大人の自由研究 虎印の手廻計算機

2010年8月16日 00:36更新

お客様が、「おもしろいものを持って来たよ」といらっしゃいました。
持って来て下さったのはこれです。
IMG_0363.JPG

何かお分かりになる方は少ないかもしれません。

電卓 の生まれる前の、計算機。
手廻計算機です。
数字を手動で動かして、掛ける数分、レバーを回したり、割る分だけ逆にレバーを回したりして、計算します。お客様が実際に回しながら、使い方を教えてくださいました。

大正のはじめ、当時としては周到な需要調査を行い開発された「虎印」メーカーの計算機。売れないだろう、、という予想どおり、はじめあまり需要はなかったようです。加えて当時日本製の機械というのは品質や機能の信用性は低く、「虎印」を「TIGER BRAND」と変えて、日本製であることも隠しながら販売していたそうです。

関東大震災が起こって建設ラッシュとなるとこの計算機の需要は高まりますが、その後の歴史をみても、あまりヒットの過去はみられません。しかし工場や建設の現場など、確かな計算が必要な場面では、とっても働きものだったことでしょう。算盤や筆算では時間のかかる、大きな数やルートの計算も、この計算機はカチカチ、ぐるぐる、チン!とすぐに計算してくれるのですから。

この計算機は、三島の工場で使われていたようですよ。

IMG_0365.JPG

お客様の持って来てくださったこの計算機は昭和24年から販売されていたもの。
当時の価格は28,400円。同じ頃公務員初任給が5,000円前後だったと聞きます。高級品だ、、。

その後、昭和39年にはトランジスタ式の電卓が発売され、41年にはICチップが入った電卓が世に出ます。
そしてこの計算機は、昭和45年に製造を完了したのだそうです。

私が生きた30年の中でも、電卓の数字が緑色のランプで、分厚く、単三電池を入れるものだったのが、白黒の表示に太陽電池のカード式に変わっていきました。
私達がこどもの頃つかっていた「ふつう」は、過去の歴史にいつのまにかなってしまって、もう手に入らなかったりするし、私達が今目にしても使い方がわからない、過去の「ふつう」もいっぱいあります。

夏休みは自由研究の季節。
お父さんやおじいさん、そして息子と、そんなモノの話をしたら、新たな発見がたくさん出てきそうです。お盆休みで故郷に帰って来ているのならば、一緒に押し入れや蔵を探検するのもおもしろのかもしれませんね。

※こちらはお客様の私物で、D&DEPARTMENTでは販売しておりません。Kさん、色々とお教え頂き、ありがとうございます。

D&DEPARTMENT PROJECT SHIZUOKA by TAITA 森千夏



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