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京都の佃煮屋、津乃吉さんに「素材を活かし切る姿勢」を学びにいきました。

京都・津乃吉さんに学ぶ

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発売日時:2019年 10月 01日 00:00

京都府

食の「ライフストック」プロジェクト、始動

D&DEPARTMENTでは、2014年にファッション部門で「FROM LIFESTOCK」という取り組みを始めました。日本の機織り産地に保存されている生地見本やサンプル在庫など、在庫としてたまり続けていくものや、流行が過ぎたことで価値がないと思われてしまっている「デッド(DEAD)ストック」を倉庫から出し、「ライフ(LIFE)ストック」、つまり「生きた在庫」と呼び、その価値を活かした次のものづくりに繋げていこうとするプロジェクトです。

>>「FROM LIFESTOCK 2019 -山梨郡内産地-

同様の課題は食の世界にもあり、まだ食べられる、けれど捨てられてしまうものを「フードロス」と呼んでいます。日本では年間約352万トンの食品が廃棄されており、味に支障がなくとも、表面に傷がついて一般流通に乗せられなくなった農作物や、製造工程でどうしても出てしまう使い途のない副産物などが多くあります。

一方で、日本各地をめぐるなかで、限られた時期に大量に収穫できてしまう農作物を加工して年中楽しんでいたり、副原料のおいしい食べ方を見つけていたり、地域ごとに工夫があることも学びました。そうした学びをもとに、廃棄されてしまう食品を「ライフストック(=生きた在庫)」として用いたメニューや商品を開発に取り組んでいきたいと思っています。

素材を活かし切る、の原点をまなぶ

先日、ひとつひとつの素材にこだわり、添加物を一切使用せずに、ちりめん山椒や昆布の佃煮などを製造、販売していらっしゃる、京都市清水五条の津乃吉さんへ伺わせていただきました。

>>「津乃吉」(公式HP)

製品がおいしいのはもちろんですが、津乃吉さんは「素材を活かし切る」という取り組みを徹底しています。看板商品であるちりめん山椒にしても、途中工程で出てしまう出汁がらは佃煮に、調味液は万能だしとして商品化するなど、一切の無駄がない。今回はそうした姿勢をまなぶため、製造現場を見学させて頂きました。

お店に到着すると、「まずは、朝ごはんでも」と、素敵なお膳をご用意くださいました。

ちりめん山椒」、「大根と生姜のぜいたく煮」、「京だし」でつくった出汁巻玉子、「京だし」で豚肉とみず菜を炊いたもの、きのこが入った麦味噌のお味噌汁、「黒豆煮」。津乃吉さんらしい、お出汁の風味と素材の味わいがしっかりと感じられながら、身体にすっとなじんでいく、最高の朝ごはんでした。

ごはんにぴったりなお料理を前に、お茶碗いっぱいにおかわりをお願いしてしまったほど、米のおいしさが格別でした。実は津乃吉さん、もとはお米屋さんだったそうで、現会長の和親さんが米穀商の将来を考えて佃煮の製造販売を始めたのは、1987年のことでした。

「素材の素晴らしい風味を、美味しく伝えたい」

この強い信念をもとに、ひとつひとつの素材をまなびながら、味と作り方に信頼の置ける生産者さんとの関係を築いてきました。

>>「素材へのこだわり」(津乃吉、公式HP)

たとえば、ちりめんじゃこ。主に宮崎か鹿児島の志布志で水揚げされたものを使っていらっしゃいます。年々漁獲量が減少しており入手困難な年もあるそうですが、長く一途にお付き合いをつづけている津乃吉さんのためならと、良質なおじゃこが届けられます。

津乃吉さんのおじゃこは、目がちゃんと付いてます。煮詰めず、蒸しあげたじゃこを調味液に漬け込んでつくるので、目が取れることないのです。きれいなままごはんに乗ったおじゃこを見ると、素材の風味はもちろん、見た目も美しいまま生かしたいという思いが伝わってきます。

ちりめん山椒の調味液をつくるための出汁を、毎回丁寧にひいています。

出汁がらとして出る昆布は、山椒やしいたけと合わせて佃煮になります。かつお節も、味噌と合わせて「かつお味噌」という製品に。調味液は、万能な「京だし」をつくるのに使われます。ここまでの過程で、廃棄されるものが一切ないのです。

ほかの副産物も、製品に活用したり、出張でお料理を提供する際に使用するなど、冷蔵庫は宝の山でした。

大切な人を想って、ちゃんと手間をかける

会長の和親さんは、黒豆煮に使う黒豆を丹波篠山で栽培するひとりの農家さんからしか仕入れなかったそうです。その農家さんは、はざかけで豆を乾燥させていました。味が良いのはもちろんのこと、皮が破れることも少なかったといいます。しかし、乾燥機の便利さと比べれば、はざかけで乾燥させるのは、時間も労力もかかります。

「いまは、昔の農家さんみたいに手間をかけていられない、という人が多いから」と、お母さん。黒豆を洗いながら、わたしたちの目ではよくわかりませんが、割れそうなものを見抜いて、ひとつひとつ避けていきます。避けた豆も廃棄するわけではなく、黒豆ごはんにしたり、パートさんに分けて使ってもらうなど、活用しているそうです。

現在でも、黒豆煮に使うのは2L以上で傷のない最上級品のみ。昨今は、需要も高く加工の手間がかからない枝豆の時点で出荷する農家さんが多く、黒豆が手に入りにくい状況のなか、津乃吉さんが使っているような質のよい黒豆は希少だそうです。その黒豆に合わせるのは、種子島の粗製糖と国産の甜菜糖の氷砂糖。会長の和親さんが衝撃を受けたという黒豆の美味しさを伝えるために、砂糖も選び抜いたといいます。

「フードロスという言葉もありますが、なによりもまず、おいしい、ということを大切にしたいんです」と、社長の吉田大輔さんは話してくださいました。

おいしい素材に感動する。その美味しさを届けるために、素材についてよくまなび、合わせる素材も選び抜く。つくってくださる生産者さんのことを想って、最後まで使う。つくったものをたべてくれる人のことを想って、手を動かす。シンプルに聞こえますが、それをつづけるのは容易いことではありません。「素材を活かし切る」という言葉の奥に、積み重ねてきた信念を感じました。

津乃吉さんの店内にかかっていた言葉。

これまでも津乃吉さんとは製品をお取り扱いさせて頂いたり、京都店を中心に黒豆煮などをメニューに使わせて頂いてきましたが、改めて、津乃吉さんの「素材を活かし切る」という姿勢に学びながら、「ライフストック」プロジェクトを進めていきたいと思っています。

クリームあんみつ。手前に顔を見せているのが、津乃吉さんの大きな黒豆煮。

ほうじ茶かき氷。津乃吉さんから頂いた割れ豆と煮汁を使った寒天を乗せています。京都店のライフストックメニュー。

現在は、黒豆を炊くときに割れてしまう「割れ豆」と、炊き上がったあとに余ってしまう「煮汁」を使わせて頂いたメニューを開発中です。完成次第、ウェブサイトやSNSでお知らせいたします。ぜひ楽しみにしていてください。

最後にもう一点だけ、津乃吉さんの作業場は常にピカピカでした。使い終えたらすぐに片付け、せっせと洗い物をする。おいしいものは美しい場所から生まれるのですね。大事なことをたくさん学ぶ一日となりました。津乃吉さんと、今後もイベントや商品開発を行っていきます。各店からのお知らせを楽しみにしていてください。

>> 津乃吉(公式HP)

http://www.tsunokiti.com/

食 ごはん 料理 佃煮 京都

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