90:  近所の店

d news aguiから徒歩3分のところにあるお好み焼き屋さん。写真をSNSにあげたりするたびに「行ってみたいから住所教えて」「お店はなんて名前ですか?」などなど、問い合わせがきます。しかし、すみません。この店にいて思うのですが、この店主とお客の馴染みのバランスの心地よさなどを考えると、やはり教えることができないのです。店主はもう少しで80歳の働き者のおばあちゃん。妹さんらしき方と、旦那さんらしき方の3人でテキパキとモダン焼や焼きそば、たこ焼き、お好み焼きを作っています。何と言ってもその値段の安さ。店の前にある小学校の生徒がお小遣いで食べられるという料金設定は、驚く程の金額で30年変わっていないと言う。ほとんどが300円代。その雰囲気、味、人柄、お客さん・・・・それらが混ざり合って、本当にこんな店、あるんだぁと思うような店です。d news aguiが開業したら、もちろん、お客さんに案内差し上げたい店。ゆっくりと阿久比を好きになってくれるお客さんとこうした店は丁寧に繋いでいきたいところです。そういう意味で言うと、こうした店は「近所に住んでいる人の店」と言えます。たくさん新規客が押し寄せたら、普段から通っている近所の人や、店のバランスが崩れてしまいます。たくさんの人が来て、賑わって、たくさん売れればいいという店ではもはやないのです。

これからの日本って、こういう店の価値にみんながちゃんと気づけるようになっていくといいなと思います。「店」はみんなが不特定多数を受け入れたい訳ではないということ。そして、ちゃんとしたお客さんとのつながりを持ち、ずっと続いていけるような頻度でちゃんと通えること。利用しながらも、将来を一緒に考え、応援するような愛で通うこと。と、いうことで、d news aguiができたら、阿久比店で教えます。楽しみにしていてくださいね。