スタッフの商品日記 070 DOWN STOLE FROM LIFESTOCK

ダウン製造に適した土地で加工される『リサイクルダウン』を使用したストールDOWN STOLE FROM LIFESTOCK。使用しているダウンは、使わなくなった羽毛ふとんや着なくなったダウンジャケットなどを再利用したリサイクルダウンを使用しています。

つづく産業
『リサイクルダウン』を製造している河田フェザー株式会社は、D&DEPARTMENT三重店がある三重県多気郡にはあります。明治24(1891)年に東京で創業、戦後は名古屋に拠点を移し羽毛専業メーカーとして、羽毛一筋に歩んできました。
創業100年にあたる1990年、三重県多気郡に工場を移設しました。三重県多気郡には、高品質な羽毛の洗浄に適した水と気候がありました。1000年以上の長い年月をかけて水に溶ける鉱物を洗い流し、ミネラルをほぼ含まない超軟水と工場を構えた伊勢平野には、西側に位置する山々へ雨を降らせたあとの乾いた風が一年を通して吹きおろします。羽毛のホコリやアカなどの細部を洗浄するためには、この乾燥して湿度の低い気候が理想的な場所でした。この「水」と「気候」と河田フェザーが長年培ってきた経験と知識、洗浄技術は、ほかには真似のできない除塵力と洗浄力を兼ね備え清潔でキレイな羽毛を精製しています。河田フェザーに入荷した羽毛は、全て自社工場で精製加工しています。
羽毛原料は、食用の水鳥から産出された天然の副産物。これを精製してクリーンにした羽毛を「新毛」と呼びます。一方で、羽毛ふとんやダウンジャケットなどの羽毛製品を回収し、それらを解体して取り出した羽毛を再び精製加工したものが一般的に「リサイクル羽毛」と呼ばれています。回収した羽毛に付着したホコリやアカを徹底的に取り除き、きめ細かな超軟水で洗浄加工した清潔な羽毛は、高品質で安全、安心して再び使うことができます。
使わなくなった羽毛ふとんや着なくなったダウンジャケットの多くは、廃棄物として処分されています。フワフワとして柔らかいイメージの羽毛ですが、実は丈夫で、100年以上変わりなく使えると言われています。そのため羽毛は、製品に使っても適正に洗浄すれば、繰り返し使うことができる循環資源なのです。河田フェザーは、使い終わった羽毛製品を回収し、製品を解体して羽毛を取り出した後、洗浄します。羽毛は適正な処理をすることで、本来の機能(保温性など)が回復します。このように精製して清潔になった羽毛がリサイクル羽毛です。新毛と同じ工程で羽毛を洗浄し、さらに厳しい品質基準の試験をクリアして、再度、羽毛製品に生まれ変わることで循環する資源として活用しています。

オリジナル商品の開発
今年D&DEPARTMENT三重店オープン前にスタッフが商品視察として訪れた会社が河田フェザーでした。リサイクルダウンの可能性や河田フェザーの取組みに共感し、リサイクルダウンを使用した商品開発がスタートしました。ダウンを使用した製品と言っても、アウターやマフラー、ブランケットなどの様々な製品がある中、今回製造をされているモノマターズさんにマフラー、ブランケットなどのサンプルを数点作っていただき、検討した結果、最終的にストールの製作を決めました。ストールの幅はどうするか、長さはどうするか、ステッチはどうするか、また羽毛の量はどうするかなど、スタッフ間で意見を出し合い、モノマターズさんに助言をいただきながらながら完成しました。肩に掛けてそのままストールとして、幅を折りマフラーとしてなど着用する人がそれぞれのファッションや気候に合わせて着用方法を楽しんでもらえる様にと製作しました。

つづく仲間
ダウンストールの製作は三重県多気郡に本社を構える株式会社MONOMATTERS(モノマターズ)で製作しています。シャツやコートなどの布帛製品、Tシャツやスウェット、アウトドアウェアなどを中心に、国内外のブランドから信頼されるモノづくりを行っており、特にダウン製品は充填から縫製まで一貫で行える国内では数少ない工場です。


モノマターズでは、社員や工員は当然のこと、関係する各所、各人が継続して続けていきたいと思う環境、雰囲気を作っていきたい。そしてその輪(和)をひろげていきたい。と日々活動されています。ストールの表生地は、生地産地に眠るLIFESTOCKを使用しており、数少ない生地を活かし1点1点縫製していただきました。

今回使用したLIFESTOCK生地は、福井の合成繊維、静岡のベッチン、兵庫の先染めとそれぞれ特徴のある3つの産地の生地を選びました。
福井県 福井産地は、もともとシルク織物の産地でしたが、戦後、 合成繊維の開発へ転換し、合成繊維では 国内最大の生産量を持ちました。世界のデザイナーが注目するファッション素材からスポーツ衣料、建築や航空機などに使われる産業資材まで幅広く開発され、最先端技術が特徴。その中でも、今回使用した生地は、とても軽く、主にダウンウェアなどに使われる生地を使用しています。福井産地の生地を使用したダウンストール

静岡県 天龍社産地は、全国生産量の95%以上を占めるベッチン、コーデュロイの産地。パイル糸をカットし毛羽立てる製法は、手間のかかる製造過程や環境の変化により、製造技術の継承が危ぶまれています。今回使用した生地は、手触りがやわらかく厚手で光沢があるベッチンを使用しています。天龍社産地の生地を使用したダウンストール

兵庫県 播州産地は、国内先染め織物の70%のシェアを占めるシャツ地の産地。播州織と称される織物は江戸時代中期、京都西陣から技術が伝わり、綿花栽培に適していた土地で綿織物が盛んになりました。糸を先染めしてから織る発色が良いチェックを使用しています。播州産地の生地を使用したダウンストール