沖縄の貝から生まれたkainowaのアクセサリー展

自然の生み出した美しさを伝えるシェルクラフト

夜光貝や高瀬貝、シャコ貝など、沖縄の海で採れた天然の貝からアクセサリーを作るkainowa(カイノワ)。沖縄県中部の東海岸にある、うるま市浜比嘉島で、シェルクラフト作家の川初真さんと純子さんの夫婦が2014年から製作活動をしている。初めて川初夫婦に会った時、なんて純粋な人たちなんだろうと思った。自然から生まれた貝の内側に隠れたそれぞれの紋様の美しさを見て感動する真さんと、真さんの活動を支える純子さん。試行錯誤を繰り返しながらも、ひとつひとつの貝の紋様を一番美しく見せるようにと考え生み出したのが、華美な装飾を施さず、沖縄の海のように穏やかな流線でフォルムを描くシンプルなアクセサリーだ。

ひとつの貝をブロック状に切り出し、切り目からのぞかせる貝の年輪から、その美しさを一番に引き出すフォルムを見定めつつ、何時間も研磨を繰り返す。想像以上の美しさが現れる時もあれば、ちょっとした力加減で最終で貝が割れてしまうハプニングに見舞われることもある。そんな気の遠くなるような作業を繰り返して生まれたアクセサリーは、同じ貝でも違った輝きを見せる、世界にたった一つの物だ。

私事ながら、先日結婚 14年目にして、ようやく結婚指輪をもらった。貧乏新婚生活だったので、結婚式はおろか、結婚指輪さえもそのうちね…としているうちに、なぁなぁになってしまっていた。それが川初夫婦に出会い、kainowaの指輪を見て、これを結婚指輪にしたいと思った。貝は穏やかな時も、荒れ狂う海の中でも、ゆっくりと時を経て少しずつ自分の殻を成長させる。そんな貝のように穏やかに時を積み重ねて行けたら素敵だなと思ったからだ。ひとつの高瀬貝から仕上げてもらった結婚指輪を見ていると、私たちだけでなく、kainowaのアクセサリーを身に付ける人それぞれに、様々なストーリーがあるのだろうなと思った。

貝の美しさに日々触れる真さんは、小さく切り取った貝の一部の美しさ以上に、360度全ての面に映し出される美しさを手にとって感じてほしいと、手の平に収まるサイズの「貝玉」を製作した。ひんやりと冷たく、つるりとなめらかな貝玉は、触っているだけで心地よく、貝が放つ自然の輝きをより一層味わえる。2016年12月から2017年1月中旬まで開催される展示会では、定番のアクセサリーに加え、貝玉も出展予定。様々な作品を手に取り、 kainowaの作品から広がるそれぞれのストーリーを、是非多くの人に体感してほしい。

 

【店舗紹介】


海のギャラリー かいのわ
住所:〒904-2315 沖縄県うるま市勝連浜243-1

電話:098-977-7860

営業:12:00〜17:00(土曜・日曜のみ、事前連絡で平日も対応可能)
作品を通して末長くお付き合いできればと、貝の輝きを蘇らせるための磨き直しやパーツ交換などのメンテナンスも有料で受けている。