135:d design travel frame

いつかやってみたかったことです。なんか、前にここに書いた記憶すらある、妄想癖の僕にとってもうやったのではないかと思えるほどにやってみたかったこと。「d design travelを取材しながら”その土地らしい何か店舗でも施設でも作る」僕らはこれを「d design travel frame」と呼んでいて、取材を進めるにつれて見えてくる「だったら、この地域にはこういう施設があったほうがいい」「今、ここにカフェを作るなら、こういうことになっていたほうがいい」・・・・。その土地らしいことを毎日考えて取材を進めていくわけですから、新しいものを作る時のサービスやもちろん観光のこと、果ては建物の外壁の色や素材まで見えてきます。

これまで実は鹿児島のマルヤガーデンズなんかはそれに近い様子がありました。外国から戻られたオーナーが、「もう一度鹿児島に自分の親族がやってきた百貨店を復活させる」。相談に乗っていた建築家が「建物の中にはdを入れたらどうか」という提案から、マルヤガーデンズ経営による「D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA」が生まれ、そのタイミングで「d design travel鹿児島号」を作ることになり、久しぶりに帰ってきて進化した鹿児島を取材チームと一緒に巡りました。そのリサーチをもとにマルヤガーデンズは作られたわけではありませんが、オーナーにとっては短期間に「鹿児島らしさ」を取材旅を通じて知り感じ、そのエネルギーで作っていったと思います。

そしていよいよ、「d design travel frame」の意識で「トラベル誌」と「商業施設」を同時に進めるプロジェクトが始まっています。それが広島にできるのです。まだ言えないこともありますが、すでに施設の概略は記者発表されていて、トラベル誌の取材もすでに進んでいます。編集長は変わらず神藤秀人ですが、僕も特別編集委員としてできる限り同行し、その施設をイメージしながら巡っています。この本に取り上げるような人たちが、今から作る大型商業に入ってくれるとは思っていませんが、そういう「広島らしさ」を考えているみんなで作り上げたいと強く強く願っています。5年後の開業を目指すその施設。名前すらまだ決まっていません。もしかしたら僕が名付けるかもしれません。たくさんの人を受け入れる「広島らしい新しい商業施設」三重県の「Vison」で作られたご縁からのお仕事です。ぜひ、ご注目ください。