TE「金属を染色してリングをつくる」レポート

1月21日(土)に神奈川県の金属加工メーカー、落合製作所が手掛けるアクセサリーブランド「TE(テ)」のリング染色ワークショップが行われました。講師に落合製作所の落合健一さん、雅子さんとアルマイト加工職人の岩崎政雄さんをお招きしました。

今回、リングの素材となるのはアルミです。アルミはそのままでは染料につけても染まりません。そこで必要になるのが「アルマイト加工」です。

アルミを電解処理することによって表面に被膜をつくる

その表面に孔と呼ばれる無数の小さな穴があく

その穴に染料が染み込むことで、アルミが染色される

今回はこの「染色」の作業を体験していただき、自分だけのオリジナルリングづくりを行っていただきました。

はじめに、参加者の方々にリングのサイズとシングル、ダブルのどちらにするかを選択して頂きます。シングルはシンプルな1連のリング、ダブルは大小のリングがセットになっており、大きなリングの内側にある溝に小さなリングがはまる構造になっています。大きなリングから色違いのリングが少し見えるのがとても素敵です。

さっそくお手本を見ながら染色します。アルミでできた針金でリングをすくい、そのまま染色液につけます。この時気を付けるのが素手でリングを触らないこと。触ってしまうとムラができてしまい、うまく染まりません。

染色液につけると、ほんの数秒でアルミが染まります。これには参加者の方々からも「お~!」と驚きの声。

また別の染色液へ入れることで、また違った色に染まっていきます。ワークショップでは、赤、黄、青、緑、金、黒の6色の染色を用意していただいたのですが、染色液につける長さやその組み合わせで色が大きく変化するため、その組み合わせは無限大。


この方法ではなかなか同じ色をつくることが難しいため、通常の製品をつくる過程では、つくりたい色の染色液をつくってから時間を決めて浸していくそうです。参加者の方々は微調整を繰り返しながら、思い思いの色に染色していきました。

染色が終わったリングは、約10分間熱湯につけて色を封じ込めます。本来は薬品で処理をするのですが、この方法でも十分に色が定着されます。染色されたリングを見比べて「その色はどうやって作りましたか?」などと交流し合う姿が印象的でした。

完成したリングは、参加者の方によって華やかな色から深い色まで様々で、個性がでてとても面白かったです。
私も体験したのですが、思っていた色にはなかなかならず、、、それでもとっても良い色に仕上って、アルマイトの奥深さを学びました。アルマイト加工はなかなか手間がかかる作業でもあるため、現在は職人の方がどんどん減ってきているのだそう。でも、金属の素材感を残しながら着色をするのは、吹き付けの塗装ではできない、アルマイトならではの特徴。この素敵な技術が長くつづいてもらえたら嬉しいと思いました。

会場では、「TE」のマグネット式ブローチも販売中です。


47 accessories 2 - 47都道府県のアクセサリー展 -
は、2月12日(日)まで。
今回ご好評だったこのワークショップは、2月4日(土)にも追加で開催が決まりました。なかなか体験できない内容ですので、ぜひご参加ください!