山梨 郡内からうまれる織物

富士山の麓にある山梨県富士吉田市に位置する郡内産地は、江戸時代から続く一大織物産地です。江戸時代には「甲斐絹」と呼ばれる精巧な絹織物の産地として知られるようになり、1950年頃からは服裏地、傘の生地、座布団生地といった様々な織物に技術をひろげ、今ではネクタイの生産量日本一を誇ります。郡内産地は、時代の変化に合わせて、その時の生活に必要な織物に柔軟に答えてきた産地です。今回は、今も時代に合わせて変化し続ける郡内産地から、OEM生産から脱却しオリジナルブランドを立ち上げた先進的なメーカー2社をご紹介します。

 

1935年創業の「羽田忠織物」は、傘地、風呂敷生地の製造から、ネクタイのOEM生産を長く請け負ってきました。3代目の羽田正二さんは、「好きなものを作ろう」と自らデザインを手掛け、当時まだ地元でなかったネクタイのオリジナルブランドを立ち上げました。シルクをわざと短く紡ぎ、ツイードのようなざっくりとした風合いの「ジャガード織り」を中心に、シルクの柔らかく上質な質感が楽しめる「紗織り」などの多彩なネクタイを手掛けています。時間も手間もかかる「紗織り」のネクタイは、現在国内で唯一羽田忠織物だけが織ることができるネクタイです。

 

有限会社テンジン」も、羽田忠織物同様、傘や服の裏地の製造から始まり、3代目の小林新司さんによって、日本製リネンの先駆けとも言えるオリジナルブランド「ALDIN」を立ち上げました。ヨーロッパのヴィンテージリネンに魅せられ、その風合いを今に伝えたいという思いから、最新の機織機を全て手放し、昔ながらの織り機(シャトル織機)を導入。手間と時間を惜しまず、肌触りの良いリネンを作っています。今回の特集では、リネンのクロスの他、タオルやエプロンなど新生活に必要なアイテムを揃えました。

2社のものづくりから、幅広い織物を手がける郡内産地の魅力を感じてみてください。

山梨 郡内からうまれる織物

日程
2022/2/24(木)~2022/5/10(火)
時間
10:00~19:00 ※最終日は16:00まで
場所
D&DEPARTMENT TOYAMA Map D&DEPARTMENT TOYAMA

●お問い合わせ:076-471-7791(d富山店)

1935年創業の羽田忠織物は、繊細で高密度な絹織物を得意とする機屋で、ネクタイ生地を専門に織ってきた技術を生かし、オリジナルネクタイブランドを2008年に立ち上げ。「新しい季節に何をきて、どこに行こうかと考えること」からスタートし、そこから色や質感、サイズ、スタイルを具体化して、糸一本の染めから物作りをしている。
古くから織物産業の盛んな富士吉田市で三代続く「有限会社テンジン」。以前は、背広の裏地やネクタイを100%OEMで生産していたが、2000年に三代目の小林新司さんがリネンブランド「ALDIN(アルディン)」を立ち上げた。
お好みのリネン生地で、お部屋にぴったりサイズのカーテンをお作りします。普段は、ネットでのご注文ですが、催事期間中は、店頭に生地サンプルが届きます。触り心地や色味、透け感を直接ご覧いただきながらお作りいただけます。
¥5,940~