111:流れをイメージする

時間をかけて作っていく楽しみがあるものの一つに「流れ」を作るって在ります。2000年に立ち上げたdも、当初「世田谷区奥沢(環状8号線沿)の店には、人の流れはゼロでした。店を誰かが訪ねてくれて、そのひとがまた誰かを連れてきてくれて、徐々に人の流れができていく。それは不思議と絶える事もなく、まさに川のように流れ、徐々に川幅が広くなっていく。僕はそんな「流れ」をイメージするのが大好きです。好きなポイントは「時間がかかる」「時間をかける」「その間の細かな工夫次第で川幅が増していく」というところ。あまり極端に川幅を広げると、大雨の時に氾濫してしまう。生活の中で自然の川幅をイメージして、そこに流れを作り途断えさせない。

今、d news aguiに対しても、そんな「流れ」を作っている。そして一つ、新しい「流れ」づくりを始めました。それが「古書の流れ」を作る、です。自分がもともと本屋さんの経験があれば、ある程度、資金力、経験力で「流れ」を作ることはできると思います。しかし、本屋さん、古書店は、みんなと同じく憧れはしますが、そんなに簡単にはいかない。これこそ、少しづつ、「流れ」を作り、経験やネットワークを積み、最終的には、「少しだけ黒字になる」状態を作れたら。まずは「本の流れ」を作らなくてはなりませんから、最近、知り合ったカトウユカリさんと小さな古書市をやることに。少し「本」の気配がd news aguiという場所にできて、定期的にそれを放ち、やがて、一般参加型の「ブックフェア」になるように「流れ」を広げていく。そして、そして、いつしか店舗の並びに「d&books」という古書店を作る。その時には経験、お客さん、本の流れができている。そんなイメージではじめていきます。
「流れ」は急にはできないし、作ってはいけない。引力のようなものに任せ、低い方にゆっくり自然に流れていくような、そんな「流れ」づくりのお話でした。ぜひ、小さな古書市、来てくださいね。(本当に小さいですが・・・・)