和歌山の柑橘「三宝柑」をまるごと味わうグラスデザート

三宝柑が栽培されているのは、和歌山県有田郡湯浅町栖原。柑橘づくりに適した温暖な気候で、畑は海岸に面した斜面にあります。

春らしい品の良い香りや、ぽこっとした膨らみの可愛らしさから、季節を伝える柑橘として愛されてきた三宝柑ですが、

江戸時代に城外への持ち出しが禁止されていたことや、皮が分厚くタネが多いため食べられる部分が少ない、果肉がパサパサになる「す上がり」が起こりやすいといった理由から、生産量の9割は和歌山で限定されています。(樹の部分ごとに果実をカットして、す上がりが起きていないか確認しながら、収穫を進めるそうです。)

そうした背景もあってか、栖原地区には、三宝柑に思い入れがある人が多く、桃の節句にはお雛様にお供えする家庭もあるそうです。

今回、有田でとれる柑橘の美味しさを日本全国に届けたいという思いから、果実を全国販売する「かどや」の北野拓さんを通じて、はるみ、はっさく、ぽんかんなど、冬の終わりに収穫した柑橘を送ってもらいました。

北野さんのおじいさんが栖原地区の出身ということもあり、色々とお話を伺うなかで、三宝柑は、元々産地が少ないうえに、栽培に手間がかかることもあり、生産者は年々減少し、生産量は10年で半分以下の493トンになったという現状や、見た目の可愛らしさが売りのために、外皮に傷がつくと商品価値が下がってしまうという現状を知りました。

分厚くて敬遠されがちな皮も、ほのかな苦味はありますが、柔らかいため、ジャムにするとよいアクセントになります。三宝柑の魅力を少しでも多くの方に知っていただけるよう、そのおいしさをまるごと味わえるデザートをご用意しました。

上から、三宝柑をまるごと漬けたコンフィ、優しく淡い三宝柑にレモンの酸味をプラスしたカード、三宝柑の皮まで使ったジャム、そして、みかんはちみつと三宝柑のジャムを少し加えた自家製ヨーグルトのムースの4層構造になっています。d47食堂にて期間限定の提供となります。爽やかな香りが紅茶ともよく合いますので、おすすめです。


左:柑橘スカッシュ/右:柑橘ホットエード

他にも、春の柑橘を使ったドリンクをご用意していますので、こちらもぜひお楽しみください。