「想いの湊」ツアー〈後編〉

219日に鹿児島県いちき串木野市を巡る「想いの湊ツアー」に鹿児島店スタッフで行ってきました。

いちき串木野市は鹿児島県の西部に位置し、東シナ海の玄関口とも言われています。

薩摩スチューデント旅立ちの地でもあり、常に海を介して外との関わりがありました。多くの文化や歴史が薫るいちき串木野市。大漁旗つくり手の亀崎染工、中国風庭園の冠嶽園、つけあげつくり手の寺田屋、老舗焼酎蔵の大和桜酒造を巡り、様々な『想い』を体感してきました。

〈後編〉では寺田屋と大和桜酒造の様子をご紹介します。

 

つけあげ(さつま揚げ)発祥の地とも言われているいちき串木野市。先代に続き兄妹二人で営業している寺田屋。湊に揚がった新鮮な魚に豆腐と地酒を練り込んだ昔ながらのつけあげは、魚の持ち味を生かした伝統製法で作られています。

プレーンなつけあげから、春は菜の花、夏はコーンなど旬の野菜を混ぜ込んだものまで。チーズ入りは試行錯誤された美味しいクリームチーズ入り。おつまみやおかずとしてもオススメです。

白身魚と青魚の揚げたてのつけあげを頂きました。程よい甘さでしっとりふわふわでとても美味しかったです。

麦みそも手作りで作っているそうで、今回作っている過程は見ることができませんでしたが、お土産に購入。クセのない優しい味わいで、寺田屋おふたりの笑顔が浮かびました。

訪問中も地元のお客様が絶えず、愛されていることがとても伝わってきました。

 

続いて、大和桜酒造。

いちき串木野市は県内でも有数の焼酎産地でもあります。「だれやめ」や「ハレ」の場に欠かせない焼酎は土地の上質な水と芋を使って造られています。国産のお米と厳選された南薩摩産のコガネセンガン(さつまいも)を白麹で醸し、じっくりと熟成させた焼酎はまさに鹿児島スタンダード!

大和桜酒造は創業以来、昔ながらの本格手づくり麹を使ってるそうです。米を蒸すのに洗米から全て手作業で甑(こしき)を使用して丁寧に蒸し、麹造りは昔から使用されている石の蔵を移築され、自然換気で「むろ蓋」と呼ばれる木製の箱で、少量づつ手間隙かけて造られています。仕込みは一次仕込み、二次仕込みともに全量甕仕込みによる醸造を代々続けています。

オススメの飲み方はお湯割りや水割り、造りの丁寧さを感じるのならストレートも良いですが、大和桜紅芋はコーラ割りもオススメなんだとか。

どこか懐かしげな切り絵のラベルはブラックニッカの「髭のおじさん」や丸美屋の「のりたま」を手掛けたグラフィックデザイナーの故大高重治氏によるもの。

先代から受け継がれ、未来に繋いでいく杜氏の熱意や、それを代々守ってきた蔵の歴史を感じました。

今回のツアーでいちき串木野市のその土地に根付く様々な『想い』を感じることができました。穏やかで優しいいちき串木野市はまさに『想いの湊』であり、今後もその魅力をもっと伝えていけたらと思います。