12月の研究テーマ「乾物」

dたべる研究所、12月の研究テーマは「乾物」です。

野菜や果物の他にも、出汁に使われる「昆布」「鰹節」「いりこ」「干し椎茸」、「ひじき」や「海苔」などの海藻類、寒冷地で凍結するほどの寒さを利用した「高野豆腐」、車麩や板麩など種類は様々ですが、東北や北陸でよく使われる小麦粉を水で練った「麩」も乾物です。「米」などの穀物、「ゴマ」などの香味食材やスパイスの類も含まれます。

「乾物」は、私たちの食生活に欠かせない存在なのですね。

食材や気候によってその姿は千差万別で、地域性が色濃く現れます。発酵や塩漬けなど、時期に多くとれたものを貯蔵する工夫は多様にありますが、“乾燥” は最もシンプルで手軽な加工方法です。

料理長の故郷である福島県会津地方では、農作業の落ち着いた秋の終わり頃から、食材の手に入りにくい冬に備えて乾物を用意するのだそうです。例えば、「豆ぶち」といって莢から豆を取り出したり、木の板の上で豆を叩いて戻しやすくした「打ち豆」を作っておくのは、冬の風物詩だったといいます。

鰹節、昆布、干し椎茸で出汁をとることはあっても、他の「乾物」については、手間がかかると敬遠される方も多いかもしれませんが、家に常備しておいて上手に使えるようになると、料理にかける時間の感覚が変わります。地域に伝わる郷土料理から「乾物」を楽しむ知恵を楽しんでみませんか。

dたべる研究所では、以下のような料理をご用意しています。

「いとこ煮」

小豆とかぼちゃをほっくりと甘めに煮たもの。山形や山口、奈良や北陸地方に伝わる郷土料理。各自(めいめい=姪姪)が持ち寄った食材を順番に(おいおい=甥甥)入れて作ることから、その名が付いたとされています。どこも小豆は入りますが、白玉団子やもち米を入れておやつのように仕立てる地域や、干し椎茸の戻し汁を入れて汁物として作る地域も。

「いかにんじん」

料理長の故郷である福島県会津地方に伝わる郷土料理。スルメと人参を細切りにして醤油やみりんで煮付けたもの。こたつに入ってスルメイカを切るのは、時間に余裕のある冬ならではの仕事だったそう。お正月にも登場する一品。

「高野豆腐の煮物」

長野県では「凍み豆腐(しみどうふ)」とも呼ばれる高野豆腐。湿度と温度の低い地域で豆腐を外に出しておくと、夜中に凍結し日中に溶けることを繰り返してスポンジ状に。根菜の甘みが染み出す、寒い日には嬉しい煮物です。

「大豆と芽ひじきの煮物」

歯ごたえある茎ひじきと柔らかな芽ひじきで好みは分かれるかもしれませんね。ご家庭でも手軽に作って頂けるよう、今回は長崎県産の芽ひじきを使いました。

「クーブイリチー(沖縄)」

沖縄の郷土料理で「昆布(クーブ)」と豚肉の「炒め物(イリチー)」。江戸時代、昆布等を中国へ輸出する際の中継地点だったことから、沖縄には昆布を使った料理が多くあります。出汁を取った後の昆布を使うと、ぬめりが出ないのでさっぱりと頂けます。

「車麩の唐揚げの卵とじ」

長い木の棒に巻きつけて焼き上げる「六田麩」は、一般的な麩に比べてグルテンの含有量が多く、肉厚で食べ応えがあります。甘辛く煮付けて唐揚げにしても良し。ボリュームがあるので卵とじにしても存在感抜群です。

メニューは日々変動しますが、「乾物」を使った様々な郷土料理が登場しています。羽釜で炊いたごはん、日替わりの味噌汁と漬物と一緒にお楽しみください。お待ちしています。

【 店舗情報 】
営業時間 11:30~19:00
定休日 水曜日
電話 03-5752-0120
アクセス 東京都世田谷区奥沢8-3-2 D&DEPARTMENT内 1階

[ ランチ ] 11:30~15:00
おひるごはん 2,100円 ※コーヒーまたは紅茶付きのビュッフェ

[ カフェ ] 15:00~19:00(L.O.フード 18:00/ドリンク 18:30)
d&オムライス 1,200円
d&ドライカレー 1,100円
デザート 360円~
コーヒー/季節のドリンク 560円~