種子鋏のもののまわり-種子島の鋏と包丁-

鹿児島県の南に位置する種子島。多くの砂鉄が取れたこともあり、古くから鍛冶が栄えていました。「たたらの島」と呼ばれた種子島に1543年、鉄砲と同時に伝わったのが種子鋏の始まりとされています。最盛期には30軒近い製造所がありましたが、時代とともに衰退していく中で、ただ一人で伝統的な製作技術の”鍛治仕込み”を続ける梅木本種子鋏製作所、工程に機械技術を取り入れることで絶やさないようつくり続ける池浪刃物製作所。

スタイルは違えど、共に種子鋏の技術と切れ味を後世に残していこうとしています。

 

今回は、種子鋏の文化や歴史を広く知ってもらうと共に、それぞれの感覚が宿るものづくりをご紹介します。使い心地を比較しながら、永く寄り添う日常の道具をお楽しみください。

 

種子鋏のもののまわり-種子島の鋏と包丁-

日程
2023/4/27(木)~5/30(火)
時間
10:00~20:00
場所
D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA

●お問い合わせ:099-248-7804(鹿児島店)

名入れオーダー承ります
梅木本種子鋏製作所の受注製作オーダー承り時のみ、名入れをお承りいたします。
漢字2文字、平仮名3文字まで。アルファベット不可。
6寸・7寸・8寸の鋏と、さくら柄の庖丁が対象。
製作に約2ヶ月ほどお時間をいただきます。名入れを施すことで、より愛着をもった道具に仕上がります。
種子鋏
種子鋏は刃と刃が常に一点で交わるように、弧を描くように曲げられています。この曲線による反りを「ねり」と呼びます。ティッシュペーパーのような薄手のものから厚手の布まで簡単に切れるほど切れ味もよく、軽い力で切ることができます。切るたびにジャキジャキと刃がこすれ合い、同時に研がれる仕組みで、切れ味が落ちにくい。
種子庖丁
元は鉄砲鍛冶からはじまり、その後時代の変遷と共に家庭金物としてその姿を変え、「鋏」や「庖丁」のその伝統や手法は脈々と受け継がれてきました。鍛治技術から生まれた「種子庖丁」の特徴は、その”切れ味”と”軽さ”。万能庖丁から鹿捌きなど専門的な刃物まで、日々の暮らしの中から今も発展を遂げています。
種子鋏のもののまわり-種子島の鋏と包丁-

梅木本種子鋏製作所

梅木本種子鋏製作所の梅木昌二さんは県外の金属関係の会社に勤めたのち、種子島へ帰郷。鍛冶屋として37代続いた牧瀬義文さんの外弟子として技術を継承する。刀鍛冶からの伝統的な製作技術、つけ鋼製法(鍛接)で1本1本手造りの鋏を製作するのは、種子島では梅木昌二さんのみである。

種子鋏のもののまわり-種子島の鋏と包丁-

池浪刃物製作所

先代まで旧式の鋏造りを継承してきたが、機械技術を取り入れ効率良く安定した生産に成功。何十年と背中を見て学ぶ経験と勘の技術伝承ではなく、数値化と機械化によって種子鋏の技術が後世に残るようにした。黒仕上げの種子鋏もここ、池浪刃物製作所が生み出したものである。