶工が自ら山に入り調達した、鹿児島の風土が育んだ“龍門司”の土。参加者は陶芸初挑戦の方がほとんどで、「無心になって土に触れ癒されました」という声や、イメージ通りに成形していく難しさなど、ものづくりの奥深さを味わう機会となりました。製作した器は窯元で焼成し、3月ごろに完成予定……どんな仕上がりになるかとても楽しみです!今企画を通じて、「薩摩焼」そのものは遠い存在の伝統工芸品ではなく、わたしたちの日々の生活を彩る身近な存在であることを伝え続けていきたいです。(鶴窪美佳/D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA)

d SCHOOL「わかりやすい龍門司焼 2024年1月20日(土)開催
薩摩焼のもののまわり 2023年12月28日(木)~2024年2月6日(火)開催


 
リサーチ&アーカイブ
沖縄|やんばるアートフェスティバルのもののまわり
自然と人との共存共栄をテーマに掲げる地域芸術祭。

沖縄本島北部で2017年から開催されている「やんばるアートフェスティバル」。アートを通じて産業や地域文化を世界に発信するという思いでスタートをして迎えた7回目は、ナガオカケンメイがアートディレクターを担当。沖縄店のギャラリーでは、これまでの歩みを振り返り、沖縄における地域芸術祭のあり方を考える展示企画を開催。2月9日には、アートフェス会場と繋ぐインスタライブを配信。より多くの方にアートに直に触れ、冬の「やんばる」について改めて知っていただくとともに、現地を訪れるきっかけになればと思います。(島袋みのり/D&DEPARTMENT OKINAWA)

やんばるアートフェスティバルのもののまわり 2024年1月24(水)~3月18日(月)開催
→ Instagram|@d_okinawa