アラジンのストーブ

私は、今は福岡に住んでいますが元々は東北の出身。

ストーブと言えば、雪でびしょびしょになった手袋や長靴を乾かすため、一番暖かい場所の熾烈な陣取り合戦が繰り広げられたり、おやつに餅やみかんを焼いたり、おばあちゃんのいる家では大体カルキだらけの鍋ややかんがちょこんとのっていて、もくもくと蒸気をあげていたり、おじいちゃんは夜になるとストーブのお湯で熱燗をつくって目の前にどっしりとあぐらをかきながら、耳まで真っ赤にして晩酌をしているものでした。

そんな北国では、冬の家族の団欒の中心だったストーブ。

まさか、福岡に来てまで使うことがあるとは想いもしませんでした。なぜなら、東北出身のわたしにとって、九州は南国だと思っていたからです。笑

冬が、そして特に部屋の中がとても寒い。なぜ、こんなにも寒さに無防備なのか。。。東北出身のわたしには命の危険を感じる信じられない事態。

昨年は最初そんなこととはつゆ知らず、エアコンだけに頼ったため体調があまり優れなかったので、今年は思い切ってアラジンのストーブを使ってみることにしました。

アラジンは、大体7~10畳くらいの部屋に適しています。私の部屋は、10畳強なので、秋口はアラジンだけで頑張れます。ただ、冬本番は、アラジンひとつでは足りないのでエアコンと併用。設定温度は、昨年はエアコンだけのときは暖房27度(寒い日はもっと。。。)くらいだったと思いますが、アラジンを使ってからはエアコン20~22度くらいとストーブで部屋を暖めて、十分に温まったらエアコンを切る。で、とても暖かくなります。

ちなみに、ある日の我が家のアラジンの様子。

まずは、朝。

朝食の食パンを焼きながら。冬の朝は薄暗いので、アラジンの青い炎がうつくしく際立ちます。

そして、昼。

やかんをセットしてお湯を沸かしながら、お掃除の合間などに一息入れたいときはこのお湯でコーヒーや紅茶を淹れます。寒い冬は、いつでも温かなお湯が沸いているとほっとします。

さらに、夜。

キッチンの近くに持ってきて、煮込み料理に利用。ガスコンロの火口がひとつ空くので、料理の効率があがって助かります。さらに、足下も暖かくしてくれるので料理中はとても快適。

こうして1日アラジンを使って気がつくことは他にもたくさん。

例えば、音も静かで、映画や音楽にこだわりのある人にも良いです。さらに風もでないのでホコリでくしゃみが出なくなったような気がします。ハウスダストに弱い方にも安心かもしれません。お部屋も、一度温まるとポカポカと長い時間温かさが続いていました。なによりカラダの芯から暖まるので心からほっとして過ごせます。

換気は、1時間に1~2回とありますが、私は寝るとき以外は基本的に窓を少し空けるようにします。窓のない部屋で使用する際には、一酸化炭素中毒の警報機なども市販されていますので併用すると良いかもしれません。

さらに、アラジンはタンクが小さいので給油は頻繁に行わなければなりません。

給油のお知らせの音は鳴らないので、逐一タンクの目盛をチェックします。灯油がなくなってからだと、空焚きのおそれがあり、中の部品に負担をかけたり、お部屋がすすで黒くなったりと、余計なお掃除が必要になってしまうので、なるべく習慣づけて半分くらい減っていたら給油するようにします。

とは言え、アラジン本体ごと運ぶのも、重たい灯油缶を持ってくるのもわりと大変です。

そこで、こういったオイルジョッキに灯油缶から1Lだけとか、持ち運べる分だけ灯油を入れて、アラジンまで運びます。これなら、比較的、楽に給油を頻繁に行えます。

さらに、点火方法も独特。電気を使わずに、自分でマッチやライターで着火します。

火をつけて、オレンジ色の炎から徐々にボッボッと青い炎に変わって行くようすを眺めるのは、毎回見ても飽きず、少し癖になります。

「調子はどうかな~っ」と、お掃除どきかどうかを炎の様子から判断しているわけですが、自分がちゃんと道具と向き合っているなと実感できる瞬間でもあり、すこし嬉しくなります。

余計なものはなく構造がとてもシンプルなアラジン。未だに60年代の旧式のアラジンが中古で取引されているのも、部品も比較的手に入れやすく、自分でメンテナンスしながら使い続けられるからこそ。手間のかかる道具ではありますが、自分次第で何十年も愛用できるストーブです。

東北出身のわたしが、冬に無防備な福岡のみなさまに強くおすすめしたい 。冬の頼れるのパートナーです。

※注意※
ヤカンや鍋を置いて使用する場合は、熱湯に十分ご注意ください。
本体の上面からはみ出すような大きな鍋、不安定なヤカン、フライパンなどは使用しないでください。