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鹿児島県姶良市にある柚木竹細工を訪ね、竹細工にまつわる地域のお祭りや催事についてお話を伺ってきました。

柚木竹細工工房│竹細工と地域のつながり

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鹿児島県

鹿児島県姶良市にある柚木竹細工を訪ね、竹細工にまつわる地域のお祭りや催事についてお話を伺ってきました。

姶良市に工房を構え、竹細工をはじめ工芸品の制作や指導を行う柚木竹細工工房の柚木一徳さん。自ら山に入り、竹を切り出し、高温での油抜き、竹割り、竹ひごに整えて編組するまで、と青竹から製品になるまで全ての工程を行っています。竹ひごの処理の丁寧さ、編みの美しさは、柚木さんならではです。これまでにも工房を見学させていただき、作業工程を見せていただいたり、編み方を教えていただいたりしましたが、今回の目的は竹細工と地域の関わりについて。竹にまつわる話はまだまだ奥が深いです。

姶良市では毎年『鬼火焚き』という祭りが行われます。その年に飾った門松やしめ飾りを焼いて、それらで出迎えた歳神を炎とともに見送る小正月(※)の火祭り行事です。一般的に『左義長(さぎちょう)』や『どんど焼き』などと呼ばれ、鹿児島では『鬼火焚き』と呼ばれます。あいらふるさとネットワーク団体の方々が中心となり、姶良市姶良町の田んぼで鬼火焚きを行います。鬼火やぐらの高さでギネスブック記録に挑戦したこともあるそう!

※小正月 "こしょうがつ" 年明け15日ごろ。かつて日本では、満月となる旧暦の1月15日に当たる日を1年の始まりである正月として祝っていました。昔は日本人が満月をめでたいものだと考えていたことが由来。

 

「長年、鬼火焚きのための鬼面を製作していたことで、宮崎県都城市山之口町の"弥五郎どん御神体"の製作依頼も舞い込み、とても貴重な体験をさせていただいた」と話す柚木さん。弥五郎どんとは、奈良時代の720年に勃発した隼人の反乱の際に、律令政府に対抗した隼人側の統率者のこと。この反乱では、多くの犠牲者が出て残虐な処刑等もおこなわれたようです。後にこの戦いで敗北した隼人達の霊を供養する放生会が行われ、これが現在の『弥五郎どん祭り』の起源とされています。鹿児島県岩川八幡神社、日南田之上八幡神社にも祭られており、山之口町の弥五郎どんが長男と言われています。

『弥五郎どん祭り』は11月に都城市山之口町の円野神社で行われ、宮崎県の指定無形民俗文化財にも指定されています。身の丈4mもの御神体を竹ひごで編み上げて立体にしていく作業はとても根気のいる作業で、最後に纏う白い衣とサイズが合わないということにならないよう、とても気を使ったとのこと。

 

弥五郎どんのお顔。こちらは柚木さんの試作品。「鬼の面も弥五郎どんも実物のサイズより小さいものを作ってみて、想像を膨らませた。」と。この大きさでも迫力あります。

美味しいお昼もいただきました。巻きすザルをとっても素敵に用いていて真似したくなります。生活の中に自然と取り入れられている小さな竹細工が、豊かな時間をつくっているんだと感じました。

鬼火焚きや弥五郎どん祭りだけでなく、子どもたちに昔から伝わる行事ごとを楽しんでほしいと七夕の時期になると笹竹を配るそうです。「竹が繋ぐご縁に感謝しかない」という言葉が印象敵でした。(崎山)

 

《竹編み体験にも挑戦!》

今回、地域との関わりの他にも、柚木さんが竹細工の製作を始められたきっかけや、竹の伐採・油抜き・天日干し等竹ひごを作るまでの作業工程についてもお話伺ってきたので、ご紹介します。

伐採する竹は、竹の細工に適している3年ものがよく、棹を叩いた音で竹が何年の物なのか判断するんだそう。年齢が進むにつれ密度が増し、澄んだ高い音が出て「耳が音を覚えている」とおっしゃっていました。また、竹ひごを切る作業について話された中で、竹の節感を見て何を作るか考えながら必要な長さに切っていく、という話に、私にとって一本一本の竹ひごから竹細工を作るということが漠然としたイメージでしかなく、ひとつの竹製品を作るまでに手間のかかる作業が沢山あることに驚きました。そのことを柚木さんが笑顔でお話されている姿に、楽しみながら物作りをされていると感じました。だからこそ素晴らしいものができあがるのだと思います。

お話を伺いながら、四海波(しかいなみ)という、波のような動きのあるデザインの篭づくりも体験させていただきました。

竹ひごを結んだり、すき間に通したり、一つ一つの工程を丁寧に教えていただきながら、約1時間かけて完成。竹ひごは薄くて細く、曲げたりするうちに折れてしまわないかが心配でしたが、竹の水をかけると柔らかくなる性質を生かし、霧吹きで水をかけながら作業を行いました。

16本の竹ひごがワイヤーや接着剤を使わず、徐々に丸いかごに成形されていく様子が不思議な感覚であり、おもしろいと感じました。自分で作った篭は、すでに愛着が沸き、使っていくうちに色があめ色に変化していく様子を楽しみながら大切に使っていきたいと思います。(鶴窪)

◎鹿児島店では年に一度、NIPPON VISION MARKET 「鹿児島の竹細工」展を開催しています。期間中だけでなく、常時竹製品はご紹介しており、修理やお手入れの仕方などご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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