日本ならではの日用品、手ぬぐいの使い方

月がわりで日本のいいものを紹介する、NIPPON VISION MARKET
今月は東京都、戸田屋商店の梨園染手ぬぐいを特集しています。

明治5年、人形町に創業した戸田屋商店は、来年で145年目を迎える、浴衣、手ぬぐいの製造、卸業の老舗です。梨園染の「梨園」とは、歌舞伎役者の世界のことを意味しており、戸田屋商店の反物が、歌舞伎や舞踊の世界で愛用されていたことからこの名前が生まれました。

そんな舞台で映えるような、発色の鮮やかさ、個性的な柄が楽しめる手ぬぐい。毎年「選ぶのが楽しい!」とご好評いただいているので、今回は手ぬぐいの特性を活かした、使い方をいくつかご紹介したいと思います。

(1)お弁当つつみとして

お弁当箱やタッパーなど、すこし小ぶりなものを包む場合、一枚そのままだと、端が余ってうまく結べません。そこで、思い切って半分にカットしてしまいましょう!半分にするとちょうど良くキュッと結び目が作れます。


包みをひらいて、そのままランチョンマットにも。手ぬぐいの縁は、元々切りっぱなしなので使って行くうち横糸がほつれてきますが、出てきてしまった横糸だけ切り揃えていけば、次第に収まってきます。

(2)ほこりよけとして

水切りカゴなどの上にかぶせて、ほこりを防いだり、目隠しかわりに使います。手ぬぐいは通気性がよく、縁に汚れもたまりにくいため衛生的です。

毛羽もつきにくいので食器拭きにも向いています。

(3)おしぼりとして

手ぬぐいは、使い込むにつれ徐々に柔らかくなり肌に馴染んできます。季節によって雰囲気の違う柄を選んでもよさそうです。

(4)台拭きとして

お弁当つつみやおしぼり用にしていた手ぬぐいに、すこし汚れが目立ってきたな…と思ったら、キッチンやダイニングテーブルを拭く用のふきんにしてしまいます。さらにはおそうじ用のぞうきんに…。最後の最後まで使い込めるのが手ぬぐいの魅力です。

また、戸田屋商店の手ぬぐいは、伝統技法である「注染」で染めています。そのためプリントと異なり、裏表がありません。特に総柄はどこから見ても様になります。

実は、色鮮やかな手ぬぐいも、染色する前は、このように真っ白な状態なのです。

手ぬぐいのベースとなる、コットン100%の白生地(晒木綿)にも、いくつか種類がありますが、浴衣製造をルーツに持つ戸田屋商店は、特岡という、浴衣に用いられる生地で手ぬぐいを製造しています。細めの糸で、目が細かいために、丈夫で透けにくく、毛羽が立ちにくい生地です。取り揃える柄は数百種類にも及びます。その全てがオリジナルデザインというから驚きです。

手を拭いてもよし。台拭きにしても良し。食器拭きにも良し。いろいろな場面において、実用的で使いやすい。だからこそずっと愛されてきた、日本ならではの日用品、手ぬぐい。今回は古典文様を中心に、100種類ほど取り揃えています。この機会にぜひお気に入りの柄をみつけてください。