”干す”という文化「ほしいも」

「田畑も原野も土肥え、海山の利ありて…海山川野の豊かな土地である。」
(常陸国風土記)

奈良時代に編纂された『常陸国風土記』にて、「常世国(とこよのくに)」と呼ばれていた茨城。
海と山と川に囲まれて平地が多く田畑の耕作もしやすかったため、どの地域で暮らしていても食べ物に困ることは少なかったといいます。

『d design travel』29県目として、その茨城県へ伺いました。
d47食堂では2年前、県都水戸市を含む中央部の県央地域を取材し、ひと足先に「県央定食」を作りました。今回は茨城全域を巡り、関東の食を支えてきた豊富な資源と土地の恵みを存分に体験することができました。

茨城の干し文化「ほしいも」


2年前の11月、茨城県央定食取材中に3軒のほしいも農家さんを訪れ、ちょうど収穫期だったサツマイモ畑の見学をさせていただき、ほしいもの奥深さに魅了されました。
茨城県央定食を作る旅(2)

あの感動が忘れられなかった私たちは、今回はほしいもの天日干しの様子を見学したいと思っていたところ、ひたちなか市にあるほしいも工場「幸田商店」にご協力いただきました。



11月~2月はほしいも農家の繁忙期。収穫したサツマイモを、ふかす、剥く、切る、並べる、干す、といったシンプルな手順で、どんどん加工していきます。
しかし、ふかして柔らかくなったサツマイモを扱うのはとても難しく、ひとつひとつ大きさや硬さの違いがあるため、機械ではこなせません。
熟練の職人さんの手によって丁寧に作業が行われていました。



これらの工程を経て、最後に干すことによって甘みと栄養価を凝縮させたほしいもは、品種による味の違いだけでなく、乾燥具合や干し方、切り方によって、また違った風味を持ちます。


「茨城定食」では、平干しに丸干し、粉ふきなど様々なテイストのほしいも3種(幸田商店・オカベファーム・芋助)を揃えました。ほしいもの魅力を存分に体験してください。

「茨城定食」

※左下から時計回りに。

○ シラウオごはん
霞ヶ浦で漁獲されたシラウオの塩茹でを、
白米にのせるだけでもう十分。

○ ほしいも
「玉豊」の平干し、「紅はるか」の粉ふき平干し、
「紅はるか」の丸干し食べ比べ。

○ 蓮根の天ぷら
霞ヶ浦の豊富な水を活かして栽培される蓮根を、
ホクホクの天ぷらに。

○ つと豆腐
豆腐を藁苞で包んで作る「つと豆腐」。
出汁が浸みて美味しい。

○ けんちん汁
里芋、大根、人参、芋茎に加え、
県北の“凍みこんにゃく”を入れる。

○ 在来大豆の納豆
「菊水食品」がつくる在来大豆を使った納豆。
写真は須崎農園の「青御前」納豆。

〈提供期間〉
会期 2021年2月16日(火) - 2021年05月24日(月)予定
場所 d47食堂(渋谷ヒカリエ8F)
価格 1,800円(税込)

〈店舗情報〉
d47食堂 Facebook / Instagram

住所 渋谷区渋谷2丁目21-1 ヒカリエ8F 【MAP
電話 03-6427-2303 定休水曜
店内利用・テイクアウト 12:00-20:00(L.O 19:30)

※営業時間に変更がある場合はSNSにて最新情報をお届けしておりますので、ご来店前にご確認ください。

※d47食堂では、お客様に安心してお過ごし頂けるよう、以下のような対策を取っております。
○間仕切りのない開放的な空間で換気を徹底
○席間の十分な確保
○入口にアルコール消毒を設置
○スタッフのマスク着用