スタッフの商品日記 014 田中帽子の麦わら帽子

ひとつひとつ手作業で作られた麦わら帽子

D&DEPARTMENTで10年以上販売している麦わら帽子は、ツバと横に付いているポンポンが特徴。この形は、毎年5月に浅草で行われる三社祭りで、昔から神輿の担ぎ手が被っているという帽子を元にD&DEPARTMENTの仕様として製作してもらっており、同じ仕様で子供用のサイズもあるので、親子お揃いで被っていただけます。



つづく産業
利根川という大きな川が流れ古くから麦の集散地として知られてきた埼玉県春日部市にある田中帽子で作られています。春日部市では、昭和30年代に麦わら帽子の需要が高まり、最盛期には生産に取り組む家が20~30軒あったそうですが、現在は田中帽子1軒を残すのみ。

田中帽子は明治10年頃より帽子を作っており、今でも、麦を縫う作業から最後の仕上げまで、ひとつひとつの工程が手作業で行われています。幼稚園児の通園用麦わら帽子から有名帽子店のツバ広帽まで幅広く生産し、春日部で帽子を量産する事ができる唯一の工房となっています。


以前、田中帽子さんにお伺いし、案内して頂いた工場での製作過程のお話しを少ししたいと思います。田中帽子さんでは、形成する所から、最後の仕上げまで、一つ一つの工程が手作業で行われています。

作業工程のはじめは、テープ状の麦わらを縫う作業。


「少しでもずれると形状は歪んでまう」という大切な工程になり、熟練した職人さんの手の感覚、ミシンの音を感じながら麦わら帽子を縫われており、どんどん立体的な帽子の姿になっていきます。帽子全体の形やサイズが、職人さんの指先だけで決まるのは、本当に驚きです。

そして、帽子に命を吹き込む作業とも言える工程。プレスをする事によって、形崩れのしにくい麦わら帽子が生み出されます。
その他にも帽子からはみ出た麦わらをカットしていく作業など、仕上げまでに何人もの職人さんの手を通って完成します。

 

メンテナンス
天然素材の麦わら帽子にとって水や湿気は大敵です。使い終わったあとは、湿気でカビが生えやすいので、日陰の風通しの良い所でしっかり乾かします。

気になる汗止めの汚れは、水に濡らして堅くしぼったタオルで汚れ部分をトントンと叩く様に拭きとります。匂いが気になったら定期的に重曹を溶かしたスプレー水もしくは、消臭スプレーを少しかけ、しっかり乾燥して下さい。

※丸洗いは形崩れの原因になりますので、おすすめしません。
秋になったら、陰干しをしてから形崩れをしない様に、湿度の低い場所で次の夏まで保管して下さい。

麦わら帽子は天然繊維の麦を使用している事もあり、2年くらいで劣化をする事が多いそうですが、私が持っている麦わら帽子も、形崩れもなく長年着用できています。1,2年とは言わず、長く使い続けるための工夫です。お試しください。

お気に入りのポイント
特徴でもある、ありそうでない形とポンポンと言う組み合わせの帽子は、Tシャツとデニムなどのカジュアルな服装にも相性が良く、夏のワンポイントになってくれます。天然素材ならではの色の経年変化もあり、徐々に色が濃くなっている麦わら帽子に愛着を持たずにはいられません。



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