3 GOOD DESIGN SHOPをクローズします。

2018年7月9日にGOOD DESIGN SHOP(以下GDS)表参道をクローズします。大阪は7月12日、海外店は今のところ未定ですが、クローズするとおもいます。理由を先に書きますと、そろそろ両社とも「次」に進むためです。これはなんとなく川久保さんも僕も思っていたことです。
話せば長くなりますが、話します。笑 まだd長野店があった頃、ある昼くらいの時間に、僕の携帯に川久保さんから電話がかかってきました。僕はあまりにびっくりして、改めて掛け直すと伝え、一旦、電話を切り、外に出て深呼吸をしたのを今でも覚えています。
そもそも、1998年にD&MA(現在のD&DEPARTMENT)を考えつき、その時に「ある日、川久保さんがやってきて、僕の選んだものを手に取り、ニコッと笑って買っていくような品物を揃えた店」という、ショップのちょっと変わった方向性を決めていました。Comme des Garconsのやっていることは、一見、過激すぎるようですが、かなり定番を意識し、定番をクリエイションでアレンジし続けるような面があり、ブランド名の和訳は「少年のように」ですが、まさに、そういうストーリーも好きで、しっかり着こなせて、シャレっ気も忘れない。そういう生活に使えるようなものを揃えようと考えていました。
D&DEPARTMENT(以下d)は、「川久保さんがニヤッと・・・」というものともう一つ、創業から僕が考えた品物選びの方向性があります。それが「・・・のようなもの」。よくスタッフに伝えているのは「机を売るのではなく、机のようなものを売ろう」と。ワインクーラーに使える「ワインクーラーのようなもの」や、収納に使える「収納のようなもの」です。それらを探していくと、流行品ではなく、業務用品のような、多用途で丈夫で、モデルチェンジしないもの。機能に徹して、色気はないけれど、無骨でかっこいいものになり、これをdでは「d&クラシックライン」(dの原型)と呼んでいました。
やがて、このクラシックラインという原点をベースに普遍的な形やロングセラーなものと広がり、テーマは「Long life design」としていきます。様々な海外ブランドを新品で取り扱えようになり、現在のような、日本の伝統工芸もロングライフデザインでは、と、位置づけ、加え、そこに今は「学び」や「旅」が加わって現在のdのスタイルとなりました。
さて、先日の日記にも書きましたが、こうしていくうちに、いつしか「提案型のd」から「家具雑貨店のようなd」に変わってきました。もちろん、川久保さんが僕らに目をつけてくれたのは、今とは違い、マイナーでアングラな生活用品とも取れないものを販売していた頃の様子が気に入ったからです。
これは噂に聞いた話ですが、川久保さんは自分の服をもっと「服屋さんじゃない風景で売りたかった」ようで、様々な大胆な方法、例えば、販売什器を全て自社のダンボールでその上に置いただけのショップなどを実行していて、「・・・・のような生活雑貨屋の奥で服を売りたい」というアイディアに対し、「そういう雑貨屋(おそらく、川久保さんには明確に架空のそんな雑貨店が見えていて)なら、ありますよ」と関係者に言われたのが僕らだったという話をどこかで漏れ聞きました。そして、ある日、川久保さんは僕らの店に現れました。

その夜、僕の元に「昼間に川久保玲さんが、来店されて、買い物されました」と、連絡。その日は僕は店頭にいなかったので、創業時から目標にしていた夢のようなことが現実となって、身震いしました。川久保さんが「ニヤッ」と笑ったかどうかはわかりませんが、その何日か後、長野にいる僕にスタッフから聞いたのでしょう番号に電話を本人がかけ、「一緒にお店をやりませんか?」と。ここから怒涛のスピードでGDSは開店に向け走り始めるのでした。
川久保さんはとにかく「自分のリスペクト」を信じ、そこからブレることなくディレクションしていきます。例えば、僕らはショッピングバックを自社の名前のガムテープを、他社の紙袋の上から貼って再利用していますが、このスタイルをGDSでも使おうと、ロゴ入りのガムテープを作ったり、「カフェは必ず併設するというルールだから、ローズベーカリーと一緒ではどうでしょう」とあくまで僕らdのスタイルを対等に考えてくれました。残念ながら、最終的に決めた場所の面積の都合で、カフェは併設しませんでしたが・・・・。

商品ラインナップは、川久保さんがそこで実現したい「デッドストックなどを販売したい」ということに対して、僕らも「USED」と、そして、我々の原点である「d&クラシック」ラインに決定。そこから川久保さんにより「名前はGOOD DESIGN SHOPにしたい」となり、決定。そこにも「社会に提言するメッセージ」としてのネーミングがありました。そして、その後、ドーバーストリートマーケットに展開していくことになるわけです。

やはり、話が長くなってしまいました。笑 そして、まだまだ尽きないわけですが、僕の中にも、川久保さんの中にも「そろそろ、新しい方向へ」という意識があったのでしょう。特に寂しいとか、悲しいということは全くなく、川久保さんとの定期的な話す機会の中で、それは決まりました。川久保さんたちがどんな新しい方向に進むかは、ここでは置いておき、僕らdはこれまでの「作らない」から、「新しく創り出す」ことへ向かうことにしています。これは2000年の開業時から、なんとなく決めていたこと。20年くらい正しいデザインのリサーチをして、本当に意義のある土地ごとの魅力を持ったデザインを生むためのお手伝いをしようと。今、2020年に向け、大きく舵を切っていくdです。そのためのGDSのクローズということです。

2020年から、世界はますます地球や自然をテーマとすることになっていくとおもいます。自然から見た地球ではなく、地球から見た自然です。私たちの生活も、より大きなそんな概念とともに暮らすことになるでしょう。その中で「もの」や「デザイン」も、かなり大きくその考え方、位置づけも変わっていくとおもいます。そんな次のためにGDSは生まれ、幕を下ろそうと考えました。
最後に、ちょっとお知らせですが、ダブルネームをプリントしたBOXなどは、在庫がなくなり次第、終了となります。そして、例のダブルネームガムテープを貼ったショッピングバッグも、この世から消えますので、何か、記念にお買い物して、そんな袋もぜひ、手に入れてください。

長い間、ありがとうございました。ぜひ、残りすくない営業時間を楽しんでください。

GOOD DESIGN SHOP
Comme des Gar?ons D&DEPARTMENT
スタッフ一同