スタッフの商品日記 011 DBKドライアイロン

ミニマルな家電
今回ご紹介するDBKのドライアイロンは驚くほどシンプルです。アイロンとしての機能は三段階の温度調節のみ。

商品選定の経緯
D&DEPARTMENTとしてどのアイロンを取り扱うか、商品部が検討をおこなっていたのは2016年のこと。最初からスチーム無しという条件でアイロンを探していたわけではなく、また、国内外どこのメーカーのアイロンも、主流はスチーム付きでした。そのような中、「実はスチーム機能は不要かもしれない」という意見が出ました。商品の検討にあたっていたスタッフが、当時の最新式のスチームアイロンを持っていたにもかかわらず、アイロン付属のスチーム機能に満足できず、結局は霧吹きを併用していました。

一方で、D&DEPARTMENTが商品を選ぶ際に大切にしているのは、「ロングライフデザイン」という視点。これは見た目だけで判断できることではなく、実際の暮らしの中での使いやすさや、長年にわたって使えること、極端なデザイン変更がされず、モデルチェンジが少ないないことにも重きを置きます。

次々と型番が変わっていく家電が多い中、長年デザインが変わらないブランドとして浮上したのが、ドイツのDBK。1946年の創立以来、半世紀以上にわたって電熱機器の製造に特化してきたメーカーです。DBKといえば、1995年の発売当初から20年以上変わらぬデザインで根強い人気を誇る「スチーム&ドライアイロン」が有名ですが、ちょうどその頃DBKからドライ専用モデルが発売されたので、そちらが検討候補となりました。そしてナガオカ本人が普段の生活の中で使ってみる、という使用テスト期間を経て、最終的に選ばれたのがこのDBKドライアイロンでした。

つづく暮らし
どんな家電も経年劣化し、一定の歳月が過ぎたら寿命を迎えます。修理をしても直らないものは、買い替えることになります。気に入っていたモデルが廃盤となり、同じものが手に入らないのは残念なことです。また、いつかは買い替える時が来るとしても、できるだけ長持ちしてほしいものです。家電選びでは、機能の多さや価格が決め手となりがちですが、なるべくモデルチェンジがされないブランドか、機能がミニマルゆえ管理しやすく故障しにくいか、といった観点も加えてみてはいかがでしょうか。

DBKドライアイロンにはスチーム機能が付いていないため、しっかりとシワを伸ばしたい時はアイロンとは別に、霧吹きを用意する必要があります。しかし、スチームアイロンのタンクに水を注ぎ入れる作業や、使用後に流しに運んで余った水を捨てること、スチーム噴射口に溜まりがちな水垢を掃除する手間などからは解放されます。

技術の進歩により、携帯電話など、手で持って使う電化製品は軽量化の一途をたどっていますが、アイロンに関していえば、重いのは決して悪いことではありません。アイロン自体の重みがある方が、より強くプレスできるからです。

ということもあって重量は好みによるところですが、個人的には重たいアイロンが苦手でした。DBKドライアイロンを使うようになってから気付いたのですが、数ある家事の中でアイロンがけが一番苦痛だったのは、当時使用していたアイロンが重たく、かつ小回りがきかなかったことに原因がありました。

DBKドライアイロンは620gと、アイロンとしては極めて軽量。そして電源コードの根本が上下する構造のおかげで動きが妨げられず、スムーズに動かせます。表面にはフッ素樹脂加工が施されており、適度なすべり具合です。我が家でこのアイロンを使いだしてから、アイロンがけのストレスが無くなりました。

お気に入りのポイント
戦後からは電気蒸気アイロンが主流になりましたが、それより前の時代に使われていた初期のアイロンがベースになっていると思われるデザインで、シンプルな形状と落ち着いた色が気に入っています。

立ち上がりの早さも魅力です。熱伝導率が高いアルミ製の熱板が使われており、スイッチを入れて1分で最高温度に達します。慌ただしい朝や、いざ出かけようとしてシワに気付いてしまった時など、思い立ったらすぐにアイロンをかけられるので助かっています。

この立ち上がりの早さは、アイロンを掛ける面に組み込まれているヒーターと、温度の調節をおこなうサーモスタットのバランスが良いところに秘密があるそうです。

常に新製品が開発され、前シーズンの発売モデルが型落ちになっていく家電。それまで無かった機能が登場した途端に、それがとても便利に見え、必要な機能のように思えてきます。

でも、その機能が本当に自分にとって必要なものなのか、手に入れる前に一度考えようと私に思わせてくれたのがこのアイロンでした。家事を楽にしてくれるのは、必ずしも最新機能とは限らないようです。

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