金沢21美トークショーレポート

2010年12月15日 12:42更新

12月11日(土)金沢21世紀美術館で秋元館長とナガオカケンメイのトークイベントを開催しました。
会場は満員。100名を超す多くの方々にお集りいただきました。
今回も講演内容全部掲載です。



ナガオカ: 僕はグラフィクのデザイナー出身ですが、物にもファッションにも興味があります。
今、デザイン業界は、デザインを過保護にしすぎていると思います。 今回の展示で一番見て欲しいのは、
環境問題でダンボールみたいに回収して資源に戻れば良いという発想ではなく、 長く使えるもの、
ごみのように一見、見えるものでも、なぜ大切に使えなかったのか、というところです。

秋元: デザイナーというのは、デザインする人。コップのいい形をデザインしたり...
そのイメージとナガオカさんのやっていることはだいぶ違いますよね。

ナガオカ: はい。自分でデザインしたものは殆ど無いです。 世の中のゴミはデザイナーが作ったもの。
形のあるものを生まないという方向も探らないといけないと思っています。
企業が年に6、7回、新商品発表会をしなくてはいけないことがデザイナーの仕事になっているのは
良くないな、と思っています。

秋元: 消費をしているから次々に新しい物が生まれるサイクルですよね。
ナガオカさん自身は作らないけど、流通の過程自体も疑いつつ、リ・デザインされていますよね。

ナガオカ: うちの親父が引退して畑を始めたんですけど、調べるうちに土の中に農薬の成分が
ある状態で農薬を撒かずに育ててもそれは無農薬にならないんです。 土をまず浄化しないといけない。
自分のいるデザイン業界にあてはまるなぁ、と。 デザインが生まれる土壌をちゃんとしないと、
上に生えてくるデザインがちゃんとならない。 まず、土から考えないといけないと思いました。
正確にはデザインをしたい将来のために、まずは土作りからやっています。

秋元: 今みたいなスタイルで土壌改良に興味を持ったのはいつ頃ですか?

ナガオカ: 35歳ぐらいからですかね。お店を始めた当時は「スタイル」でした。
 お金がなかったのでリサイクル屋をまわり、物を選んで、デザイナーが
リサイクル屋をやったらどうなるかな...というのから始まりました。 そのうち、
あの話題の洗濯機がもうリサイクル屋に並んでいるとか、思うところがあって、
それから物のデザインにのめり込んでいきました。

秋元: 今回の展示は3期にわけてますよね。今、2期で非常にキレイな段階です。
最後はこれを売るという展示ですね。

ナガオカ: 美術館には非常にいろいろと悩ませてしまって...。
美術館でもの売っちゃいけないんですよね。 僕はデザイナーは能天気に形をつくるだけでなく、
売ることまで考えるべき。 形がついたものはゴミになるか、お客さんがお金を払うか、
2択であるという提示をしたかった。 古物商の免許を持って入れる業者向けのリサイクル屋さんと、
普通の一般向けの冷暖房も付いているショップとしてのリサイクル屋さんという
2種があるのですが、1期では、前者のリサイクル屋を表現しました。 これはゴミ、これはゴミじゃない、と
拾い上げていく。 あの状態よりも、もっとひどい状態のリサイクル屋は沢山あります。倒産整理品とか
ダンボールが腰まで積み上がっているような。

秋元: 観念的な展示でなく、実際にあるってことですね。

ナガオカ: 僕らにとっての現実でもあるし、皆さん生活者としての展示としても見れるんです。
ゴミと思えばゴミだし、違うと思えば違う。

秋元: 消費社会のギリギリのところですね。

ナガオカ: それをお店のように一旦、棚に収めようと。 何か足したり引いたりせず、
キレイに整理した状態が2期です。 リサイクル屋で仕入れをしながら、例えば
Gマークのシールが貼ってあったりすると、 なんでこんなところでこんなかわいそうな
死に際を迎えなきゃいけないんだと、 シールがついていたらどんなリサイクル屋さんでも、
もっと価値があって欲しいと思うんです。

秋元: 今の状態になって、第3期はいよいよ扉を開けて、ショップになろうと。
物の生き死に、というか両極を展示を通して見るということですね。

ナガオカ: リサイクル屋をやっていて痛快なのは、みんながゴミだと思っている
泥まみれのグラスをキレイに洗って並べるとあっという間に売れていくんです。
明日から東京からスタッフがきて、1個1個リペアをしていきます。で値札をつけて売っていきます。

秋元: ちょっと骨董の世界に近いですよね。 骨董屋さんの場合は分業が進んでいるので、
いくつもの業者さんが入りますが、基本的には同じ構造ですよね。

ナガオカ: このお店を始めるときに、新聞社の人に「この本読みなさい」と言われたんです。
それが骨董屋についての本だった。 「お前をもっと価値がある。この値段でもう一回、
世の中に行ってこい」ということ。

秋元: 価値を発見するというより創り出すことに近い。 非常にクリエイティブですよね。

ナガオカ: 「願い」ですよね。 「お前こんなにデザインいいんだから、
この値段でいいんだよ」みたいな。

秋元: デザインを成り立たせている消費社会というのが背景にあって、
背景なので意識せずに物の善し悪しを選んでいるけど、 ナガオカさんが
後ろにあることを前に持って来ちゃってますよね。

ナガオカ: なかなか成立しませんよね。

秋元: リハビリセンターみたいなものですね。デザインの。

ナガオカ: なのでそういう活動をこういうところで展示させてもらって本当に嬉しいです。
この前、ある会社を取材したのですが、正しいことをやっていると、何か怪しい宗教みたいに
見えてくるという感覚があって。僕のも同じかも、と思いました。商売がベースではなく、
「世の中、こうあるべきなんじゃないか」というのがスタートなので、
「あなたたち、何がやりたいの?」とよく訊かれます。

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秋元: 合理的な社会の仕組みに寄り添っている時はないけど、「こうあるべきだ」と示すと
そう言われるかもしれませんね。 ナガオカさん自身についてお話を聞いていきたいんですが、
ずっとデザイナーなんですよね。

ナガオカ: クリスマスプレゼントにサンタに頼んだのがIDEAというデザイン雑誌。
親父と解っているサンタさんはそれをくれました。 中学の時に本屋でずっと立ち読みしていた本で、
その号にたまたま日本デザインセンターという名前が連発で掲載されていたんです。

秋元: 日本のデザイン界をつくったすごい人達が出ていますよね。 横尾さんも、田中一光さんも。

ナガオカ: もともと国策で作られた会社なので...そんな会社に憧れていたんです。
縁あって、入れたんですけど。 僕はスーパー裏口入社で(笑)。朝日広告賞を受賞して、
一緒に組んだコピーライターが先輩に知り合いがいる、と。 それが原研哉さんで、そこからすすっと(笑)
かなり影響を受けて、4年位いて飛び出したんですが。僕は会社に内緒で会社をつくって、
その頃はまだこんなに大きな携帯電話持ってて、それが問題になって会社の会議にかけられたことがある。
 「勤務中に携帯電話持っているのはいいのか?」みたいな。今では考えられないですけどね。

秋元: その頃から今の兆しはありますよね。

ナガオカ: 当時、デザインの現場という雑誌で連載をしていて、世の中の仕組みを
シュミレーションする企画だったんです。その当時デザイナーが企画展をして会場構成したり、
協賛金集めたりという動きはなかったんですね。で、自分でも展覧会やってみたいなと思って、
モーショングラフィックス展という映像の展覧会を開催しました。 CMの最後に1秒位で動く
企業のロゴを集めた展覧会です。 当時はモーショングラフィックスという名前すらなく、2Dで
デザイナーが作ったものが映像となって動くことにすごく興味があったんです。 当時はすごく
暇だった吉岡徳仁に会場構成をしてもらって。

秋元: その頃、私は直島にいて、三宅一生さんのツイストという展覧会を準備していたのですが、
彼が毎日徹夜して会場つくってましたね。

ナガオカ: 僕は目の前で大きくなっていく2人を見ていて、こういうことにこだわると
こうなっていくんだというのを目の前で見せてもらったんです。 原さんは企画書つくると
「角をとれ」と。数ミリ角を落とすんです。 最初は何をやっているのか解らなかった。
なぜやるのかきいたら「怨念を込めるんだ」と。そうすると気持ち、エッジが取れて...
気のせいかもしれませんが。 郵便物を出す時とか、ファックス送る時とかは本当に大変。
切手の選び方、貼り方、貼る場所、宛名の書き方、相手が開けた時の想定、割れ物の梱包の仕方とか。
届いた郵便物の梱包がなってないと封を開けずに捨てたりもする。 届いたDMを触って、
その紙の質感で展覧会の内容を判断しちゃう。そういう世界でしたね。
原さんは、全国の役場の報告書のフォーマットを作り変えたがっていました。
「これがダメだから日本人は荒んでいくんだよな」って言ってました。

秋元: 僕はナガオカさんはアイデアの人、コンセプトの人、と捉えていますが、
デザイン的な部分も非常にこだわっているんですね。

ナガオカ: デザインは主張しちゃいけないと思いますが、影響は受けていますね。
お店をつくる時に、DEAN&DELUCAの影響を受けました。 あれはデフォルトの書体なんです。
 ぱぱっとでてくるものがあれだけのポテンシャルを持っている。
 「ロゴでブランドを救ってもらうな!」というブランドを見て自分もそうなりたいと思いました。
今の時代は、根底にあるデザインに対する考え方にしっかりとした企業が依頼している。
デザイナーの作家性というよりも、世の中をしっかり知っているデザイナーに発注がきている
ということだと思います。 デザインが主張しすぎているものはトレンドと絡まってきやすいので、
どうしてもゴミになりやすいと思うんです。みんな息の長いロングライフデザインを
つくりたがっています。 40〜50年もスタンダードになったデザインって何が理由か、
とデザイナーにきくと「それはデザインがいいからだ」と答えます。 10種類の総合競技で
あってそのうちの1つがデザインでしかない。ぼくは残りの9個にとても興味がわいたんです。

秋元: 良いデザインをつくるというのは、デザインそのものの良さが
際立っていればいいということですか?

ナガオカ: デザインが良いだけではダメです。

秋元: いけてるデザインとは別に、どんな条件があるんでしょうか?

ナガオカ: 例えば生産者に愛があること、価格が適正とか、売り場がしっかりと
愛情を持ってあるとか、最新機能を売りにしない、トレンドを取り入れないとか...

秋元: 形をデザインするだけでなく、企業の生産体制まで
デザインしないといけないということですよね。 先日、ヨーロッパで車のデザインを
ずっとやってきて、日本に帰ってきたら浦島太郎状態だという話をききました。
発注する側の企業の姿勢、リテールの体制など一貫して哲学というか、
愛がないといけないと思うんです。日本の企業のある発注を受けたらしいんです。
そうしたら「儲かるデザインにしてくれ」と言われたと。 上司から売れる車を作れといわれたことは
一度も無かった。エレガントな車をつくれとか、そういう指示はあったけど、
それらは哲学を反映した指示だった。そういう哲学の無さに耐えられないと彼は言っていました。

ナガオカ: 解ります。土を浄化したいという気持ちになったのは、企業という発注者が
どういう意識でデザインを捉えるかによって、国そのものも変わってきますよね。
僕はいちデザイナーとして生まないと決めた。 D&DEPARTMENT PROJECTは、
仮説としてデザインの百貨店を作る練習という意味なのですが、
百貨店って本来は立地の悪い場所で作られたすごく良い物を、立地の良い場所で
紹介してあげることだったと思います。 PROJECT = 「練習」ってつけているのは
ロングセラーになった物、時間が経った物を扱うお店をやってみようと。
メーカーの対応とか、修理体制とかに対して企業姿勢がでてきてしまう。
そういうの勉強させてもらっています。

秋元: 結局、彼は今、都市デザインをやっています。 電気自動車の時代になったとき、
グランドデザインも必要になってくるというので。 日本でコマーシャルを見ていて驚いたらしいんです。
 車の大手のCMで、最初から最後まで1回も車が出てこない。 ちっちゃいなんとか店長が出て来て
「補助金が使えます」みたいなものしか言わない。 それでコマーシャルが成り立つというのが
すごいなぁ、と。 アウディのジャンプ台のところを逆走してあがっていくCM、日本人にとっては
気恥ずかしいぐらいですが、 車のディティールや美しさ、力強さまで全て見せていましたよね。

ナガオカ: 「減税補助金も!」だけで車を買わせるってすごいですよね。

秋元: 消費社会としては行き着く所まで行っている。

ナガオカ: お金が得だというだけで、200万もするものを買い替えるってすごいですよね。
僕はメーカー希望価格という言葉が大好きでした。 今はオープン価格でしょ。売り場に
価格を委ねている。 作り手の事情は関係無しに価格を決めるんです。 メーカーには
それなりの希望価格がないといけないと思うんです。 それがないと継続もしない。

秋元: お金を使うということと、ものを手に入れることがちぐはぐになってきてますよね。
昨日たまたまお茶をやっている先生にお茶について伝えるレクチャーをしてもらいました。
 レクチャーの始まりはペットボトルと紙コップから考えようとスタートしました。
扱いはぞんざいになるんですよね。そういう物の中に囲まれてやっているのと、
茶碗がでてきて水差しがあってみたいなのと、物に対する配慮が全然違ってくるんですよね。
囲まれている物との関係の中で我々は価値観をつくりあげているものもあるので、
捨てることにも慣れきっちゃっていますよね。

ナガオカ: 価格というものも新しい感覚になり始めています。
 「そういうものでいいんじゃないの」ってことになっている。 第3期では
値付けというものにこだわりたいし、やっぱり販売したかったんです。 お金を稼ぐには
人格いらないけど使うときには「らしさ」がでます。お金を払って物を買うというのは
最高の支援だと思っています。 良い買い物すると心の中にも得るものがあるし。

秋元: 昔、友人の大金持ちのコレクターに言われたことで
金を稼ぐのは難しくない 使うのがむずかしいんだ
どう使っているか、というのもちゃんと見るべきだと、言ってましたよ。

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ナガオカ: 1時間経っちゃいましたね。 何回か打ち合わせさせていただいたときに、
お互いに仕組みについてとても興味があったんですよね。 世の中こうあるといいな、と考えて

秋元: 誰しも具体的な仕事を持ちます。 ナガオカさんならデザイナー、僕なら美術館の仕事、
1つの専門的な仕事を掘り下げているだけでは、どうもうまくいっていない気がするんです。

ナガオカ: 若い人が畑やり始めたり、日本を考え始めたり 危機管理能力が働いて、
ヒルズ族のようなことが豊かさではないと思ってきている。 ああいうふうになりたいな、
という時代もあったけど実は違うのでは、と。

秋元: まじめに仕事をやっていくしかないけど、その延長に社会が幸せになると思えない。
支えている仕組み自体が上手く機能していないな、という感がある。

ナガオカ: 東京なんて本当に機能しなくなってきています。 クリエイターが浅草方面に
移動し始めていて、刺激的には東京以外の場所にある。

秋元: 私は35歳まで東京にいて、なんで地方に移ったかというと、バブル真っ最中で
このままいくと自分がどういう場で生きているのか解らなくなっちゃった。 このままいたら
一緒に狂っちゃうんじゃないかって。 でもだいぶ落ち着いてきましたよね。定期的に
出張に行くと東京も変わったな、意外にしっとりしてきたな。と。

ナガオカ: 僕も鹿児島に行くと感じる自分の土地を愛する気持ち、大好きですよね。金沢もそう。
 「会話の中に金沢らしいでしょ」 と出てくる。東京とか名古屋の人はそんなこと言わない。

秋元: 一時は東京を中心に日本の地方があったけど、今はもっと都市それぞれの
キャラクターがでてこようとしているところですよね。

ナガオカ: 先日、金沢21世紀美術館で見た生活工芸の展覧会は相当ショックでした。
昔、民藝や工芸というとスタイルが決まっていて モンペ履いて、麻のショール巻いて、
手作り靴履いて...みたいな。 でも今ってコムデギャルソンで働いていた人が
世界的なマーケットを解った上で地場に帰る。 それが相当かっこいい。そういう人達が
この前ここに集まっていて、かっこいいと思いました。 らしさが自分のふるさとにあって
よかったな、と思いますよね。 それをクリエイションに変える時、圧倒的な強さがある。

秋元: 金沢にきて改めて強く感じるのは、土地の歴史性というのはすごい重要で、
暮らし&歴史みたいな事はすごく大切だと思います。 消費社会の中でどんどん捨てていった後で、
もうそういうのよくて、もう少し長い時間の中でやりとりをしたくなってきていると思うんです。

ナガオカ: 昔はデザイナーズブランドブームでマルイでカードつくって、
ローン組んで買う時代だった。今は買えるものを買う。価値に関係なく、
短期勝負の生活をしすぎたと思います。 若い人は免許も取らないし車もいらないっていうし、
産業的には困るけど、なるようにしてなっているのかもしれないですね。



ここからは質疑応答です。

Q.大学でデザインの勉強をしています。ナガオカさんは高校生の時から
興味があるデザイナーのひとりです。 大阪にお店があると聞いて、すぐに行って、
学生では高くて買えなくて唯一買えたのが200円の箸置きで2個買いました。
 お家がお金持ちでもなく、親もデザインに興味ないし、Gマーク知らない人もいるし、
デザインに興味ない人は本当に興味がない。私は教育から見直さないといけないのでは、と思っています。
価値観を変えることが本当にいいことなのか、考えていて解らなくなっています。

 A.
ナガオカ: 僕の店は高いわけではありません。ただ値引きをしていないだけ。
だから安く売っているところは他にもいっぱいある。 だからこれが日本人から
支持されなくて、倒産したらそれでいいと思ってやっています。 安さではなく、
メーカー希望価格で販売しています。 教育にはとても興味があって、D&Dゼミを
桑沢でやったこともありました。学校教育ってかわいそうですよね。生徒がたくさん欲しい学校、
集まってきた学生は就職しなくちゃいけないという価値観。 就職できないとダメな人間みたい。
そういう環境で、学べるのかなって。 自分の店で勉強会をやっているんですが、売り場が
教えるってのがいいかなと。売り場の学校みたいなことをやっています。

秋元: 教育だけの専門機関ではなく、自分も活動して学び直すとか
そういうやりとりができるといいですよね。 現場があって勉強会があるってのは健康ですね。

ナガオカ: 産学とかあるけど、それが生まれたものをどう売るか、というのが欠落していると思います。
デザイナーが売る売るいうと、そんなにお金が好きなのか、とか言われるけど、そうではなくて
定価のつくものを作っている以上、そこのコミュニケーションをどうするかはすごく重要で、そこに
ヒントがあると思っています。



Q.江戸の暮らしについて興味があって、リサイクルもあったりフリーターもいっぱいいたし、
いろいろ面白いシステムがたくさんあったときいて、 日本の昔の暮らしや文化で興味のある
システムはありますか?

A.
ナガオカ: 東京以外の場所にいくと、色々地域のルールがあって感じることが沢山あるので、
もうちょっと若い時にやっておけばよかったなーと思います。 25歳位まで放浪して、いろんなものを
見ればよかったな...と。

秋元: ま、今、放浪しているようなものですよね...



Q. 骨董品と美術品の違いの定義があれば教えていただきたいです

A.
秋元:
基本的には変わらないでしょうね。美術館や博物館は西洋から入って来た区分け。
骨董品はもともと日本にあるものの残し方。 かぶっているけど微妙に心持ちが違うものです。

ナガオカ: 僕の世界ではストーリー性の違いですかね。 おばあちゃんの形見みたいな
ストーリーがないものは捨てやすい。 骨董の世界ってそのストーリーをいかに価値化するか、
だと思います。



Q. 富山から来ました。地方が豊だとあまり思えず、車がないとダメだし、ジャスコ的な場所が
すごく力を持っている。大型ショッピングモールの中にD&DEPARTMENTが入るのは
やっぱりありえないですか?

A.
ナガオカ: 大型ショッピングモールは、日本人の平均的な欲求の固まりですよね。そこに入れるかなぁ。
僕のお店は商売として本当に成立していない。 うちにきて定価で買う人は相当変わっていると思います。
その買い物に対する意思は気持ちのいいものだと思うんです。 便利で安くスピィディーに、となると
それが豊につながるのか? と思う。 地方の欲求を満たす買い物って、必要なものを買うという買い物
ではなく、何とも言い難いですよね。

秋元: 消費経済を徹底していくと、ほぼ町は解体していきます。 バイパス整備して車で行けるようにして、
郊外に巨大なショッピングモールをつくる。 その破壊力はすごいと思います。 ですが、そのサイクルにも
限界があるので、本当にそのビジネスが継続するかは解らないですよね。 数字を上手くつくれる奴らが
スーパーヒーローになっていくみたいな時代もあったけど、 それだけでは嫌になってきているんですよね。



Q. 今年はのGマークではAKB的なものが賞を受賞していて、 新領域としてやっていることは
面白いけど、どうなのか、と思うところがありました。 「エコ」や「畑」や「ロングライフ」がひとつの
ブームになっちゃってブームが去ったら興味が無くなり、 そのもの自体が無くなってしまうのは、と。
流行になってしまうことについてどう思いますか。

A.
秋元:
確かにそういう部分はあると思います。 なんとなくみんながわーっといくからいく。
でも不思議といつも少数派の人はいて、その中でじりじりものごとが動くこともあるので。
自分がどっちが良いか、でいいのではないでしょうか。

ナガオカ: エコですらこれはトレンドですよね。それをきかっけに関心を持つことはいいことですが、
確実に消費されてしまう。 自分が45歳になって、年齢とともに素直にどう生きるか、という関心が
高くなっている。 学生に良く「学生の時に何をしていましたか?」と質問されるのですが、
学生の時にしかできないことがあるんだから学生らしくするのがいいと思います。20代の時は20代らしく
訳のわからない買い物をすればよい。 30代になって社会人の仲間入りした気になり、
40代になってこのままじゃまずいよな...と気づく。 だから20代の時に40代のような考え方をするのは
無理があるし気持ち悪い。 自分の年で相応に思えることを突き詰めればいいと思いますよ。
北欧になりたがる日本みたいなもので、なりたければ北欧に行ってください と思います。

時間になりましたのでこのあたりで終了になります。
 第三期はドアを開けまして実際に販売を開始します。 D&DEPARTMENTが行う
ビジネスモデルを実際に再現します。 実際にものを手にとり、「自分は実際どうするか?」と
考えていただきたいと思います。

 ーーーー トークイベント終了後の2日間は全ての商品のリペア、値付けを行いました。

 RIMG0632.JPG

遂に扉の開いた会場に入り、ゴミだった物達を手にとり、感じてみてください。
 


D&DEPARTMENT PROJECT ディレクター 松添みつこ








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