2009年9月25日 20:34更新
豊かな樹種がある箱根の山がうみだした伝統工芸で、小さく製材した様々な色の異なる
樹種を寄せてつくれらる麻の葉、矢羽根、市松といった伝統模様は、誰もが一度は
見たことがあるはず。箱根駅伝の往路優勝チームには寄木細工のトロフィーが授与
されることでも知られています。

最近はお土産物屋などでしか見る機会の少なくなりましたが、若手職人の活動が2005年
から始まっています。寄木細工を生業とする若手が集まり、商品開発や展示会に
取り組んでいるグループが「雑木囃子(ぞうきばやし)」です。
雑木林(多樹種からなる林)とお囃子(伝統芸能などにおいてのリズムや伴奏の意)に
由来する造語で、材種の異なる木の色や性質を組み合わせ、寄木細工の模様や
魅力がつくられるように、1人1人がやろうとしてる事、見ているもの。集まることで
やれる事見えるものを大切に活動していきたいという意味が込められています。
現在は6名で活動し、平均年齢27歳、最年少はなんと20歳。それぞれの工房での通常の
仕事が終わった後に自分の作品をつくったり、話し合ったり、飲みにいったりしている
ようです。今回紹介するものを見せてもらうため、仕事が終わってからわざわざ
集まってもらいました。
みんなで「それ、いつつくったの?」「そこの部分は○○使ったの?」
「その仕上げはないんじゃない」という話が飛び交います。
後継者になる人もいれば、独立を視野に入れて働いている人もいますがとにかくみんな自信を持ってつくっているのが伝わってきます。また、ただの馴れ合いではない辛辣な意見もでますが、その緊張感があるからこそ続いている活動だというのもわかります。

若手の集まりとはいえ、しっかり役割を決め、新しい若手が参加できるように会費制に
なっていたり、展示での売上げの一部を活動の資金としていたり、しっかり継続を
考えた活動体になっているのが印象的で、この方法はどの産地でも参考にできるはず。
また、良い意味でのいじられ役も、一言で場を変えるムードメーカーもいるので6人のバランスがとれているのが微笑ましかったです。
一度機会があればお酒でも飲みたいですね。

ものは、これまでのお土産品として需要が多かった細かな寄木ではなく、大きな寄木で木目もしっかり見えるものや、日常でも使えるお皿やぐい飲みなど、日常使いのものが多くなっています。もちろん細かな寄木の魅力を充分に堪能できるものもあります。

D&DEPARTMENT PROJECT NIPPON VISION担当 野口忠典