スタッフの商品日記 022 ヘビーキャンバスツールトート

経年変化を楽しみながら使いつづける帆布のバッグ

 

ヘビーキャンバスツールトートは、松野屋のオリジナルでつくられた帆布の丈夫なバッグです。職人が道具を持ち運ぶ鞄を元につくられており、内側と外側に大小合計9個のポケットがあります。マチも広いので持ち物がすっきりと収まり、口元には、ファスナーの代わりに丈夫なナスカン(金具)が付いていて中身の出し入れも簡単です。生地は、帆布の産地として有名な倉敷で織られた帆布を使用し、東京の鞄職人によって仕立てられています。

dで取り扱っているヘビーキャンバスツールトートは、ナチュラルと黒の2色。黒はD&DEPARTMENTの別注カラーで作っていただきました。帆布の丈夫な耐久性を持ちながら、普段使いの仕事でも使え、カジュアルさを抑えて合わせやすいよう黒を選びました。サイズはS、M、XLの3サイズ。S、Mサイズは普段使いから旅行用、XLサイズはクローゼットや車の中の収納としても使える幅広いサイズ展開が特徴です。

つづく産業

松野屋は、東京都谷中にある荒物屋。荒物とは、竹製のカゴやざる、トタンのちりとりやバケツなど昔ながらの生活用品のことを言います。全国に点在する産地へ足を運び、古くから変わらず続く作り手のものを取り扱うことで、作り手と買い手のパイプ役を果たしています。
国内外の生活雑貨を取り扱う中で、1995年にオリジナルブランド「スレッドライン」を立ち上げ、ヘビーキャンバスツールトートをはじめ、帆布を使った様々なサイズのバッグや、革小物を販売しています。

 

つづく仲間

ヘビーキャンバスツールトートに使われる帆布の生地は、岡山県倉敷市の丸進工業株式会社で織られています。130年にわたって倉敷で帆布をつくりつづける丸進工業株式会社は、分業で行われることの多い生地の製造過程を全て工場内で行なっています。
先日、丸進工業株式会社の工場にお邪魔し、帆布の製造過程をご紹介いただきました。


これは撚糸という工程。生地を織るための糸をつくります。
帆布を織るためには、強度が必要。繊維を重ねて撚ることで毛羽立ちの少ない、強い糸が出来上がります。倉敷で120年以上受け継がれてきた高度な糸撚り技術です。


生地は、現在では希少になった「シャトル織機」によって織り上げられます。1日あたり1台8時間で50-70m。時間をかけることで風合いのある生地が出来上がります。

 

お手入れ

綿100%の経年変化も楽しむことができる自然素材は、使い込み、洗うごとに生地が柔らかくなります。汚れが気になったら、バケツやタライに水をはり、たわしでごしごし擦ります。
帆布の生地の特性上、綿花に含まれるネップ(繊維の絡み合った節)から、洗うことで色素が滲み出て黄ばみになることがあるため、洗った後はぬるま湯を変えながら、すすぎを何度もしっかり行ってください。
ガンコな汚れには、中性洗剤で押し洗いを。洗濯機や乾燥機を使うと型崩れの原因になってしまうので、手洗いがおすすめです。防止策としては、あらかじめ布用の防水スプレーをかけておくことで、布をコーティングしてくれるので汚れがつきにくくなります。

 

お気に入りのポイント

レジ袋やショッパーが有料になったお店が多いなかで、いつもの買い物に使いやすい鞄のかたちを考えなおすようになりました。この鞄をひとつもって出かければ、底板が入っているので、重いものや傾けたくないものを入れても型崩れせずに安定して持てるので助かっています。
シャトル織機で織られた生地だからこそ味わえる経年変化を楽しみながら使いつづけようと思います。

 

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