スタッフの商品日記 008 野田琺瑯ホワイトシリーズ

末長く使える琺瑯容器の魅力

プラスチック容器は軽いので扱いやすく、同じサイズであれば未使用時に重ねて保管できる便利なものもあります。とはいえ誰でも、カレーの色が残ってしまった、キムチのにおいが移ってしまった、油汚れがなかなか落ちてくれない、うっかり電子レンジで加熱しすぎて変形してしまった…といった経験に覚えがあるのではないでしょうか。

そういった悩みを解決してくれるのが琺瑯(ほうろう)の容器です。琺瑯は金属の板にガラス質の釉薬をかけて、850度の高温で焼き付けたもの。鉄の丈夫さとガラスの性質を持ち合わせており、食品の保存におすすめです。以下は琺瑯製品の長所の一部です。

・食材や料理の風味と質を変化させにくい
・匂いが移りにくく、雑菌が繁殖しにくい表面
・酸や塩分によって変質しないので漬物やマリネに最適
・熱伝導率が良いので保温性や冷却性に優れている

2003年に野田琺瑯によって発売開始されたホワイトシリーズは、さまざまな形、大きさ、深さでラインナップ展開された琺瑯製品。デザインはシンプルで、温かみのある白色に統一されています。下ごしらえから調理や保存までできる琺瑯容器ならではの使い方も提案され、琺瑯が広く見直されるきっかけとなった製品です。シリーズのうち11種の製品は、2013年に『グッドデザイン・ロングライフデザイン賞』を受賞しました。

つづく産業
野田琺瑯株式会社は、1934年の創業以来一貫して琺瑯製品を作り続けてきた栃木県のメーカー。商品は全て国産です。ここは日本で唯一、全工程を自社工場でおこなっている琺瑯メーカーであり、材料の鉄板を加工するところから製品として完成させるまで社内で対応しているため、企画開発にスピード感があり、品質管理が一貫しておこなえることが強みです。

製品は、ひとつひとつ職人さんが手作りで作っています。必要な工程を全てこなせるだけの技術が身に着くまでには、10年ほどの年月がかかるそうです。野田琺瑯では10数年前から高校生を採用し、生産現場での人材育成に力を入れています。

つづく環境
野田琺瑯で製品づくりに使用している材料は鉄とガラス。プラスチック製品と比べ、環境への負荷が小さいと言えます。もちろん、工場排水は環境基準に沿った数値まで浄化して工場外に流せるようにしており、そのシステムのためにかなり投資をされています。
また、カドミニウムや鉛といった人体に有害な物質は一切含まれていません。過去には、ガラスに鉛を加えて艶を出したり、カドミニウムが含まれる釉薬を使用されていた琺瑯メーカーさんもあったようですが、現在日本では規制が強化されており、国が定めた規格に適合しない製品は販売できないことになっています。いずれにせよ、安全性を重んじるポリシーにより、野田琺瑯では使用する釉薬をしっかり厳選されています。

つづく暮らし
硬度が高く耐久性に優れた材質なので、適切にお手入れしていれば何年でも使い続けることができます。ただし表面はガラスなので、陶器のお皿やガラスのコップ同様に、落としたりぶつけたりしない注意が必要です。表面にヒビが入ってしまうと、下の金属面が露出して、サビが生じる元になります。なお、仮にサビが生じても、有害な物質は発生しません。

お気に入りのポイント
私は長年プラスチック容器を使い慣れていたので、最初のうちは重さが気になり、電子レンジで使えないという点もデメリットに思えました。しかし一度使ってみると、におい移りの心配がないことや、油汚れをすっきり落とせること、下味をつけるバットとしても調理器としても生かせる頼もしさなどがすっかり気に入りました。油性ペンでも拭けば落とせるので、直に字を書いて手軽に中身の表記ができる点も便利です。

 
電子レンジに入れられなくとも、冷蔵庫や冷凍庫から出したらそのまま火にかけて温められるので、思ったほど不便ではありませんでした(琺瑯製でないフタの場合は、加熱時に外す必要があります)。そのままオーブンに入れることも可能です。IH電磁調理器については、使用できる商品とそうでない商品があるので、IH対応マークが付いているかの確認が必要です。

容器には、専用のフタとしてEVA樹脂でできた「シール蓋」製のフタが付属しています。別売りとなりますが、用途に合わせて「琺瑯蓋」や、ポリブチレンテレフタレートとシリコーンゴムが使われている「密閉蓋」も選べます。

野田琺瑯の商品ページ