伝統野菜「黄ニラ」と銘菓「大手饅頭」

太陽のちからと温暖な気候、災害の少ない土地が育み、続いてきた歴史や文化、人々と触れ合い、この度トラベル誌発刊記念28品目となる岡山定食ができました。

岡山の伝統野菜~黄ニラ~

岡山県で明治5年から作られている黄ニラ。
そのルーツは解明されていませんが、一説ではまったく光が当たらない場所で育ったニラが黄色く、食べてみたところ柔らかで臭みのなかったことから作られ始めたとされています。誰が作り始めたのか、どうやって伝わってきたのかは分かりませんが、とりあえずこの地で昔から作り続けられていたそう。

黄ニラについて教えていただくために、岡山市にあるアーチファームさんのもとを訪ねました。

黄ニラの作り方として、まず根の強い普通の青ニラを育てます。根っこの強いニラを育てることによって、黄ニラに育てる段階で、太陽光がなくても育つようにしています。


一度青々と育ったニラを刈り取り、黒い遮光シートを被せて黄ニラを育てていきます。
太陽光が当たってしまうと光合成が始まり、青ニラのような味の強さが出てきてしまうため、出来るだけ早朝の日の当たらない時間に作業を行うことも多いそうです。
そうしてできた黄ニラは傷がつかないよう丁寧に収穫し、刈り取った上で天日干しをし、色味を鮮やかにして出荷します。
取材を引き受けてくださったアーチファーム代表の植田輝義さんは全身黄色がトレードマーク。
案内していただいた際に見かけた車やトラックも黄色でした!

岡山の伝統野菜を岡山の人に知ってもらいたいと発信活動を行う植田さん。黄ニラ大使として黄ニラ認知度向上に努めています。
その甲斐あって、昭和後期には東京など都市部の出荷が9割で地元消費が全くなかったのですが、現在では地元シェア率を3割まであげ地元消費を高めることができました。

食べかたのオススメとしては、柔らかさと味の優しさを生かせる卵とじやおひたし、お味噌汁の具に使っていただくことだそうです。
今回の岡山定食では、名刀味噌さんの米味噌をつかった味噌汁に、黄ニラを合わせてみました。
地産地消、地元の伝統食材を地元の人に知ってもらう、食べてもらうことが伝統継承に繋がります。
岡山の食を大切にする黄色い大使との眩しい出会いでした。

地元銘菓~大手饅頭~

岡山のお土産といえばきびだんご。他にもむらすずめや高瀬舟羊羹などがありますが、そのなかでも地元手土産の定番なのは大手饅頭。
古くから米処であった岡山にて、米を原料とした糀から作ったあま酒由来の生地にこしあんを包み、蒸しあげたのが大手饅頭です。
大手饅頭伊部屋本店にて、できたての温かいものを頂いた私たち。混ぜ物のない優しい甘さの味わいと、できたての温かさが体に染み入りました。

食堂では岡山から送っていただいた大手饅頭を蒸し直してみなさんの元へお届けします。
ほんのり香るあま酒と、優しいこしあんの甘さをお楽しみください。

「岡山定食」

※下から、時計回りに

○備前ばら寿司
酢を効かせすぎない酢飯に、酢締めしたサワラや岡山で獲れる食材をふんだんに使った行事飯

○イシモチ
揚げたイシモチを甘酢で和える。骨ごと食べれる揚げ魚

○ガラエビ出汁と茄子の煮浸し
ガラエビは年中取れて、良い出汁が出る。

○大手まんじゅうの蒸し直し
薄皮の酒饅頭。無添加で、そのままでも美味しいが、蒸し直すと尚美味。

○黄ニラの味噌汁
ニラよりもあっさりとした味わいが特徴の「黄ニラ」をいりこ出汁と「名刀味噌」の米味噌で。

〈店舗情報〉
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住所 渋谷区渋谷2丁目21-1 ヒカリエ8F 【MAP
電話 03-6427-2303 定休水曜
店内利用・テイクアウト 12:00-20:00(L.O 19:30)

※営業時間に変更がある場合はSNSにて最新情報をお届けしておりますので、ご来店前にご確認ください。

※d47食堂では、お客様に安心してお過ごし頂けるよう、以下のような対策を取っております。
○間仕切りのない開放的な空間で換気を徹底
○席間の十分な確保
○入口にアルコール消毒を設置
○スタッフのマスク着用