TORII Black and White Exhibition

『d design travel TOYAMA(※)』の中でキーマンとしてご紹介した貫場幸英さん。アートスペース「VEGA」や「Living Art」といった数々のプロジェクトを手がけ、地元富山から世界に向けてものづくりを発信されてきました。D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY 32回目となる本展覧会では、貫場さんが富山市のテラゾタイルメーカー「鳥居セメント工業」と共に取り組む、新たなものづくりをご紹介します。

 

テラゾタイルとは、セメントに石などを混ぜてつくる人工大理石のこと。道路やビルの床などに幅広く使われています。「鳥居セメント工業」では、公共建築に加えて美術館や高級ブティックなどの特殊な床材を手がけてきました。本展覧会で初めてご紹介する「テラクリエ」と「Tosteka(トスティーカ)」は、「鳥居セメント工業」がもつ技術を活かしながら、貫場さんの視点によって床材としてのテラゾタイルを器や家具・アート作品として進化させ、テラゾタイルの新しい可能性を提案しています。

 

テラゾタイルの常識をこえた作品が生まれた背景には、「アートと技術の融合」をテーマに活動を続けてこられた貫場さんならではの視点と、様々なオーダーに対応してきた「鳥居セメント工業」の高い技術力があります。シンプルに既存の素材と技術を活かしながら、人の生活を豊かにするという視点で発想された作品たちからは、テラゾタイルの可能性を感じるとともに、他のあらゆるものづくりがこれからも続いていくために守ること、変えていくことのヒントを示してくれているように思います。本展覧会では、テラゾタイルというひとつの素材から、ものづくりの楽しさと可能性を感じて頂けたら幸いです。

 

 

※)D&DEPARTMENTが作るトラベル誌。デザインの視点でその土地に長く続く個性・らしさを紹介する。

 

■ミニギャラリーツアー
ギャラリーをご案内しながら、作品の見所や、今回のプロジェクトがスタートした背景などをご紹介するミニ・ギャラリーツアーです。d富山店店長がご案内いたします。
・開催日:6月7日/14日/21日/7月5日/12日/19日
・時間:16時~15分程度
・参加費:無料
・定員:各回4名まで(感染症対策のため、ご了承ください)
・お申し込み:参加希望の方は、事前にお電話ください。(tel : 076-471-7791)

 

■Gallery TALK 配信
今回の展覧会をより楽しんでいただくために、ゲストトークや作品が作られる過程を現地から LIVE配信でお届けします。FacebookのLIVE配信でお届けしますので、D&DEPARTMENT TOYAMAのFacebookページに「いいね」をお願いします。
※過去の配信も、Facebookページからご覧になれます。

 

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<LIVE配信スケジュール>
vol 1:5月2日(土)15時~
貫場さん・鳥居さんのお二人をゲストにお招きし、ギャラリーの見所をご紹介するギャラリーツアーを配信します。
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vol 2:5月9日(土)15時~
「鳥居セメント工業」に伺い、実際にテラゾタイルが作られる工程を見せていただきます。
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vol 3:6月8日(月)12時15分~ ※天候の都合で6/1から延期いたしました。
本プロジェクトのプロデューサーである貫場幸英さんの本拠地「VEGA」より配信予定。貫場さんのものづくりに対する視点・意識を伺います。
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TORII Black and White Exhibition

日程
2020/4/16(木)~2020/8/2(日)※会期延長しました
時間
11:00-19:00(定休日:毎週月・火曜日)
場所
D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY Map D&DEPARTMENT TOYAMA

●お問い合わせ:076-471-7791(富山店)

主 催:D&DEPARTMENT TOYAMA
企画・監修:VEGA 貫場幸英
協 力:株式会社鳥居セメント工業、●▲■、STRIDE、ハマ企画株式会社
    株式会社山田写真製版所
後 援:北日本新聞社

テラクリエ
富山の雪から発想された「トリイホワイト」で作られたテラゾのシリーズ。テラゾの塊をシャープに切り取ったオブジェや、器として使える「FLAT」、箸置きやカトラリーステイ、さらに組み合わせて様々な用途に使えるラックなど、日常生活を豊かにするアイテムを提案。
テラクリエ Black
「トリイホワイト」で作られたテラゾの表面に、日本で古くから接着剤・塗料として使われてきた漆を塗り込んだシリーズ。漆を塗ることで、今までに見たことのないテラゾの表情が浮かび上がります。漆独特の経年変化も楽しんで頂きたい作品。
Tosteka(トスティーカ)
テラゾに強度を持たせる為に中に仕込む鉄筋に光をあて、家具として提案するシリーズ。テラゾ製品を影で支えた技術をあえて表に出した。木部はKAKI CABINET MAKERによる。
TORII Black and White Exhibition

VEGA 貫場幸英

1962年富山市生まれ。学生時代、アルペンスキーで全日本選手権8位を獲得。卒業後、家業の瓦工事店を継ぎ、職人の道を歩み、一級技能試験を富山県 1 位で通過する。その後、以前から興味のあった世界各国の建築やアートを巡った後に、「デザインとアートとスポーツの融合」を信念に掲げ、株式会社ヴェガを設立。故郷、福沢を基盤に「木と出会えるまちづくり」、「LIVING ART IN TOYAMA」などさまざまなデザイン・アートプロデュースに関わる。また、様々な素材を使って、リビングアーティストとして作品も発表している。近年は企業の新規事業のプロデュースを開始するなどその活動は多方面にわたる。

TORII Black and White Exhibition

株式会社 鳥居セメント工業

戦後まもなく、富山市五番町でコンクリート製ゴミ箱などを製造販売する個人商店として創業。その後、道路用コンクリート製品の製造販売を始め、昭和60年頃より現在の主力製品であるカラー平板(歩道の景観材)や建築材用タイルの製造も手掛ける。中でも人工大理石「テラゾタイル」は関東~関西を中心にJRや地下鉄のホームを中心に駅舎やデパートなど公共施設から商業施設まで幅広く採用されトップシェアまで成長。また、創業以来3000種以上の配合データの蓄積を有し、美術館や高級ブランドショップへのオーダーメイド品も多数手がける。平成29年より、プロデューサーの貫場氏とともに建築材料以外への可能性を求め、テラクリエ「フラット」や「TOWA」の製作やゲストハウス「サテラ」の整備などに取り組んでいる。

 

代表取締役:鳥居照子

1959年生まれ。日本大学商学部経営学科卒業後、鳥居セメント工業に入社。製造現場及び試験室に勤務。平成12年より代表取締役に就任し現在に至る。