カール・ハンセン&サン社と
ハンス J.ウェグナーの最初の椅子

ハンス J.ウェグナー最大のベストセラーであり、

日本人である私たちにも馴染みのある名作椅子「Yチェア」

「Yチェア」というのは通称で、ウェグナーが名付けたのではなく正式名称を「CH24」と言います。「CH24」とは「カール・ハンセン＆サン社の24番目の椅子」と言う意味。実は、カール・ハンセン＆サン社とハンス J.ウェグナーが出会い最初に生まれた22番目から26番目の椅子が存在するのです。

1950年、カール・ハンセン＆サン社は、当時まだ無名だったハンス J.ウェグナーに声を掛け、Yチェアと４つの椅子「CH22・CH23・CH25・CH26」を最初の椅子として協働で発表しました。当時、機械化をいち早く取り入れ家具の工業化を目指していたカール・ハンセン＆サン社の工場の様子をみて、機械による量産化を考慮し「庶民のための椅子」を目指したデザインを提案したハンス J.ウェグナー。このYチェアと共に生まれた４つの椅子は当時、シンプルかつ斬新なデザインとして注目を浴びました。その中でも通称Yチェアこと「CH24」と「CH25」は、約70年以上経つ今でも販売が途切れることなく続いているまさにロングライフデザインな椅子となり、世代を超えて愛され続けています。

今回、このYチェアを含む５つの椅子を、カール・ハンセン＆サン ジャパン のご協力で、期間限定ではありますが現物をお借りし展示する機会をいただきました。当時のハンス J.ウェグナーとカール・ハンセン＆サン社と家具職人が幾度も対話を重ねて作り上げたこの５つのコレクションのデザインから、世代を超えて長く愛され続けている理由を実際に触れて感じていただければと思います。