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NIPPON UMAMI TOURISM
越冬食文化が豊かな里山の暮らしの中にある郷土料理・新潟県「ぜんまいの煮物」
d47 MUSEUM
第34回展覧会

NIPPON UMAMI TOURISM

文化を含んだ「UMAMI」の風景と、
つづく未来を描く47の活動

郷土料理とは、その土地で生きる知恵の集積そのものである。例えば、冬に雪が降り、閉ざされた環境の中で生きるには、春から夏にかけて拵えた保存食が必要となる。乾燥させる、塩漬けする、発酵させる、さまざまな創意工夫が、人の暮らしを支えてきた。過酷な環境の中でこそむしろ、いかに美味しく、楽しく、素材に感謝し、なるべく全てを食べ尽くしていこうとする営みが逞しく育まれたと言える。

いつの時代も郷土料理は、環境の変化や産業の変化を受け入れながら、人を惹きつけ、故郷への思いを誘い、足元にある、生きることの機微に気づかせてくれる喜びに溢れている。地質や風土に現れる自然も、産業や技術革新による歴史も、もちろん季節による産物も、さまざまな「出会い」の上に、一つの料理が生まれ、多様な食文化となり、それは今もまだ進化をつづけているものだと言える。
「UMAMI」という言葉は、今、世界中に広がっている。他の言葉では代用できないこと、それ自体も興味深いが、「うまみ」は、人がその土地で生きるために必要だった食を、生活の中に楽しさを見出してきた食文化でもあることから、その土地にあってこそ、その物語があってこそ、真の意味を持ちうると考えている。

時代の変化とともに歩んできた、それぞれの風土に繋がる郷土料理を、47都道府県から一つずつ選び、それが生まれた出会いの物語と、その文化を伝える活動を合わせて展示してみた。決して、一つの料理がその土地の暮らしを全て言い尽くすものだとは考えていない。本展を通して、その土地に関心を持ち、足を運んでみる旅のきっかけが生まれていって欲しい。その地に訪れ、あなたらしく食の風景を描いてみることが、巡り還って、その土地の食文化を新たに育んでいくに違いない。この世界に、多様な食の風景が溢れた未来をつくりたい。
D&DEPARTMENT/d47食堂
つづくをたべるディレクター
相馬夕輝

つづくをたべるRADIO

いつでもどこでも「うまみ」を聴ける
うまみ展公式音声ガイダンス

NIPPON UMAMI TOURISM(通称うまみ展)をキュレーションした相馬夕輝が、今回選出した日本各地の「うまみ」を語る音声コンテンツ。会場で展示を見ながらじっくり聴き込むもよし、予習に復習に、移動中や作業中のお供にも。いつでもどこでも、あなたを"うまみの旅"に誘います。
聞き手|黒江美穂(D&DEPARTMENTディレクター)

エピソードはPodcastで配信中。
ガイダンスを聴く

NIPPON UMAMI TOURISM

会期
2024/4/26(金)~ 9/15(日)
時間
12:00~20:00 (最終入場 19:30)
場所
d47 MUSEUM(渋谷ヒカリエ8F)Map
休館日
6/4(火)~6/5(水)のみ休館いたします。
入場料
ドネーション形式(会場受付)
能登の食文化を未来につづけるために募金をお願いしております。
「NIPPON UMAMI TOURISM」展での皆さまからのドネーションは、能登半島地震の義援金として、全額を寄付させていただきます。
寄付先|四十沢木材工芸・茶寮杣径・谷川醸造・南谷良枝商店・輪島キリモト
主催
D&DEPARTMENT PROJECT
特別協賛
渋谷ヒカリエ Creative Space 8/
協賛
亀甲萬本店
協力
一般社団法人 農山漁村文化協会
※ミュージアムの最終入場は19:30ですが、館内ショップは以降もご入店可能です。営業終了は20:00です。
※企画詳細は随時お知らせしてまいります。最新情報はウェブサイトやSNSにてご確認ください。
お問い合わせ
03-6427-2301(d47 MUSEUM)
こどももおとなも、
みんなで学ぼう

NIPPON UMAMI TOURISM
TALK・d SCHOOL

食の営みを繋ぐ各界の担い手たちを講師にお迎えし、彼らの活動や視点を通して「うまみ」を学び考えるトークやワークショップを開催します!渋谷ヒカリエほか、D&DEPARTMENT各店(※一部を除く)でも、その土地ならではの体験ができる企画が揃います。

UMAMI TOURISM TALK

  • DAY 1
    風土を伝えるメディアの役割とこれから
    概要
    映画「百姓の百の声」の上映会やトーク、ワークショップを通じて、文化や風土を伝えるメディアの役割と、これからについて考えましょう。
    日程
    6/15(土)
    登壇者
    大兼久由美さん(映画「百姓の百の声」プロデューサー・撮影)、湯澤規子さん(法政大学教授)、真田純子さん(東京工業大学教授)、石川啓道さん(現代農業 編集長)、中村安里さん(うかたま 編集長)
  • DAY 2
    海藻食文化日本
    概要
    米や魚介類とならぶ日本の伝統食、海藻。トークや試食を通じて、海藻食の伝統と文化、海藻の可能性や魅力を学び、未来へ繋げるための取り組みを考えましょう。
    日程
    7/5(金)
    登壇者
    土居純一さん(こんぶ土居 四代目店主)、友廣裕一さん(シーベジタブル共同代表)
  • DAY 3
    COMING SOON
    概要
    詳細は決まり次第公開します。どうぞお楽しみに。
  • DAY 4
    郷土料理を道具から考える
    概要
    道具をテーマに、江戸時代からかたちを変えながら現代に残る郷土料理や郷土寿司にスポットを当てます。道具と郷土料理の関係を紐解きながら、実際にワークショップを通じて体感してみましょう。
    日程
    9/8(日)
    登壇者
    樋口直哉さん(作家・料理家)、岡田大介さん(すし作家)

木桶による発酵文化サミット
in 東京 2024

2021年より渋谷ヒカリエで開催している木桶サミットin東京。日本の食文化に欠かせない発酵食品を支えてきた木桶を次世代へ繋ごうと活動する生産者や木桶職人が集結します。木桶の良さやつくり手の想いを、木桶ならではの味わいを体験しながら、楽しく学ベる2日間です。
日程
7/21(日)〜7/22(月)

d SCHOOL
つづくをたべる 食育月間

6月の「食育月間」に合わせて、D&DEPARTMENT下記店舗では、「食のロングライフデザイン」をテーマに、その土地ならではの食文化を学ぶワークショップやツアーを開催します!
  • 京都店
    d SCOOL わかりやすい大原の紫蘇
    概要
    紫蘇シロップづくりのワークショップ、大きく育った大原の紫蘇畑を訪ねる見学ツアー、紫蘇の受注販売の3本立て。
    日程
    ワークショップ 6/14(金)/ツアー 7月開催
    登壇者
    久保統さん(志ば久)
  • 富山店
    d SCHOOL わかりやすい昆布〆〜夏の魚編〜
    概要
    豊かな漁業資源が生んだ富山ならでは、魚や昆布の食文化を、昆布締めづくりを通じて学びましょう。
    日程
    6/15(土)
    登壇者
    近森光雄さん(サカナとサウナ)
  • 三重店
    d SCOOL わかりやすい 波切のかつおぶし
    概要
    お出汁の取り方や、伊勢独自のかつおぶし文化とその味わいを学びましょう。こども向け・おとな向けの2部制。
    日程
    6/22(土)
    登壇者
    天白幸明さん(かつおの天ぱく 代表)
  • d47食堂
    こどもd SCOOL ほんとうにおいしい出汁
    概要
    こどもと一緒に親子で学ぶお出汁教室。最後には自分たちで削ったかつおぶしを使ったおにぎりとお味噌汁をいただきます。
    日程
    6/29(土)
    登壇者
    大塚麻衣子さん(タイコウ)
その他にも、展覧会に連動して「うまみ」にまつわるさまざまな企画が目白押し!オンラインでお楽しみいただけるプログラムも。最新情報は随時お知らせしていきます。d47 MUSEUMのインスタグラムやハッシュタグ「#うまみ展」で、ぜひフォローしてください。
こどももおとなも、
みんなで食べる

NIPPON UMAMI SHOKUDO

展覧会の会期中、d47食堂では展覧会に登場する郷土料理を実際に食べられる特別メニュー「うまみ定食」が月替わりで登場します。また、「UMAMI角打ちBAR」や、「d47 UMAMI 酒場」など開催予定!最新情報は随時お知らせしていきます。d47食堂のインスタグラムやハッシュタグ「#うまみ展」で、ぜひフォローしてください。