「d SCHOOL わかりやすい念珠」レポート

8月5日(土)に、「d SCHOOLわかりやすい念珠」を開催しました。
講師は、京都寺町六角にお店を構えて創業330年、数珠専門店の「安田念珠店」より岩城一之さんにお越しいただきました。

いつかは必要だと思っていても、なかなか購入する機会が少ない数珠。そもそもどのような意味を持ち、どのように使うものなのか。 今回は、お盆の前に改めて数珠について学び、実際に使うところまで実践しました。

まず、岩城さんに数珠について教えて頂きました。

数珠はもともとインドで生まれ、木の実をつなぎ合わせ、お経を読む回数を数える道具として使われていました。鎌倉時代頃には、一つの作法として身につけるものとなり、厄除けやお守りとしての役割もあります。

そんな中、安田念珠店さんは数珠は単なる道具ではなく、想いを“念じて伝えるもの”だとし、「数珠」ではなく「念珠」として一つずつ丁寧に作られています。


(安田念珠店 店内の様子)

念珠は、親玉、主玉、房、天玉、ボサ玉の5つのパーツで構成されており、宗派ごとに異なる正式念珠と、宗派を問わず使うことができる共用型の略式念珠に分けられます。それぞれの宗派の正式念珠は、宗派ごとのこだわりがあり、岩城さんの説明をみなさん興味深く聞いていらっしゃいました。

今回は共用型の略式念珠を作ります。
まず、主玉と房、そして玉を繋げる紐の色を選びます。参加者のみなさんは、ご自分用や、娘さん用に作られ、完成図をイメージしながら選ばれていました。

つぎに、親玉と、主玉、天玉、ボサ玉を順番に縒り紐に通していきます。

念珠の中心部にくる親玉は、左右と下方向の3つ穴が空いており、下から横へ糸を通す作業が難しそうでした。

全て玉を通せたら、縒ってある紐をほどき、四つ編みという結び方で編んでいきます。ここが念珠作りの肝で最も神経を使う部分です。
岩城さんのレクチャーを受けつつ編んでいきますが、紐のやり取りや、力の入れ方、指のやり取りが目で追えず、なかなか思い通りにいきませんでした。ゆっくり教えて頂きながら、丁寧に2束分編んでいきます。

編み追えたら、最後は房をつけます。紐に房を通し、房の芯に紐を巻きつけて糊で固定します。

そして念珠の完成です。完成までかかった時間は1時間程でした。ですが、職人さんは3分弱で作られていることをお伝えすると、みなさんとても驚かれ、このようなシンプルな構造で作られていることにも驚かれていました。

早速完成した念珠を持って、敷地内にある佛光寺を参拝しました。
案内役は、京都店を退職後、佛光寺の僧侶になられた小原龍樹さんにお願いしました。

基本的な念珠の使い方や、佛光寺の成り立ちについてもお聞きしました。

京都店では、安田念珠店さんが京都店にあわせて作ってくださった念珠を数種類販売しています。
いざというときに必要な念珠。そのときに買うのではなく、愛着を持って長く使いたいと思う、お気に入りの念珠を探して、身につけてみてはいかがでしょうか。