20 今年の抱負は「手を動かす」

年末にd中国杭州を検討している方の家族とヒカリエd47食堂で会いました。4人家族で年末年始を日本で過ごすという。なので打ち合わせには2人のチビッコもおとなしく参加。大人の打ち合わせの横で何をおとなしくして過ごしたかというと、スケッチ。僕の似顔絵を書いてくれていました。ちょっと面白い話なので書きますが、母親は子供が何かをねだると、「絵を書いてお母さんに売ってお金を稼ぎなさい」と指導しているようでした。お姉ちゃんも弟も、一生懸命に描く。出来上がるとお母さんが値段をつける。それを子供たちはメモ帳に書いて記録。それで好きなものを買っていました。上手に描くと高い値段が付くようで、つまり、とても絵が上手でした。
そんな彼らを見ていて、手を動かすって面白いなと、思いました。普段はそんなことを思ったりしないのですが、なんといっても目の前で手を使い、一生懸命に「人の線」で絵が出来上がっていく様子を見て、「書」もそうですが、パソコンに慣れてしまって、自分が人間として手を使い、人間として線をかけることを忘れてはいけないと思いました。小さな子供たちが気づかせてくれました。
僕の妻はよく「あなたの手書きは面白い」と言ってくれます。今回の建築プランのプレゼンの際も「例の手書きで図面を書いて」と言われ、慌てて書きました。パソコンで出力すれば要件が伝わる正確なものとして渡せます。しかし、そこを手書きにすることで「相手」に「ナガオカ」を伝えたいのでしょう。最後は正確さを求められますので手書きというわけにはいきませんが、途中はもっと人間っぽさ、ナガオカっぽさを伝えた方が、お互いにとっていいと考えているようで、僕もそう思います。
手書きで何かをすることは、本当にほっておくとなくなります。年賀状に一言添えたり、手紙を書いたり、指示をスケッチで渡したりということは、意外にも人間の退化にもつながる、また、人がAIに取って代わろうとするこれから、ますます「人間くさいこと」が見直されていくような気もしました。
ということで、今年の抱負は「手を動かす」にしました。もっというと「人間くさいことをする」と、言えるかもしれません。