福岡 宮田織物のはんてん

1913年、久留米絣の織元として福岡県筑後市で創業した宮田織物。1958年に反物幅で織られる久留米絣の生産を止め、洋服用の広幅織機へ転換し、近年になるとデザイン・織り・製造・縫製にいたるまで自社での一貫生産を行うように変わっていきました。減少の進む久留米の織物産業の中で、宮田織物は久留米の織物の「多様性」を代表する存在になっています。

 

宮田織物の代表的な商品である「わた入れはんてん」は、1965年から生産を開始。最盛期には年間50万枚ものはんてんを全国に出荷、日本一の品質と生産数を誇っていました。

 

今回は50年以上つくり続ける「わた入れはんてん」を中心に、冬の生活をより豊かにしてくれる商品をご紹介します。昔ながらのものから、現代の生活に合わせた型のもの、中わたの違い、こだわりの生地など多種多様なはんてんからお気に入りを見つけるとともに、久留米の織物産業の多様性と発展のひとつの形を感じていただけたら幸いです。

福岡 宮田織物のはんてん

日程
2021/11/4(木)~12/7(火)
時間
10:00~20:00
場所
D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA Map 鹿児島県鹿児島市呉服町6-5 マルヤガーデンズ4F

●お問い合わせ:099-248-7804(鹿児島店)

「わた入りはんてん」の製造工程
糸を選ぶところからデザイン・織り・製造・縫製まで全て自社にて生産を行う宮田織物。隅々までこだわったわた入りはんてんができる工程をご紹介します。
1. 生地の製造
専任のデザイナーを中心に糸選びから行い、何度も試し織りを重ねて作ります。デザイン性だけでなく風合い・肌触りなどもチェックし、合格した生地のみを使用します。糸選び、染め、織り、デザイン全てが宮田織物のオリジナルです。出来上がった生地の中から、シーズンごとに相応しいものを選び、製品デザインを行います。
2. デザイン・縫製
心地よく着られるサイズや形、生地の組み合わせを考えながらデザインを行います。着丈や身幅、ポケットの位置に至るまで、はんてんの種類によって異なります。
デザインに合わせて裁断された生地は、一枚一枚丁寧に縫い合わせていきます。工場では自動ミシン・特殊ミシンなど、合わせて100台以上のミシンが日々動いています。
3. わた入れ
熟練のスタッフが2人1組でひとつずつ丁寧に、かつスピーディーに手作業でわたを入れていきます。
わた入れは一枚のシート状のわたを、はんてんの隅々まで均一に入れます。その上に、背中や裾などには厚みが出るように“足しわた”を行います。より着心地よく、暖かく着られる工夫のひとつです。
4. 綴じ
人の手で、一針一針丁寧にはんてんを綴じていきます。手作業で行うことで、わたを潰さず、ふんわりとした仕上がりになります。綴じる箇所によって針目の間隔を変えることで、より丈夫に、より着心地のよいはんてんに仕上がります。
福岡 宮田織物のはんてん

宮田織物

大正2年に創業し、久留米絣の生産から始まり昭和40年からわた入れはんてんの生産を開始。現在は婦人服の生産も行う。今でも生地の糸選びから、混紡綿のブレンド割合、品質にこだわったものづくりを続けている。