小川寺の獅子舞モノグラフ

D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY 39回目の展覧会は、富山在住のグラフィックデザイナー・宮田裕美詠さんによる企画展です。今回、宮田さんが取り上げるテーマは、富山県魚津市にある小川寺地区に伝わる獅子舞です。富山県内に多数残る獅子舞の中でも、小川寺地区に伝わる獅子舞は、県内でも珍しく神仏混淆の古い形を残しています。また、獅子のほか、天狗や「ビッチャル」「クソタレ」「アネマ」と呼ばれるこの地域だけに伝わる独特の役があり、その厳かで魔術的な舞の雰囲気に魅了されたと宮田さんは話します。口伝のみで伝わるその文化を未来に伝えていきたいと、2年にわたる取材を経て、祭りの記録を1冊の本にまとめました。今回の展覧会では、その記録をご覧いただきます。

 

観光化された祭と異なり、地域の慣習として今も淡々と受け継がれる小川寺の獅子舞。祭り当日の様子だけでなく、準備から祭りの後まで追った丹念な記録からは、祭りが1年を通して地区の人々の生活にある様子が伝わってきます。同じ場所で暮らす人々が、世代を超えて1つの祭りを作っていく記録は、長く続いて行くためのヒントを写しているようにも感じます。豊富な記録を通して、長く受け継がれてきた文化の魅力を感じていただければ幸いです。

 

小川寺の獅子舞モノグラフ

日程
2021/9/1(水)~11/7(日)
時間
10:00~19:00
場所
D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY Map D&DEPARTMENT TOYAMA

●お問い合わせ:076-471-7791(d富山店)

主 催:D&DEPARTMENT TOYAMA
企 画:宮田裕美詠
協 力:STRIDE、ハマ企画株式会社、株式会社山田写真製版所

『小川寺の獅子舞モノグラフ』
展覧会でご紹介している「小川寺の獅子舞」を記録した1冊。文=広瀬徹也 写真=室澤敏晴 イラスト=井上音布 デザイン=宮田裕美詠
2300円(税別)。限定600部。D&DEPARTMENT TOYAMA、他富山県内書店にて販売。
小川寺の獅子舞モノグラフ

宮田裕美詠

グラフィックデザイナー。富山市出身&在住。有限会社クロスを経て2002年よりフリー。STRIDE主宰。主な仕事に、D&DEPARTMENT TOYAMA GALLERY 告知物、五郎丸屋「T五」、千代鶴酒造「恵田」、河内屋「北陸のかまぼこ5品」、つりやVI、SAYS FARM VIなど。主な受賞に、富山ADCグランプリ、第52回富山県デザイン展・県知事賞、第21回CSデザイン賞一般部門グランプリなど。

 

<展覧会に寄せて>

小川寺の獅子舞は、春と秋、年始などに行われていて、一緒に登場する、天狗、ビッチャルとクソタレ、アマネもとても魅力的。まずその衣装に一目惚れし、そして、それぞれに舞う独特の動きに魅了されました。興味は次第に、どうしてこの祭りが続いてこれたのか、どんな人たちで行われているのか、神と仏の祭りを一緒に行っているその魔術的な空気感!と、どんどん興味が湧いてきました。この富山で生き続けてきた小川寺の獅子舞。その魅力を知っていただくきっかけになればと思います。