ロングライフデザインを学ぶ

D&DEPARTMENTでは、販売している商品が生まれる背景にあるストーリーや、作り手の想い、そしてその商品を支えるファンの集いなど、商品だけを販売するのではなく、その「もののまわり」を理解していただく活動を行っています。

その一環として、10月20日(日)に開かれるツアーが、「瑞泉酒造のもののまわりTOUR」。沖縄といえば「泡盛」と言ってもいいほど、祭りや神事はもちろん、親しい仲間と集まる時、親族行事などにも欠かせないものになっています。
琉球王朝時代は、泡盛の品質を守るため、政府自らがその管理にあたったとされています。そして首里三箇(しゅりさんか)と呼ばれる赤田、崎山、鳥掘地域でのみ、その製造を許されていました。その後、琉球王朝時代の終焉、そして、戦争の経験を経てもなお、泡盛が沖縄の人々に愛されている裏側には、昔と変わらない製法で泡盛を造り味を守り続けてきた酒造所、そして杜氏の姿があります。

こちらは、瑞泉酒造にて35年も杜氏を務めている、工場長の仲栄真兼昌さん。泡盛は蒸したタイ米に黒麹菌を散布して繁殖させ、出来上がった麹に水と酵母を加えてもろみを作り発酵させることから、アルコールを作ります。そして蒸留させ、適度なアルコール濃度へ調整することで製品化に至ります。洗米から泡盛ができるまでは約18日。その後も、瑞泉酒造では雑味をとり、まろやかさを出すために、最低でも半年は寝かせてから、製品として店頭に並びます。

これまで全ての行程を人の手で行ってきた様々な作業も、温度や時間の管理など、機械管理ができるようになりましたが、それでも長年の経験に基づいた杜氏の感が必要だといいます。
「一人前の杜氏になるには最低でも5年。麹を作る段階で、目で見て、音を聞き、香りをかいで、そして酵母を口に含み、状態を知ること」が大切といいます。瑞泉酒造の古くからのファンは、昔ながらのパンチの効いた「瑞泉」への愛着があると言います。一方、泡盛は匂う、強い…というイメージから、若者や女性のファンを獲得するために、新しい取り組みも行なっています。

これは日本酒のようにお米を3割磨いてつくった泡盛「migaki」。アルコール度数を8パーセントに抑えた8年古酒と、従来の泡盛ファンにも向けた、アルコール度数44%の10年古酒とふたつのバリエーションをそろえています。パッケージもワインボトルを思わせるデザインで、女性の購入者も多いそう。
そのほかにも、スパークリング泡盛や、フルーツフレーバーを加えた物なども。

泡盛を取り巻く現状について語って下さったのは、瑞泉酒造代表の佐久本学さん。
「古きを守る…は、長年受け継いできた泡盛の味を守り続けていく使命のようなもの。一方で変化を遂げていく流れを汲みながら、新しい世代に関心を持ってもらう取り組みをしていかなくてはならない」と話します。泡盛のもうひとつ特徴は、温度や湿度管理が難しいワインと比べ、直射日光を避けて保存することで、比較的簡単に泡盛を熟成させることもできるということ。飲むだけでなく、自宅用に購入したものから、自分で古酒を育てるという楽しみは、泡盛ならではのものかもしれません。


10月20日(日)に開催されるツアーでは、瑞泉酒造でどのように泡盛が造られているか、その行程を見ることができます。また、首里王朝時代の歴史文化を「泡盛」という角度から垣間みます。

最後は泡盛を酌み交わしながら、沖縄の文化を体感し、その魅力に触れませんか。
まだまだ参加は募集中。
ぜひこの機会に、泡盛を通した沖縄の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。

ロングライフデザインを学ぶ「瑞泉酒造のもののまわりTOUR」