57 d愛知

ふるさと、愛知県知多郡阿久比町にd愛知として自分で店を立ち上げようとしています。物件は阿久比の昔からの風景を残し、伝えたいという思いから、機屋のノコギリ屋根の工場跡を探し、阿久比商工会青年部の応援も頂き、数件のノコギリ屋根を内覧。そして、一つに絞り、先日、その持ち主である方と面会、内覧。和やかに、ワクワクしながら場所を見ながら「ここは、厨房にしよう」「ここは、売り場に」と、勝手にまだ借りてもいないのに想像は湧き出していました。

機屋のほとんどは職住一体。朝4時から機械を稼働させる準備をして、夜は10時まで織り続ける。なので機屋工場にはトイレがなかったり、逆に従業員のためのまかないを作る台所が大きくあったりして、それも昔を物語る風景となっています。つまり、住居と職場が一体になっていることから、プライバシーゾーンの区分けがない。つまり、工場を借りるということは、その方の暮らしの中に入るということになる。今回、機屋の工場を借りることを決め、そこが大きく発見したところであり、今もそこがポイントとなっています。

1度目の訪問は、内覧。隅々までみて、徒歩20秒くらいのところにも40台ほどの駐車場を持たれている大家さんということで、この駐車場も借りられるとのこと。最終的には田舎で商売をするにあたってこの駐車場があることが大きく影響し、また、目の前にあるこんもりとした森が「ごんぎつね」に出てくる「権現山」であることもわかり、また、付近には阿久比で一軒だけとなって残る酒蔵もあり、一気に周遊するピクニックコースもみんなで話し合い、大いに盛り上がるのでした。しかし、そう簡単にはいきません。お母さんの納得を得なくてはならないからです。

1度目の内覧は息子さん(60歳)の立会いのもと、行われ、そのあと、家に上がらせて頂き、お母さんと初対面。SNSで集まった「チーム愛知」のみんなと僕というメンバーでお母さんの意見を聞くことに。

しかし、お母さんは終始、不安顔。それもそうでしょう。住んでいる敷地の一部を、いくら同じ町内出身だからといっても、他人は他人。不動産物件として、ここからここまでを貸し出します!!と言っているわけでもなく、お母さんの生活圏で、何やらよくわからないカフェ雑貨屋をしたいという54歳の男とその仲間たちという構図は、すぐにはもちろん、受け入れてはもらえず、1回目はご挨拶として終了。この時のお母さんの反応は「こんなところに人は来ないし、お金をかけても、うまくいかないと申し訳ないから」という様子。そして、次回までに「どう使いたいか」をスケッチしてくる約束をして退散。次回の面談に期待をかけ、帰りにコメダコーヒーで全員が反省会というか、お疲れ様会をして終了。その後、息子さんから「多分大丈夫です。話が進んで良かったです」と連絡が。SNSでそれを共有し、ますます期待は膨らむばかり。と、思っていたのですが・・・・・・・・。  つづく