栃木 益子のやきもの

栃木県の益子町は江戸時代より続くやきもの産地のひとつです。元々は水がめや火鉢、土瓶などの大きなやきものづくりが中心でしたが、1930年に民藝運動を推進したひとりである濱田庄司が「濱田窯」を開窯したことにより、食器や茶器といった、後に“民藝”と呼ばれるような“暮らしの器”の製作が始まりました。

 

益子はやきものに適した陶土が産出することに加え、50~70年代の全国的な民藝ブームもきっかけとなり、益子を目指す陶芸作家は増えていきました。現在も約250もの窯元があり、若手からベテランまで幅広い世代の作家の生み出す多種多様さは、益子焼の特徴のひとつと言えます。

 

今回ご紹介するのは佐々木康弘さん、鈴木稔さん、伊藤丈浩さん、そして濱田窯。それぞれが益子の土と釉薬を使い、伝統を継承しながら、日々、新しい世代への架け橋となるやきものを模索しつづけるつくり手です。彼らの器を通じて、益子の今に続く“暮らしの器”をご紹介します。

また、益子焼と関わりの深い“民藝”についての学びを深めるとともに、鹿児島のものづくりを通して益子のやきものを見ることで、土地の個性、地域やその土地の暮らしに根ざしたものづくりとは何かを考えるきっかけになれば幸いです。

栃木 益子のやきもの

日程
2022/6/2(木)~6/28(火)
時間
10:00~20:00
場所
D&DEPARTMENT KAGOSHIMA by MARUYA Map 鹿児島県鹿児島市呉服町6-5 マルヤガーデンズ4F

●お問い合わせ:099-248-7804(鹿児島店)

佐々木 康弘(ささき やすひろ)
益子の窯業指導所で陶芸を学び、独立当初より「益子焼」の定義を自身の制作に取り入れ、かつ現代陶芸としてのオリジナリティを追求し続けている佐々木さん。定番の三色掛け分けなど、益子の伝統的な釉薬と土を使いながらもモダンな配色の器を生み出す。

Instagram | @rokuroboys
鈴木 稔(すずき みのる)
1962年、埼玉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年より4年半、益子の陶芸家である高内秀剛氏に師事。96年に、益子町芦沼に築窯、独立。石膏型で取ったかたちや、特徴的な幾何学模様はどれも鈴木さんならではの魅力にあふれている。

Twitter | @minoru_wp
伊藤 丈浩(いとう たけひろ)
1977年、千葉県生まれ。益子の製陶所で勤めた後、渡米。帰国後2006年に益子で独立。スリップウェアと呼ばれる、化粧土で模様を描く技法の中でも特に精密で繊細な模様が特徴。モダンさと素朴さを併せ持つ新しい益子焼を提唱している。

Instagram | @itomashiko
濱田窯(はまだがま)
民芸運動の創始者のひとり濱田庄司氏が栃木県益子市に開窯。現在は、庄司の次男・晋作氏(二代目)、孫・友緒氏(三代目当主)が窯を運営し、濱田窯伝統の食器を中心とした製品を、変わらず世に送り出している。

WEB | 濱田窯
Instagram | @tomoohamada