d SCHOOL「わかりやすい甲州ワイン」レポート

2019年12月6日(日)にd SCHOOL「わかりやすい甲州ワイン」を開催しました。

講師には機山洋酒工業株式会社の代表・土屋幸三さんをお呼びしました。機山洋酒工業株式会社(通称:キザン)は山梨県甲州市塩山にあり高品質なワインを手頃な価格で販売し、山梨店でもファンの多いワイナリーです。

今回は甲州ワインの歴史やキザンのワインの特徴、ワインに合わせたおすすめのお料理などについて試飲をしながら学んでいきました。

まず甲州ワインとは。

甲州ワインとは「甲州種」という葡萄の品種で作られたワインのことです。フルーツ大国山梨では、日射量が多いため葡萄の栽培に適しており甲州葡萄は山梨が全国で1番の生産量を誇っています。

甲州ワインはその昔、2人の青年がフランスにワインの技術を学びに行き、それを広めたのが始まりと言われています。土屋さん曰く、当時青年たちは予定していた留学の期間をオーバーし、帰国が遅くなってしまったため周囲は歓迎ムードではなかったんだとか。「よくぞ学んできてくれた」というよりは「何をそんなに遅くなって」と周りは冷たかったそうです。

そこからワインの技術が進み、甲州ワインは盛んに作られるようになりました。

今回は6種類のワインを試飲しました!土屋さんのご指示のもと、スパークリング→白→赤の順に試飲しました。

それぞれの特徴についても教えていただきました。

 

(写真右側から)

①KIZAN Sparkling Traditional Brut

年間で4000本生産されています。こちらは瓶内二次発酵という製法で作られています。瓶内二次発酵とは昔ながらの製法で名前の通り瓶内で発酵させます。炭酸ガスを注入するやり方とは違い、発酵をさせるのに長い時間を要します。そして中を攪拌するために土屋さんが手作業で1本ずつ瓶をクルクルと回しているそうです。この製法を海外では「トラディショナル製法」とも呼びます。商品名と一緒ですね。今回キザンのスパークリングを飲むのが初めての方も多く、試飲でも特に人気の1本でした。

② KIZAN WINE 白 2017

甲州種を100%使用した「甲州ワイン」。当店でとてもよく出てる人気の甲州ワインです。柑橘系の香りで酸味は穏やか。甲州ワインは日本の料理の味付け(だしなどの優しい味わい)を邪魔せず和食と相性がいいと言われています。キザンの白ワインは鍋やおせちにぴったりとのこと。野菜のきゅうりとは青臭さが増してしまうから合わないんだそうです。

③KIZAN Selection Chardonnay 2017

年間に3000本生産。ジュースで絞った後に発酵・熟成。樽を使っています。樽に入れることでより良い果実味を感じられるようにしているそう。山梨店のワインセラーになんとか1本あったのですがキザンさんにも当店にワインを卸してくれている新田商店さんにも、もう在庫がないそうで、貴重な試飲となりました。

④KIZAN WINE 赤 2017

ブラッククイーンを100%使用。ブラッククイーンはベリーAより酸がはっきりしている品種です。酸味豊かで渋みは少なめなのが特徴で肉料理におすすめ。

⑤KIZAN Selection Merlot/Petit Verdot 2017

先ほどの赤ワインよりさらに渋くしっかりした味わい。樽にいれて熟成させているので木の香りも楽しめます。メルローが酸が少ないためプチヴェルドで酸を補っているそう。割れやすい品種のためマンズレインカットといって、雨よけのビニールがけをして栽培しています。

⑥KIZAN Family Reserve 2017

メルロー、ブラッククイーン、カベルネソーヴィニヨン、プティヴェルドをブレンドして作られています。キレの良い酸味が特徴で余韻が続きます。タレ系のお料理や中華にもぴったり。年間で4000本ほど生産されています。

後半に赤ワインが3種登場しましたが、3種ともまるで違う味わいに参加者の皆さんも驚かれていました。

いつも当店にてキザンさんのワインを買ってくださるキザンファンのお客様も「今まで赤と白しか飲んだことなかったけどスパークリングもあったんだね」と新しい出会いに感動されていました。

ワインボトルのラベル表記までじっくりと読まれる方も多く、みなさんメモを取りながら真剣に学んでいました。

土屋さんは奥様とお二人でワイナリーを経営されています。栽培・生産にあたり、時期によってはお手伝いの方に来てもらうこともあるそうですが、夫婦二人三脚でたくさんのワインを生産したいます。1人でこなさなければならない作業もありその大変さも語っていただきました。

山梨県は今や知る人ぞ知るワインの産地ですが、昔は海外のワインと比べられ甲州ワインはあまり評価されませんでした。しかしワイナリーが品質向上に努め上げ、今では国内のみならず海外でも高く評価されるようになりました。

このイベントを開催するにあたり、土屋さんは「講演といった発信の機会を僕らのようなワイナリーが自分たちで用意するのは難しいけど、こうやって用意してもらえるのはありがたいんです。」とおっしゃってくださいました。このお言葉に今回の講座をやる意味を我々スタッフも強く感じました。

普段当店にワインをお買い求めに来るお客様は30代~60代のの方が多いですが、今回イベントは学生の方や20代の方にも多く来ていただけました。幅広い世代の方に甲州ワインやキザンのワインについて知っていただくことができ、嬉しく思います。

今回d SCHOOLにお越しになれなかった方も、キザンさんではお申し込みしていただけばワイナリーにて試飲することが可能です。山梨店スタッフが見学に伺ったブログも公開しておりますので是非ご覧ください。

また、2018年に出版された『LONG LIFE DESIGN1』にも山梨のロングライフデザイン商品としてキザンワインの特集ページが組まれております。

気になる方は店頭またはネットショップにてぜひご覧になってみてくださいね。