100:経験・イソップ物語

僕はずっと使っているシャンプー、ボディソープ(ボディクレンザー)のショップで3度、キレそうになったことがあります。そのブランドの接客のベースに「顧客情報の登録」と「マニュアル臭さ」がその原因です。先日はいつも使っているものを買いに名古屋の店を探し、行きました。「今日は何をお探しですか」に対して「いつも使っている・・・をください」というと「携帯の番号は?」と。答えると、目の前で携帯端末を使い、何やら探しているのだが、見当たらなく「その番号は登録されてないので、他に番号は?」と。この間、すでに時間は経過していて、つい言ってしまいました。「携帯の番号を言わないと、売ってくれないの?」と。彼は「わかりました」と、商品を取りに・・・・。おじさんの僕が気が短いのかもしれませんが、お客の個人情報をまず入手しないと接客が始まらないって、どうなのかなと思いました。もちろん、「前に使っていた銘柄が欲しいけれど、忘れた」とか、そう言うことなら探して欲しいですが・・・。もう一つ。

シャンプーを切らしてしまい、でも、ネットで買うのもなぁと思い、しかし、かなり急いでいて、打ち合わせの合間にショップに駆け込み「すみません、急いでいるのですが、・・・・を下さい」と、言うと「新商品のご案内をしてもいいでしょうか」と。うーん、「いや、すみません、急いでいるので」と、言うと「わかりました」と。なんとか商品を受け取り、お会計をしているとき、なんと、「新商品のご案内をしてもよろしいでしょうか」と言うのです。うーん。この時、僕は次回からアマゾンで買おうと決めたのでした。

僕も路面店が好きで自分でもやっているので、人間同士の対面販売、接客の魅力を感じています。Webストアの効率の良さはもちろん好きですが、わざわざ店に行き、見知らぬものに出会う楽しさはあります。当然、こんなことを3度も経験しているのですから「買うものが決まっている時はWebで」と言う答えはわかります。それでもなんとなく「人」から買いたい。でも、そんな「人」が今回のような「ロボット」みたいでは、なんだか悲しくなってきます。

マニュアルはいい面ももちろんあります。入店したばかりのスタッフでも、ある一定の質の接客ができるとか。でも、リピートしている僕のようなお客は、マニュアルに合うとうんざりします。逆効果なのです。

商品の多くは広告やグラフィック、店舗デザインなどから、そのブランドイメージをお客にアピールして、世界観を含むファンに育てていきます。しかし、それをこんな接客で壊していってしまうと、いい商品なのに、その商品を使う時にその気持ちが現れてしまったりする。僕はおかげでこのシャンプーを使うたびに、あの接客を思い出す。逆に商品を素晴らしい空間や接客で伝えられた時、人はますますファンになっていくのでしょうね。