佐賀 森正洋のうつわ

D&DEPARTMENT TOYAMAでは、2年ぶりの開催となる平形めし茶碗の特集。今年は、平形めし茶碗100柄の他、平形めし茶碗を生み出した陶磁器デザイナー・森正洋氏が手がけた様々な器も合わせてご紹介します。

 

森正洋氏は、佐賀県藤津郡(現・嬉野市)塩田町で生まれ、隣県の長崎県波佐見町にある「白山陶器」に入社し、数多くの器をデザインしました。窯業の産地として400年以上の歴史を持つ波佐見町は、隣接する有田町で作られる有田焼と異なり、分業制による高品質・大量生産を得意とし、日常使いに適した器で、日本の庶民の食文化も変えたと言われています。

 

そんな波佐見町に窯を構える「白山陶器」で、森正洋氏は「平形めし茶碗」の他にも「G型しょうゆさし」「丼シリーズ」「M型シリーズ」など、誰もが使いやすい優れた器の数々を生み出しました。晩年には無印良品の「和の食器シリーズ」もデザインしています。彼が手がけた器は、彼が亡くなった後も作り続けられ、今もなお多くの人に愛されています。その理由は、シンプルさと考え抜かれた機能性にあります。

 

今回の特集でご紹介する平形めし茶碗は、「茶碗」と名前がついていますが、やや平たく径が広いため、ご飯はもちろん、スープやサラダ、煮物などいろんな料理を盛るのに重宝します。色鮮やかな色、側面と内側両方に描かれた模様は、器一つで食卓が華やかになり盛り付ける楽しみが増します。そんな平形めし茶碗が、特集中は100柄届きます。

 

また今回はその他にも「G型しょうゆさし」や「M型コーヒーセット」、いろんなサイズの「丼」などもご紹介します。

 

数々の器を手に取っていただきながら、森正洋氏のデザインの精神を一緒に感じてみてください。

佐賀 森正洋のうつわ

日程
2024/5/15(水)~7/16(火)
時間
10:00~19:00 ※最終日は16:00まで
場所
D&DEPARTMENT TOYAMA Map D&DEPARTMENT TOYAMA

●お問い合わせ:076-471-7791(d富山店)

平形めし茶碗(白山陶器)
大ぶりで浅く、椀の内側が平らな形のお茶碗。深めの茶碗には冷めにくい利点がありますが、暖房の発達した現代では料理が冷める心配がないことからデザインされました。平形なのでかき込みやすく、内側の柄を楽しめるのも特徴。ごはんだけでなく、おかずやデザートのお皿としてもお使いいただけます。
G型しょうゆさし(白山陶器)
安定感、持ち易さ、そして後引きしにくい注口の作りのよさが特徴で、蓋の穴を指で開閉することでしょうゆの出る量を調節できます。1961年度にグッドデザイン賞を受賞。1977年度にはロングライフ賞を受賞しています。
ユニバーサル多用深皿(山加商店)
子供から大人まで誰もが使いやすい形の深皿。お皿のカーブが底面にかけて内側に入り込んでいて、スプーンできれいに食べ物をすくうことができ、縁が広いので外にこぼれにくくなっています。テーブルに接する部分には、滑り止めのシリコンが塗られていて、片手しか使えない場合も安定してお使いいただけます(14cmのみ)。
M型ポット(白山陶器)
1973年に多様化する日本のライフスタイルにあわせてつくられたM型シリーズのポット。和と洋が入り混じる生活様式の変化に、どちらでも使えるティーセットとして誕生しました。ポットの上にはシュガーポットやクリーマーをスタッキングできます。取っ手が広いつくりで持ちやすく、蓋の落ちにくい構造が特徴です。1973年、グッドデザイン賞受賞。
丼 青磁・天目(白山陶器)
白山陶器の定番として長年売り続けられている器です。約1300℃という高い焼成温度で焼き上げられるので強度に優れ、業務用としてもおすすめできます。小ぶりの汁椀から、丼ものに適した大ぶりのものまで、様々なサイズをご用意しています。
ダイニングでお試しいただけます!
特集中の特別企画として、平形めし茶碗でスープをご提供します。実際にスープが盛られた様子や、手に取った使い心地をお試しください。どんな柄が来るのかはお楽しみ!

開催期間:5/15~7/16
佐賀 森正洋のうつわ

森 正洋(もり まさひろ)

1927年、佐賀県生まれ。1956年、白山陶器に入社したのち、1960年に、「G型しょうゆさし(1958)」を含む、一連の食卓陶磁器で第1回グッド・デザイン賞(日本デザインコミッティー)受賞。その後も数々の国際的なデザイン賞を受賞する。1978年に同社を退社後、森正洋デザイン研究所を設立。広く後進の育成に励んだ。高名な評論家だけに評価されるデザインよりも、人々から愛され続ける、サイン表記のないアノニマスなデザインの製品を世に送り続ける。2005年、永眠。

 

佐賀 森正洋のうつわ

デザインモリコネクション

2001年4月11日、森正洋・中山廣文・小田寛孝により設立。陶磁器デザイナー・森正洋のデザインした製品を長く使い続けてもらうために活動。森正洋のデザインに関わるすべての人の幸せを実現することを目指している