「ハタオリ大学 meets D&DEPARTMENT PROJECT」レポート②

先日、東京店で行われた「ハタオリ大学 meets D&DEPARTMENT PROJECT」キックオフミーティング。その後日、郡内産地を知るべく「山梨ハタオリ産地バスツアー」に行ってきました!

「山梨ハタオリ産地バスツアー」は、「糸・人・街に出会うバスツアー」として、山梨県産業技術センター富士吉田技術支援センター(通称 シケンジョ)のガイドで、ファッションブランドと機屋との出会いをつくっています。総勢38社からコーディネートをしてくれる、郡内産地で昔から続いている繊維産業の現場を直に見て、作り手の思いを聞くことのできるバスツアー、年に3回開催されています。

ツアーの前日、贅沢なことにシケンジョの五十嵐さんに、これまでの郡内産地の歴史、織物がつくられる工程を学ぶ勉強会を開催していただきました!その翌日、D&DEPARTMENTに向けてアレンジしていただいた「山梨ハタオリ産地バスツアー」にdスタッフ総勢22人で向かいました。

まずうかがったのは「TENJIN factory」小林新司さん、貴子さんにお出迎えいただきました。NIPPON VISION MARKETでは、キッチンクロスやタオルをご紹介させていただいたり、定番商品「素材を楽しむカーテン HOME FABRIC」を製作していただいています。


「TENJIN factory」は、富士吉田市で 3代続く機屋さん。もともとはコートやネクタイの裏地のシルク地を織っていました。20年前から、当時では珍しかったリネンのキッチンクロスやファブリック製品を製作しています。リネンと聞くと、肌触りが固くてゴワゴワしているイメージがある方も多いと思いますが、実は質の良いリネンは、洗うごとにやわらかくなり、吸水率もあがるので、何十年も使いつづけることができるんです。ヴィンテージリネンのような生地を織るべく、30年前のシャトル織機入れ替え、部品を交換しながら使っているそう。工場に響く、カッシャンカッシャンというシャトル織機の音が印象にのこっています。

その次に伺ったのは、d47でも定番で販売しているネクタイを製作している「羽田忠織物」ファクトリーショップには、羽田さんの好きなバイクやポスターたちと600種類のネクタイがずらり。

「羽田忠織物」はもともと、OEMといわれるブランドから頼まれてネクタイ生地をつくっていましたが、8年前からオリジナルでネクタイを製作・販売しています。普段ネクタイをしない人でも、選びやすい羽田忠織物のネクタイは、紗織りと呼ばれる平安時代から続く織物の生地を使ってつくられています。工場には、織機の糸の動きを指示する紋紙が数えきれないほどならんでいました。

昼食に名物の吉田のうどんを「源氏」でいただいたあとは、「渡邉織物」へ。お祖父さんの代からつづく「渡邉織物」現在は洋服の裏地を織っています。渡邉竜康さんは、表現活動として写真や建築の勉強をつづけているそう。2年前からその表現に加わったのが、織物です。ブランドOEMで洋服の裏地を織る一方で、オリジナルのバッグやブランケットを制作しています。工場の一角には、オリジナルのバッグやブランケットが揃ったファクトリーがあります。


17年間、ブランドOEMで裏地を織り、織機の構造を熟知している渡邉さんがデザインした商品は、素材を面白く変化させているものが揃っていました。魅力的なバッグやストールに後ろ髪を引かれながら次の見学へ。
そもそも「渡邉織物」で織られていたキュプラの裏地。この糸はどのように染められているのでしょうか?そこで次に伺ったのは「妙高冨士染工場」天井から色鮮やかな糸が下がっています。

裏地の中でも最高級とされるキュプラ専門の染色を行う「妙高冨士染工場」キュプラの細さは髪の毛と比べると約6分の1と超極細で、デリケートな素材です。この糸を染液を噴射させながらムラなく染める染色機を使って、ダメージが少なく染め上げていきます。均一に染め上げる技術は30年のベテランの技ですね。

この日うかがった郡内産地の機屋さんはほんの一部、生地の産地は日本各地にありますが、こんなに近い距離感で職人の方ににお会いして、直接おはなしがきけることはなかなかない、とても贅沢な機会。富士吉田市に行ってみたくなった方は、週末に開催されているオープンファクトリーや、ハタオリマチフェスティバルがおすすめです。

今回のツアーでは機屋さん巡りの他に、ふじよしだ定住促進センターの赤松さんに、富士吉田市のまちおこしの取り組みがわかる場所をご紹介いただきました。製氷場をリノベーションしたイベントスペース「FUJIHIMURO」や、月江寺エリアの歓楽街だった「西裏地区」や「新世界乾杯通り」のむかしながらの街並みを堪能しました。

機織りや、まちおこしを通して富士吉田市には、まちおこし協力隊や、ふじよしだ定住促進センター、そして行政が職業の垣根を超えて同じ目標に向かってハタオリマチの魅力をつたえようと活動していました。織機の生産がおわってしまっても、質の良い生地を織るために部品を交換しながら使い続ける。産地の魅力を伝えるために、生地の組織や織機を熟知した職人がデザインもする。わたしがイメージしていた、質の良い生地を織り続けるというぼんやりとした生地産地のイメージが払拭されました。郡内産地のプロダクトを販売する仲間として、機屋さんの魅力を伝えてゆきたいと感じました。

そんなハタオリマチの秋祭り、ハタオリマチフェスティバルの今年の開催日は、10月12日(土)13日(日)の2日間。富士吉田はもちろん、全国各地のハタオリ産地の織物製品、雑貨、食べ物、全国から多様な出店者が集まるマーケット。ワークショップや織物工場見学ツアーなど企画ももりだくさん。D&DEPARTMENTも山梨ハタオリ産地限定のライフストック製品をご用意して、出店します!

そして、d東京店と山梨店でFROM LIFESTOCK連動企画を開催します。店頭では、群内産地を紹介する展示と共に、LIFESTOCK製品がずらりと並びます!みなさまのご来店お待ちしております。

FROM LIFESTOCK 2019 山梨郡内産地
東京会場  10月10日(木)~11月5日(火)
山梨会場  11月12日(火)~11月24日(日)

「ハタオリ大学 meets D&DEPARTMENT PROJECT」レポート①
■?ハタオリマチフェスティバル 2019 in 富士吉田
ハタオリマチのハタ印