スタッフの商品日記 047   毛玉取りブラシ

クリーニングのプロ用から家庭用に改良を重ね生まれた毛玉取りブラシ

浅草で100余年ブラシ専門メーカーとして暮らしに寄り添うように、ものづくりをつづけている浅草アートブラシ社。ペンキ用の刷毛から布団用ブラシ、洋服のシミ抜き用ブラシなどカタチはさまざま。ものづくりの伝統的な技術や継承を受け継ぎながらも、その時代に必要なものを考え数々の新しいカタチのブラシが今もなお職人の手から生まれています。

数あるブラシの中でも代表的なのがこの毛玉取りブラシ。クリーニングのプロ用を家庭用に改良したもので、お家で簡単に毛玉を取る事ができる。取れる秘密は、特許を取得している毛先の特殊加工で、1本1本を釘の頭の様にT字型に成型し、凸凹に植毛する特殊加工が施されており、小さな毛玉も1玉1玉やさしく絡め取るようにつくられている。また、柄の部分はプロがずっと使用し続ける昔ながらの形状で、ブラシ面全体に洋服がソフトに当たるように考えられています。

 

つづく産業

アートブラシ社は、初代 大内茂治氏が刷毛職人の修業を経て、「大内刷毛店」として独立したことが始まり。ものづくりの街として歴史がある浅草で創業して以来、100年余りもの間ブラシ専門メーカーとして、あらゆる種類のブラシをつくり続け、その技術を継承しています。
もともとは浅草近辺の地場産業である皮革製品用の刷毛やブラシを専門店向けにつくっていましたが、 最近では「プロの道具をご家庭に」と一般向けのブラシも展開。 2代目大内達治氏は区の伝統工芸の職人として認定されています。移り変わる時代と共に生活様式も絶えず変化するなかで、ブラシにおいてもまた、それに合わせて変わる用途、求められる品質を敏感にとらえ、お客さまのライフスタイルがより豊かになるようなものづくりを続けています。

 

洋服ブラシの製造現場を見学しました

はじめにブラシの原料である動物の毛を選別、製毛をしていきます。この様に束の状態で仕入れ、ブラシにする際に10センチ程に切っていきます。動物の毛は、化繊毛に比べ静電気も起きにくく、長持ちするそう。

この束には硬い毛と柔らかい部分があり、それを手作業で偏らないように毛を均一に撒くように広げて重ね、櫛でときます。これをなんと何十回も繰り返す気の遠くなる作業。硬さを均一にする事でヘタらない丈夫なブラシができあがるそう。そして混ぜ合わせた毛は元の束の形に戻し次の工程へ。

ここからは機械を使って、ブラシ本体となる木の表面に植毛を行っていきます。毛を植える順番が描いてあるブラシの本体。この指示に従って毛を植え込んでいきます。

束ねた毛束を機械にセット。ブラシの本体に、ぶつけるように横から毛を植毛していきます。毛を植える穴の大きさや、深さ、穴と穴の間隔もブラシの使用目的に応じて千差万別。それぞれに、一つの穴に入れる毛の量を決めていきます。つくっていたのは白と黒の2色の毛を使用したブラシ。切り替えレバーを操作してそれぞれの毛束を指定の穴に差し込んでいきます。

最後にバリカンで毛先を整えて完成。そこから仕上げと検品を行い出荷されていきます。ブラシの用途によっては揃えたり、逆に不揃いにしたり、毛先を特殊加工する仕上げもあるそう。ブラシづくりでは機械も使用しますが、微調整や最終チェックには必ず人の手や目が加わります。知識と経験を兼ね備えた職人の手仕事によって作られています。

 

お気に入りポイント

この毛玉取りブラシを使う前は電動の毛玉とりカッターを使っていました。早く毛玉がとれ便利でしたが、表面のふわふわと柔らかな毛もカットされ生地が薄くなっていくのが気になっていました。そんな悩みをスタッフに話しているとおすすめされたのが、このアートブラシの毛玉とりブラシでした。このブラシで気になる所を軽くブラッシングをするだけで、面白いくらいに毛玉がどんどん取れるのに、ニットのふわふわとした毛も残っており問題も解決。今までブラッシングは手間だと思っていましたが、このブラシを使いはじめてからブラッシングすることが楽みになっています。

《毛玉取りブラシでブラッシングする前》

 

《毛玉取りブラシでブラッシングした後》

 

日々のケアだけではなく、家でニットを洗った時に使うのもおすすめです。ニットが完全に乾く前に毛玉とりブラシでブラッシングしてから乾かすと、毛が立ちふわふわな仕上がりとなります。これからの冬服の衣替えにひと手間かけて毛玉とりブラシで手入れをするのもおすすめです。(商品部 笹倉)

 

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