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伊根定食開発取材

伊根の女性たちの笑顔にパワーをもらった        京都「伊根定食」ができるまで

0円(税込)

京都府

d食堂京都では、京都の郷土料理や生産者をテーマに季節ごとに変わる定食を提供しています。2024年3月、「伊根定食」開発のため、伊根で暮らす人たちが日々、どのような暮らしや食材を食べて生活されているのか知る為に、伊根町に行ってきました。

伊根町は京都の最北端。「舟屋」で有名な漁師町です。
前日の夜、大雨の中、伊根町に到着。漁師さんの朝は早く、21時には就寝されるそうで辺りは真っ暗でした。今回私たちは、舟屋の宿「鍵屋」の別館「おふくわけ」に宿泊させて頂くことに。

夜遅くの到着にも関わらず、併設されたカフェでウェルカムドリンクのコーヒーでおもてなししてくださった「鍵屋」の鍵 海斗さん。雨で気温も低くなり、寒さで身体が冷たくなっていた私たちに丁寧にコーヒーを淹れながら、気さくにお話ししてくださり、心も身体も温まってほっこりとした気持ちになりました。

カフェでウェルカムドリンクのコーヒーを頂く私たち

 

翌日、朝8時前に漁港へ。前日の大雨で船は出ておらず、漁師さんたちに聞いてみると「出港したが大シケで帰って来た」とのこと。本来ならバケツを持った地元の方たちが魚を買いに来られたり、魚を加工する人たちで賑わっているそう。

この日漁港は閑散としていた

その後、前日宿泊させて頂いた宿の「鍵屋」さんに海産物の卸しや加工をされている中山陽一さん(よっさん)がいらっしゃるとのことでお話を伺いに「鍵屋」さんへ。
中山さんは以前も塩イカの加工でお世話になった方です。

私たちの質問に丁寧に答えてくださる中山陽一さん

今の時期は大羽イワシが最盛期。これからは岩カキが獲れるのだとか。
ただ、今回のように天候しだいでイワシも獲れたり、獲れなかったりするので安定して供給するのは難しいとの事でした。漁業が身近ではない私にとっては気に留めていなかった事でしたが、日々、天候により獲れる量が左右される漁師という仕事の厳しさを改めて感じさせられました。

「鍵屋」さんがその後、イワシの煮付けをお味噌汁、ごはんとともに出してくださり、その煮付けの美味しさに感動。骨まで食べられるほど柔らかく煮てあるイワシは一尾でごはんがいくらでも進むほど。朝ご飯を食べずに漁港を巡っていてお腹が減っていた私たちは、すぐに完食していました。

絶品イワシの煮付け

 

次に、伊根観光協会の吉田さんの案内で、伊根で2024年4月オープンの舟屋の宿「漁師の宿あっちゃん」を営まれるという永濱敦子さんの所へお伺いしました。
旦那さまが漁師である永濱さんは、長年料理人として腕をふるわれてきた和久田さんと一緒に、伊根の美味しいお魚と日々家庭で食べられているお料理を提供されるそうで、今回、そのお料理を作るところを拝見させていただき、食べさせていただくことに。
魚を料理することに慣れておられるお二人。私たちに説明しながらもテキパキと手を動かし、あっという間に煮付けや、つみれのお味噌汁が仕上がりました。

素早い手つきで次々とお料理を完成させる和久田さん

今回作って頂いたのは、レンコ鯛の煮付け、みりん干し、つみれ汁、ほうれん草の胡麻和え、里芋やかぼちゃの煮浸し、ちらし寿司。
特に印象的だったのは伊根は料理にみりんを使う家庭が少ないということ。永濱さんも普段みりんを使わないので、スーパーに行ってもみりんの売っている場所がわからないとおっしゃっていました。
新鮮な魚が身近にある伊根ならではの煮付けやみりん干しもみりんは使わず、酒と砂糖で甘みを出すとのこと。漁師という体力仕事を支える伊根の女性たちのお料理はどれも甘めの味付けが基本になっており、お酒も進むお味です。

美味しいお料理の数々

私たちがお料理を頂いている間も、伊根町のこと、お二人の身の上話など様々なお話で私たちを楽しませてくださった永濱さんと和久田さん。以前バスガイドのお仕事をされていて、伊根のことを熟知してらっしゃる永濱さんは、「伊根には有名な舟屋の綺麗な景色だけじゃなく、新鮮な海の幸と山の幸があることも知っていただきたいです。それを生かした"美味しい料理が食べられる宿"が伊根には必要だと思ってます。」とこれからの伊根観光の可能性についてもお話ししてくださいました。

ご自身が美味しい料理を提供する宿を開業することで、観光に来る方々にもっと伊根の食の魅力を感じてもらいたいという熱い思いを聞いた私たちも、今回教えて頂いた料理を「定食」という形で、伊根と伊根の食材の魅力を伝えるお手伝いをさせて頂きたいと感じました。私たちもいつか是非永濱さんの宿に足を運んでみたいと思います。

終始楽しませてくださった永濱さんと和久田さん

 

次に、以前から取引のある「三野養鶏」さんへ。「三野養鶏」さんの卵は京都店でd&ドライカレーのフライドエッグに使わせていただいています。

d&ドライカレー

一旦はスケジュールの都合で訪問を諦めていた私たちでしたが、伊根定食を作るならやはり「三野養鶏」さんの卵を定食の中に取り入れたいと、急遽立ち寄ることに。突撃訪問ではありましたが、いつもお世話になっている三野さんにご挨拶だけでもと伺わせて頂きました。すると、奥様の恵理子さんから「これからちょうど集卵の時間で養鶏場に行くので鶏たちを見てみますか?」と、突然の訪問にも関わらず、快く養鶏場を案内していただきました。

養鶏場という場所に初めて足を踏み入れた私たち。鶏の迫力に圧倒。

「三野養鶏」さんは一般的な養鶏場に比べるとかなり小さな規模とのことですが、ケージの中にいる何千羽の鶏たちとその鳴き声に圧倒され、養鶏場の奥まで入るのを尻込み。養鶏されているのは珍しい純国産鶏の「もみじ」という鶏種。ここにいる鶏たちの卵が日々、私たちの店に送られ使わせて頂いているのだと感謝の気持ちを改めて感じつつ鶏たちを眺めていました。中央には少数の平飼い飼育の鶏たちが。その檻の中に入れて頂き、直に鶏たちに触れることもできました。

なぜか料理長の足もとにたくさん集まる鶏たち。

聞けば、鶏たちは靴紐が好きらしく、たくさん足元に集まる鶏たちに靴紐を解かれる事態に。鶏の面白い習性を知り、さらに鶏たちを抱きかかえ写真まで撮らせて頂きました。(私は鶏さんの足が苦手なので抱っこできませんでした。鶏さんごめんなさい!)

鶏を抱きかかえ写真を撮っていただいた私たち

三野さんの養鶏場の鶏たちは自家配合の飼料を使っておられるそう。非遺伝子組み換え、ポストハーベストフリーのトウモロコシや米ぬか、乾燥牧草、自家栽培の米、炭酸カルシウム、牡蠣殻、酸化防止剤不使用の魚粉。安心できるものだけを配合し、それを食べて健康に育った鶏たちは私たちが終始圧倒されるほど元気な鳴き声を上げていました。鶏の健康の先にある私たち消費者の健康も考え、自家配合の飼料にこだわっておられるところに、三野さんご夫婦のお人柄が映し出されているように感じました。

三野養鶏で使用されている自家配合の飼料

三野さんが1個1個手作業で卵を集めておられるところに立ち会わせていただき、最後に産みたての卵にも触れることができました。産みたての卵はとても温かく、「命」を感じた瞬間でもありました。

集卵作業中

失礼を承知で少し不安ながらの突撃訪問でしたが、とても気さくに接してくださった三野さんご夫婦に感謝の気持ちでいっぱいになった私たち。次の訪問の時間が迫ってきたので、慌てて向かうことに。

 

次に私たちは味噌作りをされている岡田博美さんのもとへとお伺いしました。
岡田さんの第一印象はとにかく笑顔がかわいい!
岡田さんの笑顔につられて私たちも自然と笑顔になり、気づくと笑いの絶えない取材になっていました。

笑顔の素敵な岡田さん

20年前独学で始められたという味噌作り。始めは思うようにいかず試行錯誤されていたそうですが、「向井酒造」さんから頂いた大豆を使って味噌を作ったところとても美味しい味噌になり、それから今まで「向井酒造」さんから頂く大豆をずっと使用されているそう。
現在、伊根町では小中学校全てが岡田さんの作った味噌で給食が提供されてます。一年で仕込んだ味噌がなくなり、別の味噌に切り替わる時期、子供たちは岡田さんの味噌との味の違いにすぐ気づき、「いつもの味噌汁と味が違う!」という声が上がるというお話が印象的でした。
岡田さんが作る味噌はまろやかな優しい味。ご飯のおともにぴったりの九条ネギが入ったねぎ味噌はしっかりとした味付けで少しの量でもご飯が進みます。

味噌作りは体力仕事。とくに麹菌を育てる際は夜も定期的に様子を見るそうで、2、3時間の仮眠でお仕事されているとのこと。
味噌作りの原動力は何かと尋ねると、「みんな美味しいって言ってくれるからね、ただそれだけでいいんだよ私は。」と笑顔でお話しされていました。
その愛情の深さが美味しい味を育てていることに私たちは感動しました。

お話を伺ったところ、岡田さんは味噌作りを今年で引退されるそう。今回の取材で岡田さんに出会えたことはとても幸運だったと感じました。岡田さんは私たちが車に乗った後も寒い中手を振って見送ってくださり、そのお人柄に心温まりながら、作業場を後にしました。

岡田さんと一緒に

 

最後に、以前から取り扱いをさせて頂いている伊根町の酒蔵「向井酒造」さんへ。
杜氏向井久仁子さんはご不在でしたが、社長さんと舟屋で海を見ながらさまざまな日本酒を飲み比べさせていただきました。
私たちが、伊根定食で魚を使いたく、それに合う日本酒を探していることを伝えると、いりこを一緒に持って来てくださったり、寒い中熱燗も用意していただいたりと、構想中の伊根定食が自然と浮かんできました。

伊根の海を見ながら日本酒を試飲させていただく私たち

いりこを浮かべていただく日本酒

この春に京都店で提供している「いちごもなか」は向井酒造さんの「伊根満開」甘酒や酒粕を使ったデザート。向井さんにも是非一度お召し上がりいただきたいと、今回いちごもなかセットを持参し、その場で作って召し上がって頂くことに。
”いちごもなかにも日本酒が合うなー”と美味しくお召し上がりいただけたようで一安心。
もなかとお酒が合うという発想は私たちにはなかったのですが、酒蔵の方は常に”これは日本酒に合うか?”という考えがあるのだろうかという驚きがありました。

最後に帰路に着くぎりぎりの時間になって久仁子さんにお会いすることができました。
少しご挨拶できた程度ですが、いちごもなかを口いっぱいにほうばっておられた姿がとても素敵で、またその笑顔に元気をもらえた私たちでした。

向井酒造の杜氏向井久仁子さん

今回の伊根の取材を通して、伊根で暮らす女性たちの明るい笑顔とお話し上手な姿に終始楽しませて頂いた私たち。その笑顔に漁師さんたちを支える強さやたくましさが映し出されているようにも感じました。
そんな笑顔溢れる女性たちから教わった伊根のお料理や食材、そして私たちが感じた伊根の魅力を「定食」という形で表現し、お伝えできればと思います。
伊根定食は4月19日(金)から提供予定。ぜひ食堂にお越しいただき、お召し上がりいただきたいと思います。

「京都・伊根定食」

提供期間:2024年4月19日(金)~6月6日(木)予定

場所:D&DEPARTMENT d食堂 京都

営業時間:11:00~18:00(食事L.O15:00)

○店舗情報

D&DEPARTMENT KYOTO /d食堂 京都

住所 京都府京都市下京区高倉通仏光寺下ル新開町397 本山佛光寺内

SHOP 075-343-3217

食堂 075-343-3215

※水曜定休

 

伊根 舟屋 伊根観光協会 鍵屋 おふくわけ

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