定番的靴下の形にウールの柔らかで暖かな履き心地

オリジナルのコットン靴下に続いて制作されたオリジナルのウールの靴下。
この靴下は、冷え込む冬の寒さの中でも暖かく、仕事でも履ける日常使いの靴下をコンセプトにスタートしました。
開発の当初に目指したのは、ウールの特性である吸湿性、抗菌、防臭性などの効果を最大限発揮する為のウール100%の靴下でしたが、暖かさだけでなく、日常使いでの丈夫さや、ずれにくさなどの普段遣いでストレスを感じないよう履けるという点も合わせて重要でした。丈夫さと快適性を考えていく中で、オリジナルのコットン靴下の共同開発に続き今回も「saredo-されど-」の萱澤さんと共に、イメージに合う靴下の開発を続けていく中で、この条件を満たす糸の配合のものを提案頂き、ウールの靴下は完成しました。

靴下は編み機の針数によって編み目の密度が変わり、針数を少なくすることによる編み目のざっくりとしたローゲージや、針数を多くして密度を上げて編まれたハイゲージなど様々な種類がありますが、ウールの靴下はその丁度真ん中のミドルゲージで製作しています。ミドルゲージで編み上げることで、ちょうどよい厚みと足へのフィット感のある履き心地により、長時間履いてもずれにくい仕様に仕上げています。

編み上げるのに使用した糸は、リサイクルウールに強度のため糸の芯としてナイロン、ゴム部分のズレ落ち防止にポリウレタンなどが配合されている糸を使用しました。これにより、快適な履き心地にウールの特性と風合いを感じられる一足に仕上がりました。
リサイクルウールの原料となったのは、反毛と言われる縫製工場の端切れ、裁断くず、織物工場の残糸、紡績工場の落ちわたなどを反毛機と言う機械にかけて開毛し、もう一度糸に紡げる状態にしたものです。

更にウールは製造工程によって梳毛(そもう)と紡毛(ぼうもう)の2種類に分かれるのですが、リサイクルのウールは紡毛で毛足の短い毛を重ねて糸にし、最後に製品洗いを施します。これにより空気を含み膨らみことでふっくらと柔らかな履き心地になります。

続く歴史

今回のウール靴下の針数は144本とミドルゲージの中でも真ん中に当たります。その真ん中故、使用できる糸が多いことで過去には国内でも一番多かった針数の編機でした。それから靴下生産の海外化により一番最初に海外へたくさん持ち込まれた編機となりました。それにより今では国内では希少な編機となっています。

続く仲間

今では貴重な編機となったミドルゲージの編機での制作をお願いしているのが、奈良県の「井上コーポレーション」です。奈良県は靴下産業が地場産業として、今でも多くの工場が残っています。そんな奈良県の北葛城郡広陵町で昭和23年に井上コーポレーションは創業しました。長年の技術力とノウハウ、大手量販店に高品質の日本製靴下の供給などを行ってきたこともあり、海外製造へ移行することで失われた国内では希少な編機や、編機のカスタムなどを行いながら独自のものづくりを行っています。
そしてオリジナルのコットン靴下に続き今回も共同開発をお願いしたのが、奈良県の糸問屋の「萱沢商店」で取締役営業部長を務め、オリジナルブランド「saredo-されど-」を展開する萱澤有淳さん・良子さん夫妻でした。saredoの定番商品である、国内の紡績工場で糸をつくる工程で出た「落ちわた」を100%使用し、独自の紡績方法で紡がれるリサイクルコットン糸は、D&DEPARTMENTのオリジナルコットン靴下でも使用しています。

dリサイクルコットン靴下

お手入れ
・洗濯は手洗い、もしくは洗濯機でネットに入れて短時間で行い、干す時はゴム口を上にして、日陰干しをしてください。中性洗剤を使用してください。
・タンブラー乾燥は避けてください。ウールの性質上、使用していくことで毛玉が発生します。
・靴下の口ゴムは紫外線でも劣化しやすく乾燥機による過乾燥にも弱いためご注意ください。
・柔らかく仕上げており、強い摩擦に弱いためご注意ください。

お気に入りのポイント

冬に足先が冷えやすいのでウールの靴下が必需品ですが、アウトドア用やルームソックス、ざっくりと編んだほっこりとしたデザインなど、中々イメージに近いものが見つからなかったのですが、プレーンで足し引きの必要のないプレーンなデザインが気に入っています。厚手な綿素材などのソックスだと普段の靴だと窮屈になってしまう時でも、これは厚みが程良いのも嬉しいです。特別なデザインや切り替えがないことで合わせやすいこともあり、カジュアルなスニーカーでも、革靴のような少しかっちりした靴でも合うので、ついつい手にとってしまいます。
個人的にはチクチク感も全く無く、柔らかく暖かなウールソックスの気持ち良さを、この季節だから着れる洋服を楽しむような気分で履いています。

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