128:つづくと友達になっているか

先日、ある企業団体の集まりに講演を依頼され参加してきました。その後の「質疑」の時に「会社が続いていくためにはどうすればいいでしょうか」と言う質問を受けました。答えた後、その日家に戻り、お風呂に入りながらより深くその質問に向き合いました。その時に思ったことは「つづくと友達になっているか」と言う答えになりました。

例えば、いつだった書きましたが、素晴らしい「南部鉄器」の鉄瓶があり、一目惚れして購入しても、自宅にその「鉄瓶の友達」つまり、それを使って日常を楽しめる仲間のような道具がないと、ただ鉄瓶はひとりぼっちで何も発揮されず、使われません。そこに「仲間」がいることで、鉄瓶の登場回数も増えて道具として活躍する。「会社がつづいていく」ためにも、やはり「つづいていく仲間」が必要だと思ったわけです。博多の伝統的な祭り「山笠」をずっと支援している明太子の発案者「ふくや」さんは、「長くつづく祭りを応援することで、私たちもつづいています」と言っていました。学生さんに「なぜ、今のバイトを続けているか」と言うテレビか何かのインタビューで「楽しい仲間がいるから」と答えていたのが印象に残っています。例えば、会社が鉄鋼業なら、「鉄鋼のつづいていること」に関心を持つこと。例えばその会社が着物屋さんなら、着物を着て踊る地元の盆踊りに資金的にも応援する。それが「つづく体質」を作っていき、地元の人たちからも、なんだかその会社が「つづいていく」ようにイメージしていく。

つづくには、日々の基本的なことの積み重ねが大切ですが、「積み重ねたい」「何に積み重ねていけばいいか」「誰と積み重ねていくと楽しいか」と言う「もののまわり」も必要です。スポーツも競い合う「続ける仲間」が「ライバル」としていることで続けられます。その時、上質の「つづいている仲間」を見つけるか。それがとても大切だと思います。