ちいさな藍美術館のもののまわり

日々の営みと制作活動を循環させながら、藍の美しさを伝え続ける美術館

京都市北部に位置する、美山町北村の「かやぶきの里」。森林や清流に囲まれた、澄んだ空気の中にかやぶき屋根の民家が並ぶ風景は、日本の原風景が残る場所として、1993年には重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。その中で一番大きくて古い茅葺き屋根の民家に「ちいさな藍美術館」があります。

 

藍染は藍科の植物を用いた人類最古の染色技法と言われ、日本では奈良時代頃から始まりました。藍染作家の新道 弘之さんは藍染に必要なきれいな水や灰を求めて、1981年に美山の北村へ移住。2005年に「ちいさな藍美術館」を設立し、昔ながらの化学物質を一切使わず天然藍を発酵させる技法で、50年以上に渡り藍染の制作を行っています。「ちいさな藍美術館」では、藍甕や藍染の工房から、新道さんが世界中から集めてきた藍染のコレクションを見ることができます。現在は染色を息子の牧人さん、織りを弘之さん、そして縫製を妻の千賀子さんが担い、藍の魅力を家族で伝え続けています。

 

D&DEPARTMENT 京都店で2回目となる今回の展示では、藍染の歴史をはじめ、工房のある「かやぶきの里」や、美山の一年を通した暮らしの風景をご紹介します。藍の魅力を発信し続ける「ちいさな藍美術館」とそのまわりを知ることで、自然に包まれた里・美山で息づく藍の美しさを体感していただければと思います。

ちいさな藍美術館のもののまわり

日程
2023/7/13(木)~8/29(火)
時間
11:00~18:00(水曜休)最終日は17:00まで
場所
D&DEPARTMENT KYOTO SHOP Map D&DEPARTMENT KYOTO

●お問い合わせ:075-343-3217(京都店SHOP)

\展示中関連イベント/
藍染に使用した灰からつくるAMETSUCHIさんの器「天地紺屋灰釉」も並びます
ちいさな藍美術館に併設するAMETSUCHIの工房。
作家である芦田尚美さんのつくる天地紺屋灰釉(あめつちこうやばいゆう)」は、藍染の工程で必要な灰汁をとった後に残る灰に磁土を調合した釉薬を掛けてできあがる焼き物です。
期間中は、調味料壷やお茶碗など日々の暮らしに溶け込む器が並びます。灰の中に含まれる鉄分や不純物などがつくる釉薬の表情の違いをぜひ店頭にてご覧ください。
>>芦田尚美 AMETSUCHIさんのHPは【こちら】
ちいさな藍美術館のもののまわり

ちいさな藍美術館 

藍染め作家の新道 弘之さんが、2005年に美山に開館した藍染工房兼美術館。工房には藍瓶が埋められていて、昔ながらの藍染の様子を見学することができる。もとの茅葺民家は、旧・中野八郎右衛門住宅で、江戸時代に若狭の棟梁によって建てられたもの。北村でも一番大きく古い民家で、棟の7本の千木はこの家が村の庄屋を務めていたことを示している。

>>ちいさな藍美術館