いりこの本物の美味しさを届ける「やまくに」

d47食堂とdたべる研究所の出汁に欠かせない、いりこのおいしさを教えてくれたのは、“いりこのおっちゃん”こと、やまくにの山下公一さんです。『d design travel 香川号』では、その土地のキーマンとしてご紹介させて頂きました。初めてでは、なかなか手を出しにくいかもしれませんが、やまくにのいりこで、ひとりでも多くの方に出汁をひいてみてもらえたら嬉しいです。

d MARK REVIEW

1. 全国に伊吹島の“美味しいいりこ”を届けるいりこ屋。
1887年創業、代々家族経営。いりこの“本当の味と鮮度”を、身を以て伝える、いりこ一族の5代目。

2.「パリパリ焙煎いりこ」や「いりこ山椒・いりこ一味」など、デザインある元祖いりこの加工屋。
料理研究家・辰巳芳子氏に学んだ「潮の宝」や「はなまるせんべい」。商品グラフィックは、高知県のデザイナー・梅原真氏。

3. 頑固一徹、日本中を飛び回る“いりこのおっちゃん”。
自ら岡山県で企画協力する「Sunny Friends Market」。愛知県の「森、道、市場」や高知県の「village」などにも出店し、東京や大阪ではいりこの調理法を伝えるワークショップも精力的に行なう。

 

故郷の海を守る商人

瀬戸内海燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ伊吹島は、良質ないりこの産地で「伊吹いりこ」としても有名だ。

そもそもいりことは、片口いわしの煮干しのことで、決していりこが泳いでいるわけではない。そんなことも知らないと、僕のように“いりこのおっちゃん?こと、「やまくに」の五代目・山下公一さんに、間違いなく怒鳴られるだろう。

いりこ漁が始まる6月から約4か月間は、伊吹島の住民の半数以上が、いりこづくりに関わり、〝札束の海?とも喩たとえられるように、漁師たちは殺気立ち、見学すら緊張感が走る。

大きな網で引き揚られた片口いわしは、高速の運搬船で伊吹島へと運ばれ、すぐに加工される。鮮度が命のいりこは、漁獲から加工まで一貫して生産することが重要だ。

ここからがおっちゃんの出番。脂がのって一見美味しそうな片口いわしも加工すると臭みが増す。つまり「伊吹いりこ」と言えど、美味しさは一匹一匹異なり、それを見極めることが、本当の伊吹ブランドとしての品質を保つのだ。

しかし、環境や時代の変化で、そう簡単にいかないこともおっちゃんはわかっている。脂のあるいりこは、さらに加工して、ふりかけやおつまみに。料理研究家・辰巳芳子氏に教わり、地域デザイナー・梅原真氏のデザインで、さまざまに商品を開発してきた。

自ら全国を飛び回り、各地でワークショップも開催。燧灘のいりこの美味しさ、いりこそのものの魅力、そして命がけで海に出る漁師たちの想いを伝えている。

※本ページは『d designtravel 香川号』に掲載された記事を一部再編集したものです。

●店舗情報
やまくにWeb / Instagram
住所 香川県観音寺市柞田町丙1861-1
TEL 0875-25-3165 定休日 土日

●「やまくに」の製品は、こちらからご購入いただけます。


d47食堂の「日本の出汁」2 昆布といりこ ¥2,300(税込)


〈やまくに〉銀付きいりこ出汁の讃岐うどんセット(2人前) ¥2,100(税込)

●この記事が掲載されている『d design travel 香川号』について

¥2,000+税

旅が?ぎ、アートする香川。台風や雨雲は山々に遮られ、天災の少ない香川県。讃岐・瀬戸内という恵まれた暮らしは、一方で自らが生命線だった。アートやデザイン、うどんやお遍路 ーー 今は、「路」が町と町、島と島を結び、「旅」が人と人を?いでいる。それが自ずと香川という小さくても偉大で、美しさに溢れた県を形づくっていた。