やまごみそができました。

2020年3月24日、甲府城からほど近い町中にある150年続く味噌屋「五味醤油」を営む五味仁さんと洋子さん兄妹に、味噌の仕込みを教わってきました。

謙遜して自分を褒めるときに使う「手前味噌ですが...」という言葉があります。昔はどこの家庭でも自家製みそ「手前みそ」をつくっていたので、それぞれの家で味や風味が違い、おいしく出来た自家製みそを「手前のおいしく出来たみそを食べてみて」と自慢するようになり「手前味噌ですが...」という言葉が生まれたそうです。

五味さんは、家庭の味の象徴であった「手前みそ」文化を残してくため、また、ひとりひとりが食と向き合うきっかけづくりとして、味噌づくりを行いながら、手前みそづくりを広める活動もしています。そんな五味さんの想いにならい、私たちも一度仕込んでみたい!という念願かなって、蔵まで伺いました。

五味醤油の造る「甲州味噌」の特徴は、米麹と麦麹を別々に作って合わせて仕込み、木桶を使って熟成させるところ。甲州はもともと米がとれにくかったため、米と麦の2種類の麹を合わせて造る、甲州味噌が生まれました。2つの麹を別々に作るのは手間がかかり大変ですが、五味醤油では昔ながらの造り方を守り続けています。

まずは、米麹と麦麹をほぐしながら、塩と混ぜ合わせていきます。しっかりと発酵した麹は、ふわふわとした胞子が生えていて、結びつきが強いのが特徴だそう。もともと麹屋さんだった五味醤油ならではの麹です。

そこに、圧力釜で炊いた大豆をすりつぶしたものを加えます。

混ぜ合わせるたびに、大豆や麹の香りがふわっと漂います。それを団子状に丸めて、“味噌玉”を作ります。

みんなで声を掛け合いながら、それを木桶の中に投げ入れていきます。

最後は、塩で蓋をします。美味しくなってね!と願いを込めて。

今回、私たちは2種類の樽で仕込ませてもらいました。約9ヶ月後、私達のもとに送っていただいた“手前味噌”を試食してみると、その違いに驚きました。

見た目から、木桶のほうが色が濃く熟成が進んでいる感じがします。食べ比べてみると、やはり、まるく優しい味わいになっていました。「木桶で仕込むと味噌が呼吸できる」「木桶に住み着いている菌がいい働きをしてくれる」と、あたまで理解していたことを、身を持って体験した瞬間でした。

1月8日(金)より、このやまごみそを使った味噌汁や味噌ケーキを、以下の店舗にて提供します。ご自宅用のやまごみそも販売しますので、ぜひこの機会に、五味さんの味噌のおいしさを味わってください。

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やまごみそ販売&提供店舗
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■d47食堂(渋谷) @d47_shokudo
味噌汁 / 味噌ケーキ / やまごみそ販売

■dたべる部研究所(奥沢) @d_d_tokyo
味噌汁 / 味噌ケーキ / やまごみそ販売

■D&DEPARTMENT DINING TOYAMA @d_d_toyama
味噌ケーキ / やまごみそ販売

■d京都食堂 @d_d_kyoto
味噌ケーキ