棚田のお米のまわり展・冬

長い冬を乗り越えるため、育まれた保存食。

2019年秋、「まつだい棚田バンク」の活動にゆかりのある7つの集落を7つの展示台で紹介する「d7まつだい棚田バンクミュージアム」が農舞台に生まれました。秋の「棚田のお米のまわり展」では、その土地の方々の暮らしを取材し、棚田がある環境でこそ必要になった生活文化を展示する中で、棚田は、どこか自然と人間の暮らしの中間に位置して、それぞれをつなぎ合わせているように思えました。冬展では、秋展の中でも特に特徴的であった、この越後妻有の地に長く続く越冬食文化について掘り下げていきます。

春は、山菜を採りに山へ繰り出し、秋はお米の収穫が終わると、今度はきのこを収穫します。乾燥、塩漬け、水煮、そのまま冷凍するなど、山の恵みを年中食べられるよう保存し、雪深い冬に臨みます。また、庭先の畑では冬を目前にして、大根、ねぎ、セロリ、人参などの野菜を収穫し、雪下や、玄関先やガレージで、それぞれの野菜の特性に合わせて保存していきます。


今はスーパーでなんでも買える時代ですが、保存食をつくらないと生きていけなかった時代があるからこそ、この地に膨大な先人たちの知恵の集積となる保存食文化、そして郷土料理が生み出されていきました。

冬展では、棚田とともに暮らす豊富な越冬食文化・保存食文化をテーマに、7つの集落を取材し、7つの保存方法(雪下、土中(土穴)、家屋、乾燥、塩漬け、味噌、塩)に分けて展示を行います。


「うちには何もないわよ」と言われて訪れた家々、しかし実際には家全体がまるでその環境を上手く生かしきった食材保存の宝物箱のようでした。温度や湿度を使い分け、発酵菌たちが織りなす香りと共に、真っ白な世界の奥に、人間は、かくもたくましく生きていたのです。


(Photographs by Yuji Yamazaki)

d7まつだい棚田バンクミュージアム
キュレーター 相馬夕輝(D&DEPARTMENT)

棚田のお米のまわり展・冬

日程
2020/1/18(土)~3/22(日)水曜休
時間
10:00~17:00
場所
d7まつだい棚田バンクミュージアム Map http://www.echigo-tsumari.jp/facility/base/nohbutai

入場料:一般500円、こども300円(初回入館時に福引き開催、会期中何度でも入館可)

>> 詳細はこちら

住所:新潟県十日町市松代3743-1 まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」
アクセス:ほくほく線「まつだい」駅南口直結
電話:025-595-6180

主催:NPO法人越後妻有里山協働機構
監修:D&DEPARTMENT PROJECT

開催予定のイベント
「棚田のまわりの保存食・集落体験」
本展キュレーターを務める相馬夕輝(D&DEPARTMENT)と、集落へ展覧会の実物や保存食を訪ねる半日体験を敢行します。

日程 3/21(土)
定員 各回5名
参加費 3,000円(入館料・集落見学、集落への移動込)

<①午前の部>
10時 まつだい「農舞台」集合
   展示見学(キュレーター解説付)
   集落お宅訪問数軒
13時 まつだい「農舞台」解散予定

<②午後の部>
14時 まつだい「農舞台」集合
   展示見学(キュレーター解説付)
   集落お宅訪問数軒
17時 まつだい「農舞台」解散予定

>> 詳細・お申込み
https://pro.form-mailer.jp/fms/2461243f188299
「雪あそひ?博覧会」
越後妻有里山現代美術館キナーレの人気企画。雪で楽しく遊べる作品を展示しています。

日程 2/15(土)16(日)22(土)23(日)24(月)29(土) 3/1(日)
時間 10:00~16:00
料金 一般500円、小中300円

作品例
磯崎道佳『マキオ巨人と雪上散歩』
深澤孝史『こたつカーサーキット』
開発好明『受験の壁』
まつだい棚田バンクについて
新潟県十日町市松代で2003年から「大地の芸術祭」が取り組むプロジェクト。地域の担い手のいなくなった田んぼをできる限り引き受け耕作しながら、棚田バンクのオーナーや地元住民、アーティスト、企業や学生など、多種多様な人々とともに、都市と地域の交流を広げる活動を行なっています。

山麓を切り拓いて作られた階段状の棚田は、お米を育てる土地としてだけでなく、山を支え、川を守り、空気を綺麗にし、多くの生きものに住みかを提供してきました。いざという時は地下水を貯めておくプールになり、地滑りなどの災害防止にも役立つ存在です。しかし、急斜面にあるため農機が入れず手間がかかり、きついところから順に担い手がいなくなっています。

棚田バンクのオーナーになると「里親」として田んぼを保有し、普段の管理は地元の農家と事務局が行いますが、農繁期の農作業に参加できます。収穫したお米は、全体の収量とそれぞれの里親が保有している面積応じて配当されます。耕作することが、棚田の保全につながります。

>> まつだい棚田バンクとは
大地の芸術祭の里を巡る
「棚田のお米のまわり展・冬」の会場では、各集落で収穫されたお米をその場で精米してご購入いただけます。併設する「越後まつだい里山食堂」では、展示している方法で保存された食材を使った料理をお楽しみいただけます。まつだい「農舞台」の外にも、宿泊施設や温泉もあるので、それぞれの楽しみ方ができます。詳細は、以下リンクをご確認ください。

>>大地の芸術祭 公式HP
d7まつだい棚田バンクミュージアム
渋谷ヒカリエに、47都道府県を47台の展示台で見せることで今の時代を実体感できる、日本初のデザイン物産館「d47 museum」をつくりました。その手法を使って「まつだい棚田バンク」にゆかりのある7つの集落を7つの展示台で、それぞれの集落の風土や歴史、暮らす人の営みを通じて、それぞれの「らしさ」を感じる期間限定の美術館となります。