森正洋のうつわと平形めし茶碗

1927年佐賀県で生まれた森正洋。1956年に長崎県の波佐見にある陶磁器メーカー白山陶器に入社し、デザイナーとして活躍。なにを作りたいかというよりも、いまの世の中になにが必要なのか、なにを作るべきなのかを考え、時代や生活の変化に対応した製品を生涯つくり続けました。今回ご紹介する「平形めし茶碗」も生活の変化に着目した森正洋によってつくり出されたうつわです。径が大きく、浅さが特徴の「平形めし茶碗」。深さのある茶碗は冷めにくいですが、炊飯ジャーや室内の暖房の発達した現代では料理が冷める心配がないことから、今までにない形の茶碗が考案されました。大ぶりで浅い為、ご飯だけではなく、おかずやフルーツなども盛れる、用途の広いうつわです。使用目的を限定せず、使い方で使う人の個性を活かしたいという森正洋の思いが込められています。本企画では販売だけではなく、森正洋がデザインやものづくりについて残したことばの数々と、デザインスケッチの原画など貴重なアーカイブも展示いたします。世の中に何が必要なのかを常に考えながら、食卓に並ぶ器をつくり続けた森氏の思想と、それを形にした産地の技術を、間近にご覧ください。

森正洋のうつわと平形めし茶碗

日程
2020/3/12(木)~5/5(火)
時間
11:30-19:00(水曜定休)※最終日は18:00まで
場所
D&DEPARTMENT TOKYO Map D&DEPARTMENT TOKYO

●お問い合わせ:03-5752-0120(東京店)

平形めし茶碗をお使い頂けます。
展示期間中、1Fたべる研究所のランチビュッフェでは、平形めし茶碗を中心に森正洋のデザインしたうつわでお食事をご用意しております。実際にうつわに料理を盛り付けたりすることもできますので、ぜひ使い心地もしっかりとお確かめください。

dたべる研究所|d Taberu Lab
ランチ 2,000円 ※コーヒーまたは紅茶付き
うつわをお試しいただけるのはランチタイム(11:30~15:00)のみとなります。
約100種類の「平形めし茶碗」が店頭に並びます
長年、蓄積された釉薬のデータを元につくられた色柄は、300種類以上。様々な柄の茶碗が一同に並ぶ光景は圧巻。平形めし茶碗の他にも「ねじり梅シリーズ」や動物オーナメント、「M型シリーズ」など森正洋がデザインした代表的なうつわ数種も一緒にご紹介・販売いたいます。
ラブバード 2個入(箸置)
「ラブバード」の名付け親は森正洋の妻、美佐緒さんです。できあがったとりのはしおきを見ながら美佐緒さん「ジュウシマツでしょうね。小さくてかわいい様子ですかね、わたしの和英辞書にはlove birdってありますね」森正洋「ラブバードかい。70歳を過ぎたじいさんばあさんが付ける名前だから許してくれるよなぁ」「ペアでならんだほうがいいね」2003年初春の夕暮れ、自宅サンルームでの二人の会話です。二人で楽しく話しながら、命名しました。
ねじり梅シリーズ
1968年、森正洋によりデザインされたねじり梅。鮮やかな呉須の色味と大胆に配置されたねじり梅の家紋が個性的で、青色で塗られた部分は肥前地区の伝統技法「呉須濃(だ)み」という筆を用いて丁寧に染められています。ねじり梅の家紋は古くから縁起の良いものとして使われてきた古典的なモチーフです。
G型しょうゆさし
森正洋氏によってデザインされ、1958年の製造開始から現在まで長年生産され続けている醤油さしです。安定感、持ち易さ、そして”象の鼻”と形容される後引きしにくい注口の作りのよさが特徴で、蓋の穴を指で開閉することでしょうゆの出る量を調節できます。普段取り扱いのない色も合わせて全6色ご用意します。
ユニバーサルシリーズ
「30年前から考えていた。」と2001年に製品化されたシリーズ。ヘリの部分が内側に反り返っていて、カレーやピラフなどすくって食べる料理が皿の外にこぼれにくく、食べやすい。底面高台にシリコンを塗ることで、皿が滑りにくい作りとなっています。
M型シリーズ
近代化がすすむ日本の高度経済成長期につくられたシリーズ。ポットの上にシュガーポット、シュガーポットの上にクリーマーをスタッキングすることができ、更にカップ&ソーサーもスタッキングできるようになっています。その姿はなんとも言えない愛らしさ。一度生産中止となりましたが、2005年に復刻。
動物オーナメント
大胆にデフォルメされた動物の表情とシンプルな形がどこかユーモラスさを漂わせるオーナメント。もともとは、焼成時の窯の空いたスペースを埋める小さな作品として考案されており、見た目の可愛らしさだけでない、生産効率も優れた作品。森正洋が好きだった鳥のほか、大小のぞうやぶたのモチーフが揃ってます。
マルティブルーシリーズ
1976年にデザインされた白山陶器の定番。ネーミングの通り、多用途に使えるようデザインされたフォルムとサイズ、重なりも良く収納性に優れます。シンプルな洋食器ですが、白とのコントラストが美しい縁の青は、肥前地区の伝統技法である呉須の染付で、手仕事を感じる仕上がりに。青だけでなく、茶色のサビを縁に施してあり、キリッとしまりもある。ホーロー容器のような清潔さもよい。

森 正洋(もり まさひろ)

1927年、佐賀県生まれ。1956年に白山陶器に入社したのち、1960年の「G型醤油さし」他、一連の食器で第1回グッドデザイン賞受賞をはじめ、数々の国際的なデザイン賞を受賞する。1978年に同社を退社後、森正洋デザイン研究所を設立。広く後進の育成に励んだ。高名な評論家だけに評価されるデザインよりも、人々から愛され続ける、サイン表記のないアノニマスなデザインの製品を世に送り続ける。2005年、永眠。